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畳の構造

和室に敷かれた畳。普段は気にも留めませんが中はどうなっているのでしょうか。ものすごく固いものではありませんが柔らかいものでもありません。一体中には何が使われているのでしょうか。畳の中を覗いてみましょう。

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畳の三つの構造

畳は中の芯の部分にあたる畳床と、私たちが普段目にしている畳表と畳の縁からなります。基本的には畳床にはワラが使われていて、縦と横に並べて糸で締めて作られます。最近ではワラ以外の材質も使われるようになりました。畳表もイグサだけではなく、パルプや化学繊維を使用したものもあります。畳縁は畳を保護する役割をし、様々な模様や色で織り込まれていて部屋の雰囲気を変えてくれます。

畳床

畳床は基本的にはワラが使用されますが、徐々に減少しつつあります。それでは畳床にはどのような材料が使われているのでしょうか。

稲ワラ畳床

昔から畳の床として使用されてきた素材です。何層にもワラを重ねて品質はワラの質はもちろんのこと、ワラの配列、ワラの圧縮が均等であるかどうか、ワラが縫われている感覚などにより決まります。30kgを越す量のワラを平たく40cmほどに積み重ねていき、その厚さをわずか5cmまで圧縮するために、畳が長持ちすることや柔軟性、断熱性や温度を一定に保つ効果、湿気を吸放湿する作用、畳が燃えづらいという様々な点を見ても、このワラ床の畳は色々な畳床の中でも最も優れています。

稲ワラサンドイッチ畳床

ポリスチレンフォームやインシュレーションボードなどを乾燥した稲ワラで挟んだ畳床です。ワラの畳床の特性を持っているのはもちろんのこと、軽くて保温性にたけています。ダニも発生しにくく手触りも稲ワラ畳床にかなり似ています。

健在畳床

インシュレーションボードを細かく砕かれたチップを圧縮したもので挟み込んだ畳床です。軽い上にコストもかからず、高い建物や(マンションなど)アパートによく使われています。断熱性もあり水を吸収せず、ダニも発生しません。コンクリートの床に使用する場合は、コンクリートに奪われる熱のエネルギーロスが少量で済みます。

畳表

材料のイグサを横に、麻の糸を縦糸にして織られていて、等級もイグサの種類によって分類されます。高級な畳には縦糸にマニラ麻の糸などが使用されます。使われるイグサの量は畳1畳で大体4000〜5000本でさらに高級な畳になると7000本のイグサが使用されます。

畳縁

畳縁は畳の長い辺につけられる布のことです。畳を補強するためにつけられていて、柄や色も数千にものぼり、畳店で選ぶことができます。畳の縁は錦や麻、絹や化学繊維など、様々なもので作られています。柄のないものと柄が織り込まれたものとがあり、部屋の雰囲気を飾ります。琉球畳にはこの畳縁がありません。

畳の特性

こうして三つの構造からなるたた畳には様々な特性があります。座卓と座布団を置くだけで応接間にもなりますし、疲れてゴロリと横になるにも畳の部屋は最適です。

空気の浄化

これまでにも説明しましたように、畳には断熱性や保温性、弾力性などの様々な特性を述べてきましたが、部屋の空気を浄化してくれるという効果もあります。一畳で500ccもの水分を吸い取ることができ、そのうえ乾燥してくると畳からその水分を放湿する働きをします。まさにエアコンのような働きですね。その上、畳表は二酸化炭素を吸引する力も持っていて、その多くは害のない一酸化炭素に変わって空気中に戻されます。私たちの知らないところで、畳は室内の空気をきれいにしてくれていたのですね。こうして先人は知ってか知らずかこの特性を最大限に生かせる製造法で畳を作り、現在に伝えてきたのです。畳の良さを再認識しますね。

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