手紙を出すとき、要点を得ていなければ、結局何が言いたいのか分からない手紙になってしまいます。手紙の用件に従って、ポイントを押さえた手紙でなくてはいけません。
特に礼状の場合、相手に対する感謝の気持ちが込められていなければいけません。どのようなところに重点をおけばいいのか、いくつか簡単に説明していきましょう。
礼状と一口に言っても、様々なシーンで使われるでしょう。このあと出てくるお祝い事やお見舞い、お悔やみに対しての礼状、また、お中元やお歳暮をもらったときの礼状もあるでしょう。電話でのお礼はあくまでも略式です。正式なお礼は手紙でも礼状になります。
お中元やお歳暮をいただいた場合のお礼状は、品物を受け取ったらすぐに出すようにしましょう。いただいた相手が個人の場合は、その家族に向けて、企業の場合は仕事関係者にも向けてお礼を述べましょう。文末は『取り急ぎお礼まで』などとするのが無難です。
入学や就職祝いをいただいたときの礼状も、なるべく早く出しましょう。季節の挨拶のあとに、お礼の気持ちを表します。いただいた本人の喜びの様子もしたためておきましょう。もし送り主が友人の場合は、かしこまらずに自分の言葉で書きましょう。子供自慢はせずに、自重します。
送り主の名前は、自分の名前だけではなく、いただいた子供の名前も連名にしなければいけません。親族から小学校の入学祝いをもらった場合、子供が描いた絵を入れてあげるのもいいでしょう。
図鑑をもらったのであれば、いつも見て楽しんでいます、クレヨンや色鉛筆のセットをもらったのであれば、喜んで使っていますなど、品物をもらった後の感想も書きましょう。
結婚祝いや出産祝いをもらったときも、早めに礼状を出すべきです。季節の挨拶を書いた後、お礼の気持ちを述べます。
結婚祝いであれば新しく夫婦となった二人の喜びの気持ちを伝えましょう。自分達の新居にお招きする一言も必ず入れるようにしましょう。送り主が友人の場合、堅苦しくならなくてもかまいません。自分の言葉でお礼を述べましょう。
お礼の気持ちを述べた後、本人の喜びの気持ちを表現しましょう。気持ちは分かりますが、あまり親バカぶりを発揮しないようにしましょう。相手がお仲人さんの場合は、相手方のご夫婦二人に対して、お礼の気持ちを述べなければいけません。
相手が友人の場合、自分の言葉でお礼を述べましょう。幸せな様子が伝わるような文面にします。子供の性別と、名前には振り仮名をふるようにします。差出人は夫婦連名にしましょう。
病気見舞いをいただいた場合の礼状は、他の礼状と違って、病気が落ち着いてから出します。季節の挨拶のあと、職場に対してでしたら、休んで迷惑をかけたことへのお詫びを忘れずに入れましょう。病気の現状ではなく、回復の時期を知らせるのがいいでしょう。
お悔やみをいただいた場合の礼状は、多くは葬儀の受付で、会葬お礼品と一緒に渡します。お悔やみだけをいただいた場合、電報のみで出席されていない場合は、なるべく早く礼状を出すようにしましょう。
ほとんどの場合、葬儀会社で礼状を手配してくれますので、文面はおおよそ決まっています。故人の名前、お礼の言葉、直接挨拶をするべきところを、書面になってしまった旨も伝えます。喪主の名前と、親戚一同と書き添えます。
結婚式やパーティーの招待状をもらったら、期日はもうけていますが、なるべく早めに返事を出しましょう。『御出席』『御欠席』とありますので、出席であれば、『御』の字を斜め線2本で消し、出席の文字を丸で囲みます。『御欠席』の文字も縦線2本で消します。
『御住所』『御芳名』とありますので、『御』と『御芳』の字を2本線で打ち消します。もし欠席するのであれば、『出産が近いため』など、相手に理解してもらえる理由を書き添えましょう。弔事の場合は『やむをえない事情』として、詳しく欠席の理由を伝えないようにします。返信ハガキの表書きは、『○○行』となっていますので、『行』の字を2本線で打ち消して、横に『様』と書き直しましょう。
ビジネスにおいて、詫び状を出さなければいけないことはしばしばあるでしょう。こちらに非がなくても、相手がお客様の場合は、お詫びをしなくてはいけません。その文章にも細心の気を配って書かなければいけません。
詫び状に季節の挨拶は不要です。『拝啓』『謹啓』+『敬具』は使いましょう。お詫びの言葉とともに、分かれば原因、分からなければ原因を究明していること、再発防止の対策をとることなども述べます。最後に変らぬ御愛顧、お付き合いをお願いする文章で閉めましょう。