畳の分類
畳は三つの種類に分類されます。言われてみれば「そうだ。そういう違いがあった」と気がつくでしょう。
縁あり畳
私たちがよく目にする畳ですね。畳床、畳表、畳縁の構造で作られている畳です。それぞれに使われる材料によって更に細かく種類が分かれます。近年ではバリアフリー化の傾向から、13〜18mmの薄い畳が増えてきました。
縁なし畳
縁のない畳のことです。言うまでもないですね。加工が難しいために、畳表は琉球畳表が使用されることが多い畳です。技術的に機械での製造ではなく、畳職人の手作業で製造される畳です。近年の傾向からすると、和室でもこの縁なし畳を使用することが多くなってきました。フローリングなどに部分的に置く置き畳みも増加の傾向にあります。畳が登場した頃は、畳縁のある畳が高貴な人たちの使用するもので、この縁なし畳は庶民の使用する畳でした。雛人形が畳みの敷物に座っていることからもお分かりでしょう。今では原料や技術面で価格を下げることが難しく、反対に高級な畳として扱われています。
床の間
床の間には龍髭畳表という独特な畳表が使用されます。現在では畳床を使わずに、薄縁と呼ばれる畳表に畳縁をつけただけのものが多く使われ、畳そのものはあまり使われていないようです。
経糸で見る畳の種類
畳表は経糸で織られていて、大きく四つに分類されます。
糸引き表(綿二芯)
低〜中級品に多く使われていて、畳表が綿糸の経糸で織られています。経糸が綿でできているということは、伸び縮みがよく切れやすいためにイグサをそんなに織り込めないために目詰まり感のあまりない畳表です。イグサが少ない分、イグサの様々な効果も少なく、畳の持ちも低くなります。
麻引き表(麻二芯)
畳表が麻糸の経糸で織られています。糸引き表に比べると耐久性もよく、国産の畳表に多く見られ良品が多いのが特徴です。
綿W表(綿麻四芯表)
畳表が麻と綿の両方の経糸で織られているものです。低級品から高級品まで幅広く、使われているイグサの質や畳表の織り方で価格もかなり変わってきます。高級品になるとイグサの質も良く、耐久性もあり色合いも美しい畳になりますが、低級品になると糸引き表の呼吸品クラスのものにもかなわないものもあります。
麻W表(麻四芯表)
畳表の高級品にしか使われない麻糸を二本で織った畳表です。その中でも最高級品と呼ばれるのが広島県産の備後表の動力長髭表です。
その他の畳表
このように畳表は経糸によって様々な種類に分けられ、ランクも変わってきます。それでは畳表自体はどのような種類があるのでしょうか。
龍髭表
先にも述べましたが、床の間に多く使われる独特な畳表です。わざわざ太陽の光に当てて赤みが出るようにしていますので、普通の畳表とは色がかなり違っています。手間隙がかかるので価格も非常に高いものとなり、最近ではあまり使用されていないようです。
琉球表
七島イグサで織られた畳表の中でも高級なものです。七島イグサは普通のイグサの断面が丸い形をしているのに対して三角になっている、琉球で栽培されていた独特なイグサです。普通イグサは泥染めしてから乾燥させますが、七島イグサがそのまま乾燥させて織られます。かなり強い畳表ですので縁なし畳に多く使われる畳表です。
目積表
目積表も縁なし畳に多く使われ、琉球表と同じような織り方で普通のイグサを使って作られます。琉球表よりも見た目もきれいで価格も安いことから広く使用されています。
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