コインについている模様(もよう)って、みなさんはよく見たことがありますか?「記念コイン」も10円や100円などのお金にも模様がついています。しかも、それぞれちがう図柄(ずがら)です。
まず、コインの模様についてお話しする前に、どっちが表なのか?裏なのか?ということを説明しましょう。コインのなかには5円、10円、500円のように両面に模様が描(えが)かれているものもありますが、そのコインによって表と裏がちがうということはありません。
さて、みなさんはわかるでしょうか?じつはこれ、法律で決められているわけではないんです。なので言ってしまえば、どちらが表でも裏でもかまわないということになりますね。ただ、造幣局では年号が書かれてある面を裏といっているんですよ。それがわかっても、まだ年号のあるほう(10とか100とか数字があるほう)がなんとなく表だと思ってしまうのは私だけでしょうかね?けれど、5円玉は造幣局の基準(きじゅん)で納得(なっとく)です♪
さて、実際(じっさい)に模様を考えて作っている人はだれなのでしょう?これは造幣局の職員(しょくいん)さんがつくる場合もあれば、一般の人たちから募集(ぼしゅう)する場合もあるんですよ。
いろんなアイディアが集まったなかで、「よし!こういうデザインにしよう!」と最後に決めるのは政府(せいふ)です。また、そのときの時代におこった出来事が反映(はんえい)されたりもしますね。長い年月のあいだにコインの模様もいろいろと変化しているのです。
1円の表には若木(わかぎ)、裏には「1」の文字がきざまれています。これは一般公募(いっぱんこうぼ)でえらばれたものです。両面の模様は審査(しんさ)され、表と裏は別々の人によってえらばれます。日本がのびのびと成長していくようにという願いが若木に込められているんですね♪最初に1円がつくられたのが1955年(昭和30年)…それから約50年間この模様は変わることなく、親(した)しまれています。
5円の模様は日本をささえてきた3つの産業(さんぎょう)をあらわしています。それぞれ稲穂(いなほ)は農業(のうぎょう)、海は水産業(すいさんぎょう)、歯車(はぐるま)は工業(こうぎょう)となっています。裏には双葉(ふたば)があります。これは日本が民主国家(みんしゅこっか)になったことをさしていると言われています。5円が発行(はっこう)されて始めてから模様は同じですが、1959年(昭和34年)に日本国の「國」の字を「国」にして書体(しょたい)もゴシック体に変わりました。
10円には京都府(きょうとふ)宇治市(うじし)にある平等院鳳凰堂(びょうどういんほうおうどう)が描かれています。この平等院鳳凰堂は世界文化遺産(いさん)に登録(とうろく)されているんですよ。藤原(ふじわら)頼通(よりみち)が、極楽浄土(ごくらくじょうど)のようなところを作ろうとして建(た)てたものと言われています。
50円は1円と同様(どうよう)、公募でデザインを決めていました。けれど今の50円とはちがって穴は開いていませんでした。しかも大きさも25.mmで今より大きかったのです。しばらくして100円がつくられました。ところが色や大きさが似ていて、まちがいやすいということから、穴を開けるようになったというわけです。そのあと、白銅でつくられるようになった50円は今の大きさになり、新しいデザインもまた公募で決まりました。キクの花がきざまれていますよね。
100円の模様は日本のシンボルともいえる桜の花になっています!表に桜があって、裏には「100」と描かれています。これも、けっこうシンプルなデザインですよね♪ちなみに、はじめは表に鳳凰(ほうおう)、裏に旭日(きょくじつ)をかこむ桜の花が描かれていました。鳳凰は中国の伝説(でんせつ)にでてくる鳥で、旭日は朝日のことです。さらに稲穂へとかわり、今のデザインに落ち着きました。
500円の表には桐(きり)が、裏の上下には竹、左右に橘(たちばな)が描かれています。自動販売機(じどうはんばいき)などが登場するようになった1982年(昭和57年)から500円がつくられるようになりました。2000年(平成12年)に偽造(ぎぞう)・変造防止(へんぞうぼうし)のために今のニッケル黄銅貨幣に変わりました。