筋子
鮭の卵はそのまま食用として利用することができるのは誰もが知っていることと思います。普通はいくらという加工した形で食材として利用することがほとんどでしょうが、鮭の卵を加工する前の形で食することも可能であり、根強いファンがいます。鮭の身から取り出しただけの状態である鮭の卵を筋子といいます。
筋子の特徴
筋子は、鮭の雌の身から獲れる卵です。スーパーなどにも普通においてあり、販売されています。先ほどから述べていますが、筋子から筋をとってばらしたものがいくらであり、そのため、筋子といくらの違いは文字通り筋がついているかついていないかという違いです。オレンジ色に近いいくらと違って、筋子は赤っぽいのも特徴の一つです。お店で購入できる一般的な筋子は、普通は塩漬けにしてあり、ただ単に鮭の身から取り出しただけの筋子を生筋子といって区別することもあります。加工された筋子といくらの値段の差はそれほどありませんが、生筋子は加工の手間がかかっていない分だけ値段も若干安い傾向があります。
筋子に向いている鮭
筋子はそのままの形、もしくはしょうゆや塩につけた形でおつまみのように食することがほとんどです。そのため、余り皮が硬いものは好まれません。特に筋子の場合は筋が残っていますから、いくら以上に皮が柔らかいものが好まれます。そのため、川に遡上する直前の鮭のものよりも、沖合いで獲れる鮭のものの方がより好まれます。
筋子の種類
鮭に様々な種類があるように、筋子にも様々な種類があります。これは鮭の種類によって呼び名が変わります。
- 鮭子・・・シロザケの筋子
- 紅子・・・ベニザケの筋子
- 銀子・・・ギンザケの筋子
- 鱒子・・・カラフトマス(ピンクサーモン)の筋子
- キング子・・・キングサーモンの筋子
日本で筋子といえば大体が鮭子のことを指すと思いますが、中には他の鮭の筋子もあるようです。
筋子の作り方
筋子の作り方といっても、鮭のお腹から卵を取り出せばその時点で筋子になりますから、作り方は特にないのですが、さすがにそのままでは味も淡白ですし、筋子の味よりも血の味の方が強くて生臭く感じることが多いでしょう。まあ、生臭い方が味わい深くていいという人も中にはいますから一概にダメとは言いませんが、筋子の味を引き立てる何らかの他の味がついていたほうがおいしいと感じられると思います。筋子を加工して食するときは、大体が自分の手でばらしていくらにしてしょうゆ漬けにして・・・という形になるのでしょうが、筋子をそのまま食べるとしたらどのように料理すればいいのでしょうか。
生筋子を塩漬けにする
市販されている加工済みの筋子は大体塩漬けにしてあることがほとんどですが、当然生筋子を購入してきて自分で筋子の塩漬けを作ることができます。
- 薄めの食塩水を作り、その中に生筋子を入れてゆっくりと血抜きをする
- 筋子を食塩水から取り出し、水切りをする
- 水切りした筋子をビニール袋か何かに入れて、お好みの量の塩を入れ、全体になじむようにすり込んでから30分~1時間ほど置いておく
- 筋子を袋から取り出し、30分ほど水切りする
以上で出来上がりです。市販されているものと違い、塩味を自分で調整できるのがポイントですね。
生筋子をしょうゆ漬けにする
しょうゆ漬けと聞くとどうしてもいくらのしょうゆ漬けが頭に浮かんでしまいますが、いくらだって元々は筋子なんですから、筋子のまましょうゆ漬けにして頂くこともできますし、十分おいしいです。
- 筋子の血抜きをする(方法は筋子の塩漬けと同じ)
- 筋子に味付けするしょうゆダレを作る。しょうゆをベースにみりんやその他の調味料で味付け、味はお好みで
- 血抜きした筋子をしょうゆダレにつけて、しばらく置いておく
- タレから筋子を取り出して水分を切る
基本的には筋子の塩漬けとほぼ同じです。これもやはり自分好みの味にどうとでも調整できるのがポイント高いですね。
他にも酒粕に漬けたり、味噌漬けにしたりと、好みに応じて様々な漬け方がなされています。自分好みの味付けが自由に行えるのも筋子のいいところではないでしょうか。