最近は色々な入浴剤が販売されていますが、生姜の成分が入った入浴剤もよく見かけます。菖蒲(しょうぶ)を入れたお風呂に入るという習慣は昔から親しまれていますが、しょうがを使った生姜風呂も、生姜に含まれる色々な成分がお湯に溶け出して体を温めてくれる身近な健康入浴方法になるんです。生姜の成分や香りを入れた市販の入浴剤を利用した生姜湯も生姜のお風呂を楽しむのにはよい方法ですが、使いかけの生姜や薬味に使った残りの生姜を利用することもできます。
生姜風呂の特徴
生姜の成分や生姜そのものを入れたお風呂を「生姜風呂」または、「生姜湯」などと呼びます。生姜の香りには、食欲を増進させる効果があるといわれています。食欲増進の他にもあの生姜の独特の香りは頭をすっきりさせる効果もあるようです。また、生姜に含まれる成分が体を温める働きをすることが有名ですよね。そのため、生姜の成分を入れた「生姜風呂」は、体を中からじんわりと温めてくれるので、リュウマチや冷え症といった症状を和らげてくれる働きがあるのが、生姜湯の特徴のひとつといえます。
その他にも生姜には、比較的強い殺菌効果があります。さらに生姜にはたんぱく質を分解する酵素が含まれていますので、生姜成分の溶け出したお湯につかることで、体の汚れが落ちやすくなるのではないかと思います。生姜独特の辛味としても現れている刺激は、皮膚や体にも程よい刺激を与えてくれますが、皮膚が弱い場合にはしょうがの刺激が強すぎる場合があります。手作りの生姜湯や生姜風呂を楽しむ場合には、使用するショウガは少ない量で試してみるのがおすすめです。
あまった生姜や鍋の薬味に使った残りの生姜を捨てずに利用することもできるので、手軽で簡単に生姜風呂を楽しんでみてはいかがでしょうか? また、その生姜が取れた地域や生姜の種類によっても、香りや成分が少しずつ違っていますので、色々な生姜湯を試してみたい場合には産地や季節にもこだわってみるといいかもしれませんね。
簡単!生姜風呂の作り方
手作りの生姜湯の素は、家庭でも簡単に作ることができます。生の生姜は乾燥しょうがに比べると香りが良いので、すりおろすか刻んで使うのがおすすめです。乾燥生姜はあまり香りが出にくいのですが、刺激成分はしっかり溶け出してきますので、使う量に気をつけて使うことがおすすめです。作用が乾燥させた生姜と生の生姜では若干香りや刺激の強さが変わってきます。生姜には体を温め発汗を促す効果もありますので、生姜風呂に入る前には水を飲んでから入浴するといいですよ。
【生の生姜で生姜風呂】
- 生の生姜1~2片を皮ごとすりおろします。包丁で細かく刻んでもかまいません。
- ガーゼやフキンなどの布を袋状にし、その中にすりおろした生姜を入れます。生姜をすりおろした時の汁も染み込ませてしまいましょう。市販のお茶パックを利用しても簡単に作れますが、長時間湯船に漬けていると破れやすくなることがあるので注意してください。
- しょうがを入れた袋は、入浴する15分ほど前に湯船に入れておきます。入浴中に皮膚に長時間触れると刺激が強すぎる場合がありますので、湯船に入る前に取り出しても良いでしょう。生姜湯の香りや成分は溶け出していますので、ひりひりしないようでしたらゆっくり疲れを癒してくださいね。
ポイント
薬味に使った生姜の残りを利用するときは、少量のことが多いのでお茶パックを利用したほうが入れやすいと思います。薬味として使ったあとの生姜汁だけを直接湯船に入れてもいいと思いますよ。
【乾燥生姜の生姜風呂】
- 乾燥させた生姜は香りがあまりでにくいので5mm~1cm程度の厚さにスライスして麺棒などで軽く表面をたたきます。
- 入浴20分前くらいにスライスした生姜をそのまま湯船に浮かべます。ふやけてきたら生姜の成分が溶け出してきますので、そのまま入浴してもいいですし肌に触れるのが嫌な場合には取り出してから生姜風呂を楽しんでください。
ポイント
乾燥生姜は生の生姜より成分や香りが出にくいので、細切りにしてまとめて袋やお茶パックに包んで入れるのもおすすめです。棒などで軽くたたくとしょうがの成分が出やすくなります。
薬味の生姜湯
鍋や煮物をした後の残りの薬味には、生姜以外の薬味もありますよね。ゆずの皮や唐辛子などの薬味を生姜と一緒にお茶パックに入れるとオリジナルの生姜湯を楽しむことができます。
しかし、料理の残りの薬味を使う場合には、砂糖や醤油などの調味料がついていることもあります。入浴剤として生姜や他の薬味を利用する場合には、調味料がいないかを確認してから使うようにしましょう。調味料がついていた場合には洗ってから利用するのがおすすめです。
また、唐辛子はしょうがより刺激が強いので肌の弱い人が入浴剤として利用する場合や、入浴剤を直接肌につける場合などは、注意してくださいね。