ロシア料理・お菓子に合う飲み物
ロシアン・ティーというと、ロシアオリジナルのお茶のように聞こえますが、ただの紅茶です。ただ、飲み方がちょっと違うだけ…。また、ロシアでは紅茶だけでなく、飲み物にも色んな種類があり、人々に親しまれています。ここでは、ロシア料理やお菓子と相性のいい飲み物を紹介します。また、サモワールについても解説しましょう。
キセリ
正直、キセリは飲み物というよりもゼリーの一種と言ったほうがいいのかもしれません。
果物と澱粉(でんぷん)で作られたドロッとした喉ごしが特徴ですね。何とも説明し難いものです。強いて言うなら、葛湯のようなものでしょうか。
キセリは昔、穀物を煮込んだお粥のようなもので今、ロシアで飲まれているキセリとは違うものでした。現在のキセリは西ヨーロッパから伝わったものだと言われています。
使う果物によって、様々な味が楽しめます。
材料(作りやすい分量)
- 果物またはジャム(お好みのもの):300g
- 水:600cc
- 砂糖:100~150g(ジャムを使う場合は必要ありません)
- 片栗粉:大さじ3
- 水:大さじ2
- ベリー類・サワークリーム:各適量
作り方
- 鍋に果物と水、砂糖を入れて火にかけます。果物の色が出るまで煮て、そのあと、こしましょう。
- 片栗粉と水を混ぜて、水溶き片栗粉を作ります。水溶き片栗粉を加えて混ぜます。
- とろみがついたら器に液を流し入れて、冷蔵庫で約20分冷やします。
- 最後にサワークリームとベリーをのせて、出来上がりです。
コンポート
コンポートとは、イチゴやサクランボの果物に砂糖を加えて煮て作るジュースのことです。
特にフレッシュ・フルーツがたくさん手に入る夏はロシアの食卓によく登場する飲み物なんですよ。
このコンポート、かなり甘いのでティータイムのときにだけ飲むのかと思いきや、ロシア人は普通の食事の際にも飲むから驚きです。日本で言う、水や麦茶の感覚なんでしょうね。
しかも、ビタミン補給のために飲むという話をよく聞きます。ですが、糖分補給と言ったほうが正しいような気がするのは私だけでしょうか?
材料(作りやすい分量)
- 果物(お好みのもの):300g
- 水:10カップ
- 砂糖:150~200g
- レモン汁:1個
作り方
- 鍋に水と砂糖、果物を入れて弱火で約3分煮立たせます。そこにレモン汁を加えて火を止めましょう。
- 粗熱がとれたら、ビンに流し入れましょう。
- あとは冷蔵庫で冷やせば、出来上がりです。
紅茶(ロシアン・ティー)
ロシアでは水を飲む習慣はほとんどないと言ってもいいでしょう。その理由の一つとして生水を飲めないということもあるのかもしれません。
もちろんミネラルウォーターも色々売っていますが、料理に使う程度ではないでしょうか。そこでよく飲むのが紅茶です。
キオスクやスーパーなどには様々な種類の紅茶があります。ティータイムにお菓子とともに、食事のお供にと色んな場面で飲まれています。日本でもお馴染みのロシアン・ティー。
ロシアン・ティーって、紅茶の中にジャムを入れて飲むものだと思っていませんか?
別に紅茶を飲む人の自由なので、どんな飲み方でも構わないのですが、ロシア人に言わせるとジャムを入れるのは邪道なんだそうです。
実際はヴァレーニエと言われる果物の砂糖煮をお茶請けにして紅茶を飲む人が多いですね。
ヴァレーニエ以外にもハチミツをなめたり、角砂糖をかじったりすることもあります。
また、紅茶に入れる砂糖の量も中高年層はビックリするほど沢山入れる人もいますが、健康志向から最近の若い世代では砂糖を控えめにする人も増えているようですよ。
私もロシア滞在中は、ほぼ毎日紅茶を飲んでいました。ただ、食事の際にも黙っていると砂糖入りのものが出てくるので、いつの砂糖抜きの紅茶を頼んでいましたね。
サモワールって?
紅茶の話に続いて、サモワールを紹介しましょう。サモワールを日本語に直訳すると「自分自身で沸かす・煮る」となります。
ロシアで発明されて、今もなお、人々に愛されている湯沸し器です。サモワールで有名なのは昔から金属加工業が発展していた、モスクワの南にある街トゥーラとされています。
昔、ロシア人はサモワールに煙突をつけて炭でお湯を沸かし、お茶を飲んでいたそうですが、時代の変化に伴って今では電気で沸かすサモワールが一般的になっています。
お茶を沸かす道具としてだけでなく、ロシア土産の一つとして外国人観光客にも人気なんですよ。
こうしたお土産用のサモワールはキレイな装飾が施されていて、観賞用・部屋のインテリアに最適です。
昔ながらのサモワールはもう一般家庭では使われなくなってしまいましたが、それでも濃く煮出したお茶をサモワールのお湯を足すことで好みの濃さにするという入れ方をする人もいて、時々使われています。
残念ながらサモワール誕生の歴史は明らかになっていません。ですが、1778年頃にはすでにトゥーラに住んでいたリシーツィン兄弟が作っていたと言われています。
1780年代に入ると何人かが製造所を構えるようになったそうです。
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