奈良・鎌倉 大仏百科 > 奈良と鎌倉の大仏の違い > 螺髪の違い
「螺髪(らほつ)」という言葉は聞き慣れない言葉ですね。よくパンチパーマのおばさんを「大仏ヘアー」などと言って茶化しますが、この大仏ヘアーが螺髪のことです。どんな意味があるのか知らない人が多いでしょう。
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螺髪の「螺」という字は、巻き貝を意味しています。仏教で言うと、三十二相八十種好の一つに挙げられます。これは釈迦の32の大きな特徴と、80の細かい特徴のことをいいます。智恵と徳の高さを表現していて、悟りを開いた位の高い仏様に出てくる特徴の一つとも言われています。常人と違う、人間を越えた存在であるということを表わしているのでしょう。 螺髪であると言うことはそれだけで尊いということなのです。螺髪自体は、昔のインドの階級の高い人達の髪型に由来しているとも言われています。奈良の大仏の螺髪の一つの大きさは、直径が約22cm、高さが約21cmもあります。重さは一つ1.2kgあり、これが頭にいくつもあるのです。 この形は古代インドの王朝、クシャーナ時代にマトゥラーで造られていた仏像がこの髪型をしており、後に日本に伝わったものになります。一方ガンダーラでは、髪の毛が波状に表現されることが多かったようです。 お釈迦様のヘアースタイル言い伝えによると、お釈迦様は髪の毛を3~4cmくらい伸ばしていたそうです。1本1本が右に巻かれていて、今で言うパンチパーマのようになっていました。各地の大仏の頭が螺髪になっているのは、このお釈迦様のヘアースタイルからきていて、巻き毛を表現したものだとも言われています。お釈迦様は天然パーマだったのかもしれませんね。 奈良の大仏の螺髪の数は、なんと966個もあります。一方鎌倉の大仏は656個です。やはり大仏自体の大きさに差があるので、螺髪の数にも違いがでますね。螺髪は一つ一つ造られ、頭につけられていきました。奈良の大仏を例に挙げると、966個の螺髪を頭につけ終るまでに3年の月日がかかりました。軽いものではないので大変な作業だったと考えられます。 一般的に螺髪の巻きの向きは右巻きになっています。多くの仏像がそうなのに対し、鎌倉の大仏の螺髪は左巻きになっています。よく頭の悪い人のことを「左巻きだ」ということがありますが、これは螺髪の右巻きに対して逆であることから言われますが、鎌倉の大仏はどうなのでしょう。 螺髪の他にも大仏の体の部分には、変わった呼び方があります。聞き慣れない名称ばかりで、説明がなければ分からないものばかりかもしれません。
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