外国人にわかりやすい地図記号って何?
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2020年の東京オリンピックのために
日本人が使っている地図に使われる地図記号は日本で作られたもので、外国の地図では別の地図記号が使われています。そのため、日本に来た外国人が日本の地図を見たときに、記号の意味を間違ってしまうことがあるのです。そこで、地図を管理している国土地理院は2020年のオリンピックのため、そして、これから日本に来る外国人観光客のために「外国人にわかりやすい地図記号」を新しく作ったのです。地図記号をみんな外国人にわかりやすくするのは大変なので、外国人がよく訪れる場所だけ考えられました。
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外国人にわかりづらい地図記号って?
日本人にはおなじみの地図記号も、外国人にとっては全くわからなかったり、別のものと勘違いしてしまうことがあります。たとえば、郵便局のマークは「〒」であることは日本人なら誰もが知っていますが、このマークはそもそも郵便局の古い名前である「逓信省(テイシンショウ)」の頭の文字「テ」から来ています。つまりこれは日本でしか使われていない記号なので、外国人にはさっぱりわかりません。こういう、外国人にはわかりづらい記号がどれかを知るために、国土地理院は実際に外国人にアンケートを取って、「外国人にわかりづらい地図記号」を調べたのです。
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外国人にわかりやすい地図記号16種類とその由来
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郵便局
郵便局は外国人が日本で買い物をしたとき、自分の国に荷物を送りたいときに使う場所なので重要です。しかし、日本の地図記号では「〒」という外国にはない記号なので、お手紙を表す図形を使うことになりました。日本の地図記号はこれまでどおりこちらです
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神社
神社は外国人が日本に来たときの観光のひとつとして訪れる場所です。これは神社の入口にある鳥居を表していて、日本の地図記号と同じデザインに決まりました。
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交番
交番の場所はトラブルに巻き込まれたときに必要な大事な場所です。しかし、日本の地図記号では警察官が持つ警棒という道具を2つ重ねた「×」の形で、ちょっとこの記号だけでは警察の場所だとはわかりません。そこで、建物の中におまわりさんがいるデザインを外国人向けに作りました。
ちなみにこちらが日本人にもちょっとわかりづらい日本の地図記号です
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教会
教会は十字架のマークだけのデザインでしたが、外国人から見るとお墓だとおもってしまうので、建物を追加したものが作られました。
こちらが日本での教会の地図記号です。
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博物館・美術館
博物館と美術館は外国人が日本に来て行ってみたいところのひとつです。こちらはデザインに大きな変更はなく、少しリアルな図形になりました。
こちらが日本での博物館・美術館の地図記号です。
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病院
病院は体調が悪くなったときのための、とてもとても重要な場所です。日本の地図記号では十字形をホームベースの形で囲んだものですが、「教会」「お墓」「旗」「盾」と外国人には様々なものに見えてしまうため、わかりやすく十字形を建物の形で囲うデザインになりました。
こちらが日本での病院の地図記号です。
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銀行・ATM
銀行とATMの地図記号はこれまでありませんでしたが、クレジットカードが普及していない日本では現金の引き落としや両替のために銀行・ATMが大事であるため、新しく作られました。「日本の円を手に入れられますよ」というデザインです。
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ショッピングセンター・百貨店
これも従来の地図記号にはありませんでしたが、買い物をする外国人のためにわかりやすいショッピングカートの地図記号が採用されました。
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コンビニ・スーパーマーケット
ちょっとした日用品の買い物に便利なコンビニやスーパーの地図記号も新しく作られました。ショッピングセンターや百貨店と違ってショッピングカートを使わない程度の軽いお買い物におすすめという意味が込められた「サンドイッチとボトル飲料」というデザインです。日本人だとサンドイッチでなくおにぎりを採用したいところですが、外国人向けですのでサンドイッチです。
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ホテル
ホテルは日本の地図記号と大きく変更されました。日本のものはHotelの頭文字Hを丸で囲んだ記号でしたが、英語では病院もHospitalで頭文字がHになってしまい紛らわしいので、人がベッドで寝ているわかりやすいデザインになりました。
こちらが日本でのホテルの地図記号です。外国人には「ヘリポートに見える」という賢い指摘もされたそうです。
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レストラン
レストランも日本の地図記号にはありませんが、日本の食文化を楽しみたい外国人や、食べ慣れた洋食のレストランを探す外国人のためにわかりやすい地図記号が採用されました。お食事といえば箸ですが、外国人向けなのでもちろんフォークとナイフです。
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トイレ
初めての場所に行ったときにトイレがどこにあるのかという情報はとても重要ですよね?特に、外国に行った場合はどこに行ったらトイレがあるのかさっぱりわかりません。そこで、日本の地図記号にはありませんでしたが、世界的に共通なトイレのマークを使うことになりました。
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温泉
日本といえば温泉です。温泉の地図記号は非常にわかりやすく、日本で使われているものと全く同じものが外国人用にも使われることになりました。
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鉄道駅
鉄道駅は日本の地図記号では線路の記号の途中に四角で表される地味なものでしたが、鉄道で移動することの多い外国人のためにわかりやすい記号が新たに作られました。
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空港・飛行場
空港の地図記号は日本のものと同じですが、飛行機がより飛行機らしく見える改良が加えられました。日本のものは、少しかわいらしい飛行機が描かれています。
こちらが日本での空港・飛行場の地図記号です。
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観光案内所
こちらも日本の地図記号にはありませんでしたが、外国人観光客に必要不可欠な場所なので新しく作られました。「?」の方は人がいる観光案内所で、「i」の方は人がいない無人の案内所です。日本人は「i」を見ても、ん??と意味がわからない人がいるかもしれませんが、英語がわかる外国人にはinformation(インフォメーション)の「i」だととってもわかりやすいのです。
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言葉がわからなくても記号で伝わる!
これから日本にはたくさんの外国の人たちが来ます。それぞれの国で言葉や文化、歴史や宗教が違うため、すぐに日本人と仲良くなることは簡単ではありません。でもみんな同じ人間で、お互いのことを思いやればきっと気持ちが伝わるはずです。自分との違いを受け入れ、道に迷っている外国の人がいたら地図を使って教えてあげましょう!(でも良い子のみんなは、一人でいるときに知らない大人に話しかけちゃだめ!危ない人かもしれないから気をつけよう!)
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