先にも言いましたが、乗算とは掛け算のことです。日本珠算連盟の検定試験では、4桁の問題が8級から登場します。3級になると、小数点の問題も出てきます。そろばんでの計算方法は、片落としや両落とし、観測定位法など、様々な方法があります。ここでは片落としの方法を紹介していきましょう。これは除算にも使います。
乗算に入ったばかりのころは、掛ける数字と掛けられる数字の両方をそろばん上に置いて計算します。級があがり、桁数が多くなってくるとそろばん上に置いて計算するには無理があります。その場合に片落としで計算していきます。そろばんに置く数字は掛けられる数を置きます。掛ける数は見ながら計算していきます。大変だと思うかもしれませんが、慣れると簡単ですし、計算するスピードも上がります。
この片落としの他に、掛けられる数と掛ける数の両方をそろばん上に置かずに計算する方法を両落としといいます。
除算は割り算のことを言います。そろばんでの玉の置き方は、乗算と逆になります。日本珠算連盟の検定試験では、3桁の除算が8級からあります。
見取り算は足し算、引き算のことを言います。加減算とも言います。そろばんを始めたばかりの頃は、簡単な見取り算から始めます。日本珠算連盟では、10級の2桁の見取り算のみから受験することができ、3級になると、乗算同様、小数点の問題が出てきます。段位になるとマイナスの加減算も出てきます。
上級者になると、自然と計算するスピードが速くなってきます。段位では問題数も多く、そろばんをはじくスピードがなければ、問題数をこなすこともできません。しかし、ここで失敗しがちなのは、あまりにも計算が速いため、せっかく計算したのに手を引っ掛けて、盤を崩してしまうことです。そろばんを押さえている手だけでは、ずれてしまうこともあります。自然にスピードアップしているのであれば、こうした失敗は少ないかもしれませんが、早く計算しようとするあまり、焦ってしまってはいけません。失敗の元になります。