生姜の栽培

生姜を自分で育てたことはありますか? 使い切れなかった生姜を置いておくと小さな芽が出ていることがあります。コレを植えたら生姜ができるのかな? と植えてみたことがありますが、栽培方法もわからずただ埋めただけだったので上手く育ちませんでした。調べてみるとちょっとしたポイントが必要だとか…。最近は、家庭菜園や手作り野菜の人気も高くハーブや野菜を自分で育てている人も多いと思いますが、生姜も家庭菜園で意外と簡単にできるんです。

生姜の栽培地

生姜はもともとアジアが原産の植物だといわれています。気温が低い環境では育ちにくく、適度な湿度と適度な気温がある地域で生育します。そのため、インドやナイジェリア、日本、中国、オーストラリアなどの地域では昔から栽培され生活の中で使色々とわれてきました。

日本の生姜の産地

生姜畑生姜は日本の気候や風土に適した植物ですが、特に比較的気温の温暖地域で盛んに栽培されています。生姜の産地として最も有名なのは高知県ですが、関東地区では千葉、埼玉、静岡県、また九州では熊本、長崎、宮崎県などが生姜の栽培を行っています。日照時間が長く地下を水分が循環できる環境が生姜の栽培には必要なため、河川が豊富な日本には生姜栽培に適した地域が多いようです。

一般的に生姜の栽培では、保湿力の高い粘土質の土壌が生姜栽培には向いているといわれています。そのため水田だった場所を生姜の栽培地として転用することも多いようです。しかし、干し生姜やヒネ生姜にはやや砂質の土壌が適しているとも言われています。また、気温にあわせて季節ごとの露地栽培の他にも、マルチなどを利用して温度を保つことで、一年を通して色々な品種のしょうがが栽培されています。

海外の生姜の産地

日本以外の生姜の産地として有名なのは、豊富なスパイスが栽培されているインドやナイジェリアの他、漢方や薬膳料理で古くから生姜を利用してきた中国なども有名です。生姜は乾燥にも弱い植物のため、インドや東南アジアでは雨季にあわせて生姜の種付けが行われています。雨季がない地域などでは、川から水路を引くなどの水分調整して、しょうがが栽培されています。

乾燥させた生姜をパウダー状に加工したものやしょうがの成分を精油として加工したものは、生姜の栽培にはあまり適していない気候や風土の国や地域で一般的なスパイスとして利用されています。ジンジャーパウダー用に使われる生姜は乾燥生姜用の品種が多く、辛味や風味が強いタイプのものが好まれることもあります。

生姜の栽培で知っておきたい生姜の特徴

料理やお菓子作りなどに昔からよく使われてきた生姜は、日本食には欠かせない野菜のひとつです。自分で栽培して自家製の生姜を使うというのもいいですよね。生姜を栽培するときに知っておきたい生姜の特徴や性質についてみてみましょう。

栽培時の気温

栽培住んでいる地域の気温や日照時間によっても差はありますが、10度以下になると生育状態が悪くなることもあります。生姜は家庭菜園で行われるような露地栽培の場合比較的栽培期間が長いのが特徴です。10度以下にならない季節を選んで育てることがポイントです。

また、18度以上になるとしょうがは発芽し始めます。そのため、気温が18度以上になる季節を選んで種付けしますが、収穫の時期をずらしたい場合などには植え始める予定の時期まで18度以下の所で種しょうがを保管しておかないと発芽し始めますので注意が必要です。

種生姜の選び方

種生姜に使う生姜は、しっかりした芽があり水分を十分に含んだつやのある生姜を選びましょう。ショウガを割ってみたときに中が変色しているものなどは上手く発芽しない、生育しないという場合がありますので避けたほうが良いでしょう。また、園芸店などで種ショウガとして販売されているものの中には、初心者でも比較的育てやすいといわれる三州白芽生姜などがありますので、育てやすい品種を選ぶのもおすすめです。

自宅で簡単!生姜の育て方

家庭菜園や趣味で生姜を育てて料理に使いたい! という場合に役立つ、一般的な生姜の栽培方法や生姜の生育についてみてみましょう。

生姜の植え方

  1. 種生姜は1個が50~60gにになるように分けておきます。切り取った切り口は湿った状態のまま植えると腐る場合がありますので切り口が乾くまで、1~2日程度日影で干してから使います。
  2. 複数の生姜を植える場合には、生姜と生姜の間隔は30cm以上はなして埋められるようにスペースをとっておきます。2列以上生姜を植える場合には、畝(うね)の幅を60cm以上あけて畝を作ります。
  3. 土壌を起こした後、地表から10cmの深さに生姜を植えます。種生姜の上には5~6cmの厚さになるように土を持っていきます。1か月ごとに10cmの厚さの土をさらに寄せて乗せます。
  4. 植え始めの時期は生姜の品種によっても若干違ってきますが、霜が降りなくなった春先3月から5月ころに植えると、梅雨に十分な水分が与えられます。そのころに植えた場合、収穫時期は早い新生姜は6月から収穫できるものもあり、風味や辛味が蓄えられた根生姜は9月ころまでには収穫できます。
  5. 土寄せを行う時期としては、一回目はしょうがが発芽してから第2 茎が出たころを目安に、しょうがの根元部分に3~5cm分の土を寄せていきましょう。地表の乾燥を防ぐために、藁やマルチなどを地表部分に敷き、水をこまめに与えることがポイントです。