しょうがにも色々な種類があるのを知っていますか? 普段、八百屋やスーパーなどで見かける生姜は、ごつごつとした生の生姜が一般的ですよね。薬味や料理の下味などに使われることが多いというイメージの生姜ですが、よく考えてみると紅生姜やすし屋のガリなど色々なところで、色々な形の生姜が使われています。どれも同じ種類の生姜が使われているのでしょうか? スパイスや漢方薬としても世界中でも色々な種類の生姜が使われていますが、生姜にはどんな種類のものがあるのかを調べてみました。しょうがってとてもたくさんの種類があるんですよ!
日本の生姜の種類
世界中にある生姜の品種は、500種類以上あるといわれています。「生姜」や「ジンジャー」といった呼び方に近い名前で呼ばれるしょうがの仲間もたくさんの種類があります。
生姜の呼び方
日本で一般的に使われている生姜はアジアが原産の生姜で、古くから日本で栽培されるうちに日本の風土や気候にあった品種が生まれました。日本では生の生姜が利用されることが多く、生のまま酢などの調味料に漬けて加工したり、すりおろしたり刻んだり、乾燥させたりといろいろな方法で利用しています。
生姜の収穫時期や使われている部分によって呼び方が違い、新しくできたばかりの若い部分を「新生姜」、生姜の茎や葉の部分を「葉生姜」、養分をしっかり蓄えてから収穫されたものを「根生姜」と呼んでいます。また、収穫した季節に合わせて、新生姜が収穫された後春~初夏にかけて収穫されるタイプの生姜を「中生姜」、種生姜として植えた生姜を一年たってから収穫したものを「ひね生姜(老成生姜)」「古生姜」とも呼ばれています。
生姜の品種
国内には、地域にあった栽培方法で育てられたしょうがの品種がいくつかあります。しょうがの産地としては、千葉県や高知県などが有名ですが、古くから栽培されている京野菜としても栽培されています。日本の生姜の品種の中には、茎の先端辺りが赤くなるタイプの生姜の品種もあります。赤くなるタイプの生姜には、房州赤芽生姜・金時生姜・谷中しょうがなどがあり、若いうちに甘酢や梅酢に漬けて作る「はじかみ」を作るときに多く使われます。
その他にも、根の部分が大きくなるタイプの大身生姜や三州芽生姜は若いうちに新生姜として収穫されると甘酢漬けや葉生姜に使われたり、味噌漬けや砂糖漬けなどの漬物に利用することもでき幅広く利用されてます。京野菜として使われるのは、種生姜として植えた生姜を一年かけて風味や辛味を蓄えたヒネ生姜で比較的小さめのタイプの在来生姜などの品種が使われています。
世界の生姜の種類
生姜は世界中でスパイスやハーブのひとつとして使われていますが、温暖な気候で適度に湿度のある地域でしか栽培できないため、アジアやアフリカ、オーストラリアなどで主に栽培されています。日本の国内にも色々な生姜の品種があるように、栽培されている国の気候や風土によって「しょうが」の風味や香り、成分などが少しずつ違ってきます。
アジアの生姜の特徴
中国や日本を初めとするアジアで栽培されている生姜は、他の国で栽培されている生姜に比べてやや辛味刺激の少ないタイプの生姜が多いようです。生で料理などに使われることが多いため、皮がついた生の状態で市販されていることがほとんどですが乾燥生姜もかなりあります。食材以外にも昔から漢方やクスリとして生姜が利用されているのは有名です。
アジアで栽培されているしょうがの仲間には、「ワイルド・ジンジャー」と呼ばれるものがあり、セキや喘息などの改善や腹痛の治療に使われることもあります。このワイルド・ジンジャーは、日本の一般的なしょうがに比べるとやや苦味があるのが特徴です。
インドの生姜の特徴
インドでは様々なスパイスが使われていますが、生姜もインドでは頻繁に使われているスパイスの一つです。茶色がかった色味を持つ香りの良い生姜や赤みのある爽やかな香りの強いタイプの生姜のほかに、甘みが強いものや辛味の大変強いタイプの生姜があります。中には、生姜の皮の表面に石灰をつけた状態で販売されているものもあります。また、生姜の仲間で「フォレスト・ジンジャー」または「ポンツク生姜」と呼ばれるものはしょうがに近い味や香りをもつことから、代用品として使われることもありますが、下痢やある種の腹痛の治療に用いられることもあります。また、しょうがの仲間で有名なターメリックもインドで多く栽培されています。
アフリカの生姜の特徴
アフリカで栽培されている生姜は、日本で見かけるものとは見た目もやや違ったものが多く、色が濃いものが多いのが特徴的といえます。香りや辛味が非常に強いタイプの生姜が多く栽培されており、ジンジャーパウダーの原料として使われることもあります。
しょうがの仲間の種類
生姜とは近いとされる植物の中には、生姜と同じようにスパイスとして使われているターメリックやカルダモンなどがありますが、身近なものではウコンやガジュツのほかに日本独特のミョウガなどがあります。
どれも生姜と同じように根や茎の部分が食用として利用されているほか、含まれる成分を利用して湿布剤や入浴剤などとしても広く利用されています。