静電気のしくみ
私たちの生活の中で電気はとても大切で、目には見えないけれど必要なものですね。きっとどこかで体験したことのある静電気は必要なものなのでしょうか? 静電気のしくみを学んでみましょう。
静電気の正体
秋から冬にかけて空気の乾燥している時期に、服を脱いだり車のドアに触ったりするときにパチッと音がなって痛いと思ったことはだれでもあると思います。静電気だ! という言葉は良く使いますが、静電気とはどのような電気のことを言うのでしょうか? 静電気のしくみを知ってみましょう。
電気のプラスとマイナスの関係
電気を通す物体には必ず、プラスとマイナスがあります。人は電気を持っていますし、ほとんどの物も電気を持っています。大きなぬいぐるみにも、それについている小さなホコリも電気をたくわえているのです。人や物はプラスもマイナスの電気も両方持っていて、普段は同じ量のため電気が流れていることがわかりません。たとえば、乾電池は電気をためて時計やゲームの中にセットすると使うことができますよね。電池にもプラスとマイナスがあって、方向を間違えると使うことができず電気は動きません。では、見えない電気はどのように流れて使うことができるようになるのでしょうか? プラスとマイナスは見えないけれど、とても小さなツブツブになっています。この2つが電気をつけるための大切なポイントになります。
落ち着きのないマイナス君
プラスもマイナスも電池の中には、いっぱいのツブがたくわえられています。でも、電気が流れて電球をつけたり、モーターを動かしたりする役目はマイナスの仕事です。プラスは電池の中でマイナスが移動する助けをしています。マイナスは物と物の間を行ったり来たりすることができるので、静電気もマイナスが移動して電気が流れることで起こります。
帯電(たいでん)する物体
物には必ずプラスとマイナスのツブがあるとわかりましたよね? でも、空気だって電気を持っています。プラスチックは電気を通さない物だからプラスもマイナスもない…? と考えることができそうです。でも、電気を通さないプラスチックでも静電気が発生することがあります。プラスチックの下じきで髪の毛をこすって逆立てたり、ビニールや紙をくっつけたりして遊んだことはありませんか? 静電気が発生していることになりますね。
絶対に帯電してしまう物
電気を通す物と、電気をためてしまう物というのは違う意味があります。電気を通しやすい物は、自分からたまりすぎてしまった電気をもらったり逃がしたりすることができます。でも、電気を通しにくい物は、どこに電気をあげて良いのかわからなくためこんでしまうのです。電気をためてしまうことを帯電(たいでん)すると言います。電池も帯電している物の1つになります。
静電気がおこる条件は?
静電気がおきてしまうときって、どのような時なのでしょうか? 人と人、物と物それぞれがプラスとマイナスの電気を持っていますよね。それぞれ、たくさん帯電しています。プラスのツブが多い人や物は、マイナスのツブをほしがっています。マイナスのツブが多い物であれば、マイナスのツブを減らしたいと考えています。お互いに、マイナス電気のツブを移動させたがっているのですね。だから、帯電している物がふれ合ったときにマイナス電気を移動させるため静電気が発生するのです。
静電気は乾燥に注意
静電気が起こる季節って秋や冬が多くありませんか? 気温が下がって寒くなると、空気は乾燥してきます。空気が乾燥していると、帯電している電気は、外に逃げたり他の物にマイナスのツブが移動したりすることが難しくなります。だから、水分の多い人間の手は電気を移動させることにちょうど良く静電気が発生してしまうのです。乾燥している季節には帯電しやすいので、部屋の中では湿度を高くしておきましょう。
静電気と電気の違いは?
電気は、常に流れていて使えるものです。静電気の反対といえるなら、動電気と名前がつけられるでしょうか? 静電気は動かなく、帯電しているときの電気です。電気は常に動いている川の流れのような電気なのです。コンセントを使っているテレビや蛍光灯(けいこうとう)の光は、とても強く続けて電気を流していなければならないため、動電気が必要になっているのです。静電気でも、小さな豆電球を光らせることはできます。でも、電気の力は強くても、流れる時間がとても短いので一瞬で消えてしまいます。静かな電気、静電気の名前はぴったりなのかもしれませんね。
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