世界では今、“砂漠”という名の不毛の地が広がり続けています。砂漠とは、水が少なく植物もほとんど生えていないところ。そんな砂漠がなぜ、広がっているのでしょう? 降水量の減少や地球温暖化による気温上昇など、砂漠化にはさまざまな原因があります。しかし、その原因の多くは私たち人間が作り出したものなのです。
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砂漠化とは、人が住んでいたところや植物の生えていたところが気候変動や人間の活動によって不毛の大地へと変化することです。 今、地球上にある陸地の約1/4(36億ヘクタール)が砂漠化の影響を受けています。日本の約95倍に相当する面積・・・といえば、よりわかりやすいでしょう。 さらに、世界の砂漠は毎年6万平方キロメートルものスピードで広がっています。このままいけば、地球上にある陸地すべてが砂漠となるでしょう。また、砂漠化によって9億人(世界人口の約1/6)の人たちが何らかの影響を受けているのも確かです。 砂漠化は気候的要因と人為的要因がそれぞれ相互に影響し合い、進行していきます。これら2つの原因について、さらに詳しく見ていきましょう。 気候的要因気候的要因として、まず干ばつがあげられます。1968~1973年に起きたサハラ(西アフリカ)周辺の干ばつでは大地が干からびて、2,500万人もの人が被災しました。これ以降も、干ばつや少雨といった気候変動は続いています。気候変動と環境問題(地球温暖化や森林破壊など)には何らかの関係があるのではないか・・・といわれていますが、ハッキリしたことはいまだ解明されていません。 人為的要因人為的要因として過放牧や過耕作、塩害、森林伐採などがあげられます。こうして植物が少なくなると風で土が飛ばされる“風食”や水で土が流される“水食”などが起こり、大地は荒れ果ててしまうのです。さらには、かんがい(地下水をくみ上げて農業に使う)によって地面が塩だらけになる“塩害”なども考えられるでしょう。また、砂漠化の根本的な原因として、そこに住んでいる人々の貧困および急激な人口増加といった社会・経済的な問題があげられます。 数ある中でも、砂漠化は人間への直接的な影響が大きい環境問題といえるでしょう。まず、砂漠化による土地の劣化は、農作物へ大きな影響を及ぼします。生産力が著しく低下し、食料不足など生活条件の悪化をもたらすでしょう。また、居住空間の減少によって住宅費や生活費なども高騰します。 これらが深刻になると、飢餓や民族間の対立といった社会的混乱も避けられません。他にも、森林伐採による魚介類への影響などがあげられます。砂漠化の進行が次なる砂漠化を引き起こす・・・といった悪循環もみられ、その影響は計り知れないでしょう。 1996年12月、進行し続ける砂漠化に歯止めをかけようと“砂漠化防止条約”が発行されました。現在では、日本を含む191カ国が参加しています。この条約は、砂漠化が深刻な地域(アフリカなど)の干ばつや砂漠化に対処するべく設けられました。 また、それらの国々が具体的な対処法を提案、それにかかる資金を参加国が援助するという内容になっています。世界各国が連帯・協調することで砂漠化によってもたらされた問題(貧困や食糧難など)を解決し、持続可能な発展を成し遂げるための対策を模索しているのです。 日本では政府開発援助(ODA)による調査をはじめ、技術面での協力や資金の貸付などさまざまな支援を行っています。また、日本のNGOが行っている砂漠化防止活動(現地での植樹や緑化など)に対して補助金も支給しています。 このようにさまざまな取り組みがなされる一方、ものすごいスピードで砂漠化が進んでいるのも事実です。根本的な解決のためにも、私たちはライフスタイルを見直す必要があるでしょう。 [ スポンサードリンク ]
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