今のようなローズオイルがなかった時代でも、人々は薔薇の香りに注目していました。当時、バラをほかの植物や動物の油脂に浸したものを使っていました。今でいう「練り香水」のようなものでしょうか。けれど、現在アロマテラピーで使われているエッセンシャルオイルとは、だいぶ違ったものでした。ローズオイルとよばれるものが作られ始めたのは10世紀に入ってからのことです。ペルシャで、アヴィセンナ医師が蒸留技術を完成させました。薔薇はアヴィセンナ医師が初めて蒸留した植物なんですよ。その蒸留方法は、水に熱を加えることで発生する蒸気でバラの水分と油分を抽出するというものです。その水分はバラ水、油分がローズオイルとなるわけですね!アンフルラージュ(冷浸法)と言われている薔薇のオイルの抽出方法は、かの有名な画家レオナルド・ダ・ビンチによって発明されたと言われています。常温抽出ができるため、熱に弱い成分を抽出するには適した方法といえますね。ベンゼンや石油エーテルを使う溶剤抽出方法は19世紀後半に発明されました。この方法で採取されるローズオイルはローズアブソリュートと呼ばれています。