ほうれん草の栄養
ほうれん草にどのような栄養が含まれているのでしょう。ほうれん草は、風邪・がん・動脈硬化の予防や高血圧を下げる効果、美肌効果があるといわれています。こうした効果は、ほうれん草に含まれている栄養によるものです。
ベータ・カロテンについて
含有量(ビタミンA効率)2900IU
ベータ・カロテンが豊富に含まれているにんじんやかぼちゃは鮮やかなオレンジ色や黄色をしています。実はほうれん草にも豊富に含まれています。ベータ・カロテンは目や皮膚を健康に保ち、風邪の予防にも効果があります。油を使って料理をすると、ベータ・カロテンをたくさん摂ることができます。
ルテイン
ルテインとはカロテノイドの一種で、体内でビタミンAとして働くものをいいます。カロテノイドは1日6mg摂るのが良いとされています。ベータ・カロテンやトマトに含まれるリコピンもカロテノイドの一種です。
ビタミンCについて
含有量65mg(すべて100gあたり)
ビタミンCは万能ビタミンと呼ばれています。ビタミンCそのものに、美肌効果や生活習慣病の予防効果がありますが、鉄と一緒に摂れば吸収率が高くなりますし、ビタミンAやビタミンEと摂ると抗酸化作用が高まります。
ほうれん草にはこれらの栄養素が全て含まれているのでとても効率の良い野菜なんですね。夏場よる冬場のほうれん草のほうが、ビタミンCが約3倍も多く含まれているんですよ。
効果的な食べ方
ビタミンCは熱に弱く、空気に触れるだけでも失われていきます。生で食べるほうがたくさん摂ることができます。手早く料理をし、煮物は汁ごと摂るようにしましょう。
ビタミンEについて
含有量2.1mg
ビタミンEは若返りのビタミンと呼ばれ、生活習慣病を予防したり、ホルモンのバランスを整えたりする効果があります。油を使って料理すると、ビタミンEをたくさん摂ることができます。
効果的な食べ方
毎日ほうれん草を食べるのが難しいというときは、ビタミンEが豊富な食品に頼ってみましょう。ビタミンEが豊富な食品は、緑茶・すじこ・モロヘイヤ・かぼちゃなどがあります。
葉酸について
含有量210μg
レバーや豆類などに含まれている葉酸ですが、ほうれん草にもたくさん含まれています。葉酸は赤血球を作り子供の発育を助けるものなので、貧血気味の人や乳幼児、妊娠中の女性は摂りたい栄養です。ほうれん草を生で食べると葉酸をたくさん摂ることができます。
効果的な食べ方
一般の大人で1日240μg、妊娠中の方で440μg摂るのが理想的です。これはほうれん草を1日1.6束食べることになるので、難しいかもしれません。そういうときは野菜ジュースにしたり、葉酸が豊富なレバー・大豆・納豆などをうまく組み合わせてみましょう。
シュウ酸について
含有量0.4~1.0%くらい、ばらつきあり
ほうれん草にはシュウ酸という栄養が含まれています。ほうれん草のアクの部分になります。このシュウ酸は唾液中のカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムになり、尿路結石になるといわれています。ほうれん草を200g食べると確率が高くなります。
効果的な食べ方
しかし、カルシウムが豊富な食べ物と一緒に食べると、腎臓のカルシウムではなく食べたカルシウムとくっつくので、尿路結石を防ぐことができるんですね。ほうれん草にもカルシウムは含まれているのですが、シュウ酸が含まれているため、あまり吸収されません。カルシウムが豊富なチーズや牛乳、魚介類などと相性が良いでしょう。ほうれん草を茹でることでシュウ酸はなくなるので、軽くサッと茹でましょう。
鉄分について
ほうれん草には、鉄分が豊富に含まれているといわれています。緑黄色野菜の中では多いほうといわれているのですが、小松菜よりも少なく、50年前に比べると栄養が落ちているそうです。理由は化学肥料の使用によって、土の中の微生物が少なくなっているのが原因です。
「昔のほうれん草は味が濃かったな~」というのも、栄養が少なくなっているからかもしれません。鉄鍋で調理をすると、さらに鉄分を摂ることができますよ。
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