その他のピラミッド
ピラミッドはエジプトにあるだけではなく、世界各地に存在しています。日本にもピラミッドと呼ばれるものがあります。
世界に点在しているピラミッドの形は様々で、エジプトのものとは違っています。中南米のピラミッドには階段があります。
アジアのピラミッド
アジアにはどのようなピラミッドがあるのでしょうか。ピラミッドは元々エジプトのピラミッドを指していましたが、同型のものもピラミッドと呼ばれるようになったため、世界各地にもその存在ができました。
ボロブドゥール寺院遺跡群
インドネシアにあるピラミッドで、1991年に文化遺産として登録されています。800年前に50年の歳月をかけて作られました。四角形の回廊が6層になっており、更に円形の回廊が3層に重なったピラミッドです。仏教遺跡で、メール山を真似て作られていると言われています。
チョガ・ザンビール
チョガ・ザンビールはイランにあるピラミッドで、1979年に文化遺産として登録されています。紀元前13世紀前後に作られたと見られ、レンガ造りの聖塔です。正方形をしており、一辺が105mあり、五層になっています。
アフリカのピラミッド
アフリカのピラミッドで有名なのは、言うまでもなくエジプトのピラミットです。ギザの三大ピラミッドをはじめ、階段ピラミッドや屈折ピラミッド、赤のピラミッドなどがありますが、アフリカでピラミットがあるのはエジプトだけではありません。
ゲベル・バルカル、ナパタ地域の遺跡
スーダンにあるピラミッドで2003年に文化遺産に登録されました。紀元前8~7世紀前後に作られたものと見られています。第25王朝のクシュ王国は、すでに作られなくなっていたピラミッドの建造を再開して、高さ30m前後の小さなものではありますが、数多くのピラミッドを残しています。傾斜がとてもきつく、鋭い形をしています。
中南米のピラミッド
中南米のピラミッドは、神殿として使われていて、エジプトのピラミッドと大きく違うのは、エジプトのピラミッドは人々を寄せつけない造りになっているのに対し、中南米のピラミッドは中央に階段がついており、参拝者がピラミッドの頂上まで登れるようになっています。
古代都市オティワカン
メキシコにあるピラミッドで、1987年に文化遺産に登録されています。高さが65m、一辺が225mもある巨大なもので、太陽のピラミッドと呼ばれています。近くには一回り小さい、高さ46m、大きさが150×140mの月のピラミッドと呼ばれるものもあります。
日本のピラミッド
日本にもピラミッドと呼ばれるものがいくつかあります。しかし、一見するとただの山なんですよね。日本でピラミッドと呼ぶ定義は以下の通りです。
1:四角錐や円錐形をしており、三角形状であること。自然の山でも人工的に造られた山でもかまわない。
2:頂上部が祭祀場で参道もあること。
3:山の周りにも祭祀場があって、ピラミッドとする山と一体になっていること。
4:エジプトのピラミッド群と区別し、環太平洋型ピラミッドと呼ぶ。
この定義を見ると、エジプトのピラミッドと同じに考えてはいけないようです。自然にそびえ立つ山も、条件さえ合えばピラミッドと呼ぶことができるのですから。
日本で最初にピラミッドと呼ばれたのが広島県にある葦嶽山(あしたけやま)です。木々が生い茂っていますが、成る程きれいな三角形の山です。人工的に建てられたであろう石の柱や巨石群、頂上には太陽石の崩れたあとも伺えます。
自然の山をピラミッドと呼んでいるものもありますが、中には葦嶽山のように、どうみても人の手が加わったものもあります。現在では看板なども立ち、観光地化してしまっていますが、私たちの知らないところでひっそりと眠っているピラミッドもあるかもしれませんね。
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