著作権の中に、翻訳権・翻案権というものがあります。私たちにはあまり関係ないものかもしれませんが、知っているだけで、普段目にする作品がどのような権利で守られているのかが分かります。 翻訳権・翻案権を知る翻訳権・翻案権は、著作権法第二十七条に規定されている著作財産権です。第二十七条では「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する」(『社団法人著作権情報センター』 http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html#021より)と明記されています。反対に見ると、これらを著作者の許諾なしに行うと、著作権の侵害になるということです。 [ スポンサードリンク ]
翻訳権・翻案権の侵害上記したことに対し、著作者の許諾がなければ著作権の侵害になりますが、その他にも原作品の内容をとりまとめてしまう要約することも、翻訳権の侵害になりますので注意が必要です。内容を変えて違ったものにする行為も、翻訳権・翻案権の侵害と共に、同一性保持権の侵害にもなってしまいます。インターネットなどで面白おかしく物語を変えてアップする行為も多数はびこっていますが、これはやらないようにしましょう。元の作品に多くの変更を加えずに、元の作品の内容とあまり変わらないように改変しているものについては、翻訳権・翻案権の侵害ではなく、複製権の侵害となってしまいますので注意が必用です。 これは著作権侵害です!よくあるパターンを一つ紹介しておきましょう。インターネット上で日記やブログ、または個人サイトで英語などで書かれた文章を許可なく翻訳し、インターネット上にアップさせる行為、これは翻訳権の侵害になります。また、とある文章を表現などもそっくりそのまま使って短い文章に縮めて表現する行為は翻案権の侵害にあたります。同じような内容でも、表現をそのまま使わずに、自分の言葉で表現しているのであれば、それは翻案権の侵害にはなりません。小説などを映画化する場合、シナリオライターの書いたものを映画化する場合、またはドラマ化する場合、原作に基づいて場面の設定などを決め、別の著作物を作成することを翻案といいますが、実際には翻案権の侵害になるかどうかは難しいケースが多く、自己判断では判別できないケースもあります。 二次的著作物上記の「翻訳権・翻案権を知る」で述べた著作者の権利である、翻訳、編曲、映画化などで、違う作品としてできあがったものを二次的著作物といいます。もちろんこれらを使って違う作品を作るときには、翻訳権・翻案権をもつ者からの許諾が必用となります。ただし、翻訳権に関しては存続期間がもうけられていて、著作物が出されたときから10年以内に翻訳物が出されなかったときに限り、翻訳権はなくなってしまいます。著作者の許諾を得て作られた二次的著作物を利用するときには、原作者である著作者と、著作者の許諾を得て二次的著作物を創作した著作者の許諾が必用となります。二次的に作られた物だからと言って、勝手に使用していいものではないのです。 個人で楽しむ分には大丈夫!これまでに著作権の侵害について色々挙げてきましたが、著作権侵害とならない為には、使用する際には許可をとるということ、不特定多数の人の前に公にすることなく、個人で楽しむ分には著作権の侵害にはならないということです。英語の文章を自分で訳してインターネットなどにアップしたい気持ちもわかりますが、不特定多数の人が見る可能性があるばかりではなく、全世界に配信してしまっているということを忘れずに、例えインターネットにアップしていなくても、パソコンに保存しているだけでも、情報の流出する可能性があるということだけはしっかりと頭に入れておきましょう。 [ スポンサードリンク ]
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