近年、目にいいと日本でも話題のブルーベリー。世界中で親しまれているブルーベリーはいつ・どこで誕生し、いつ頃から人々に食べられるようになったのでしょうか?そして、日本へ伝わったのはいつのことなのでしょう。
今では健康食品としてもすっかりおなじみになったブルーベリーの歴史についてお話したいと思います。
【ブルーベリーはこんな植物!】のページでも少し触れたように、原産地は北米です。その歴史のはじまりは17世紀初頭…ヨーロッパからアメリカに移住してきた人々が食べ物不足で困っていたとき、先住民からブルーベリー入りのスープなどを分けてもらいました。ブルーベリーをはじめとするベリー類は原住民の食生活のなかで不可欠なものでした。彼らが食べはじめた歴史をひも解くとなると、さらに昔にさかのぼらなければなりません。なので、今ここに書くことはしませんが、かれらは茂みから摘みとって生のまま食べたり、スープやシチュー、そのほか色々な食べ物に加えたりもしていました。おかげでヨーロッパの人々は生き延びることができたといいます。それをキッカケに移住してきた人たちは先住民に実を分けてもらって、保存食としてドライにしたり、ジャム作りのために栽培をはじめました。
こうして、もとは野生種のブルーベリーが食用としてたくさんの人に食べられるようになったといわれています。
誕生の歴史のあとは産地についてです。北米で誕生したブルーベリーも今は世界中のさまざまな国で自生していたり、栽培されています。けれど、残念なことに野生種が自生している地域はほんの少ししかありません。
日本、アメリカ、カナダ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、フィンランド、ポーランド、ドイツ、南アフリカとなっています。どの国が一番多くのブルーベリーを栽培しているのでしょうね?ここで、これらの国々のブルーベリー栽培面積を見てみることにしましょう。
国名 |
栽培面積(ha) |
アメリカ |
21721 |
カナダ |
4953 |
チリ |
2115 |
ポーランド |
1505 |
ドイツ |
1354 |
オーストラリア |
512 |
日本 |
450 |
ニュージーランド |
401 |
南アフリカ |
351 |
スウェーデン |
野生種のビルベリーが自生している |
フィンランド |
野生種のビルベリーが自生している |
日本でも各地で栽培されています。ですが、ここが産地としてとっても有名!というような大きな産地はないのが現状です。産地をいくつか挙げるとすると、北海道(赤井川村)、岩手県(一関市)、山形県(羽黒町)、茨城県(つくば市)、群馬県(川場村)、長野県(ほぼ全域)、石川県(能登町)などがあります。どの産地も熱心に栽培しています。これらの産地の中から、いずれは絶対ココ!というようなところが誕生するかもしれませんね。
日本に伝わったのは1951年(昭和26年)のことです。北海道農業試験場がアメリカから導入したのが始まりといわれています。1964年に福島県園芸試験場の場長の岩垣駿夫さんが東京農工大学の果樹学教授として赴任しました。このときに福島園芸試験場から苗を移植し、生産開発に関する研究をはじめました。さらに多くの研究者や栽培家の育成に力を注ぎました。このような功績から彼は日本の「ブルーベリーの父」と呼ばれているんですよ。1968年、日本初のブルーベリー栽培園が東京都小平市に誕生しました!この栽培園をつくったのは岩垣駿夫さんの弟子、島村速夫さんです。そのあとも岩垣さんの弟子つながりで、たくさんの栽培家があらわれました。こうして、本格的な栽培が始まったのは1980年後半とされています。新しく登場したブルーベリーは庶民のあいだでも健康効果に注目が集まって、ガーデニングブームとあいまって、栽培する人も増えています。