琥珀にロマンを求めて
琥珀の基礎知識

琥珀の歴史

琥珀はもともと樹脂なので、それ自体は本当に古くから存在していました。その樹脂は琥珀として、いつから利用されていたのでしょう?琥珀には、とても長い歴史があり、国と国との貿易に重要な役割を果たしてきたことでも知られています。

いつから琥珀が使われていたの?

ヨーロッパで人々が琥珀を使うようになったのは、今から1500万年も前の遠い昔のことです。デンマークの遊牧民が、琥珀を装身具やお守りとして使い出したのが始まりと言われています。

古くから使われていた琥珀ですが、18世紀の前半までは、海の産物だと考えられていたんですよ。【琥珀とは?】のページで紹介したような塩水に浮くという性質、さらに“人魚の涙”の伝説も手伝って、そう考えられるようになったのでしょう。

ところが、18世紀後半になると琥珀は陸でも採れることがわかって、さらに普及していきました。その当時、琥珀は“北方の金”と呼ばれて、金と同じくらいの価値があるものだとみなされていました。このため、同じ重さの金と琥珀を交換することができました。

また、小さな琥珀細工はお金の代わりに、奴隷一人と交換されていたほど、貴重で高価なものだったのです。また、古代ローマでは宝石、装飾品、サイコロ、お守りなどにするために琥珀が作られて、人気を集めていました。

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日本での琥珀の歴史

日本同じく日本でも、琥珀は古い歴史を持っています。日本各地の遺跡からたくさんの琥珀が出土しています。そのなかでも、1998年に北海道で出土した琥珀の小さな玉は、約2万年前のもので、世界で一番古い琥珀製品の中に入ると言ってもいいでしょうね。ひもを通すための穴が開いていたので、身につけて使っていたと思われます。

日本での琥珀の歴史のはじまりは旧石器時代と言われています。室町時代(1336~1573)に入ると、今の岩手県久慈地方で、琥珀の本格的な採掘がスタートしました。

この頃、江戸や京都では少しずつ琥珀の需要が高まっていたのです。こうして江戸時代には、琥珀は南部藩の特産品となりました。このことで“琥珀熱”はさらに高まり、細工物やお香、塗料、医療品など、幅広く利用されるようになりました。そのほか、船舶のサビ止めなどにも使われていたんですよ。

そして、今はさまざまなアクセサリーや工芸品などに使われて、未だ根強い人気を誇っています。時代が変わっても琥珀の神秘的な美しさは、人々を魅了し続けているんですね♪

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アンバーロードとは?

アンバーロードアンバーロードは、直訳すると“琥珀の道”という意味になります。これは要するに、琥珀の交易路のことですね。

ヨーロッパの交易路の歴史は古く、紀元前7世紀頃から行われていたと考えられています。バルト海地方に住む民族は琥珀をお金代わりにして、ギリシャ、ローマ、エジプトなどのヨーロッパ各国と交易をしていました。

そうして交易の幅を広げているうちに、バルト海と黒海、そして地中海を結ぶ、琥珀の交易路がいくつもできあがっていったのです。アドリア海沿岸のアクィレイアへの道と、地中海のマルセーユへの道、黒海まで運ばれてからフェニキア人によって古代ローマ・ギリシャへと運ばれる道…。

おもに、この3つのルートがあったと言われています。やがて、これらの交易路はアンバーロードと呼ばれるようになりました。日本にも久慈地方と奈良・京都を結ぶアンバーロードがあったのではないかと考えられ、研究が進められています。

琥珀の産地として有名な“バルト海沿岸”については、【琥珀の産地】のページで詳しく紹介しているので、そちらをご覧ください。

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