そろばんができる人は、計算する場面になると常に頭の中にそろばんが現れます。周囲の人に聞いてみましたが、皆が皆そうでした。
自分では何も考えずに、そろばんを思い浮かべて計算していたのですが、そろばんができない人がどうやって暗算をしているのかが分かりませんでした。
自分のように頭にそろばんを思い浮かべて計算する人は、右脳を働かせているのでしょう。一方、そろばんができなくて暗算をする人は、言葉として頭の中で計算するので、左脳を使っていると考えられます。
実際、そろばんを使いながら計算していても、目の前ではじいているそろばんと同じ映像が頭の中で繰り広げられています。
子供の頃からそろばんに慣れ親しみ、暗算も難なくこなせる人の方が、はっきりと頭の中でそろばんをイメージして計算できるようです。そろばんを習い始める時期、練習量に比例しているといっていいでしょう。
まだ日が浅い場合や練習量が少ない人は、計算途中で頭の中のそろばんの末尾の数字が分からなくなってしまったり、おぼろげになってしまうことがあるようです。自分の場合は、そろばんそのものが頭に浮かぶわけではなく、使う玉だけが頭に浮かんできます。
暗算をする場合に、頭にそろばんを思い浮かべそれと同時に、実際にそろばんをはじいているように、自然と指も動いてしまいます。動かそうと思っているわけでもないのに自然と指が動いてしまうのです。頭の中でそろばんをイメージすることで指が動くということは、脳が活発に、且つ正常に機能している証拠ともいえるでしょう。
そろばんが日常生活に与える影響というものは、意外と多いものなのです。そろばんをやっていると、集中力や記憶力、計算力がつくと言われていますが、その他の影響とはどんなものでしょうか。日常生活の中で数字を目にすることはたくさんあります。
これは自分だけかもしれませんが、計算するわけでもないのに、数字を目にすると、その数字をそろばんに置いたイメージを頭で描いてしまいます。全くの無意識で、当たり前のこととして思い描いてしまうのです。
買い物に行くと、現在の消費税は内税表示になっていて、税込み価格になっています。値段を見て、税抜きはいくらなのか瞬時に計算したりします。○割引となっていると、元の売価がいくらなのかも計算してしまいます。
財布の中がピンチの状態で買い物に行っても、サクサクと計算しながらカゴに入れていきますので、レジでドキドキしたこともありません。とにかく、計算に強くなり、自信がつくのは間違いありません。学校生活の中での算数・数学・統計の計算や資料作り、社会人になってからは買い物や商談の場面で、電卓を使わなくてもスピーディーに計算することができます。
自信がつく他にも、他人からも頼られる存在になるでしょう。そろばんは決して時代遅れではありません。それを証拠に、そろばん塾には今でも多くの生徒が通い、大会やコンクールなどでは、小学生でもかなりの成績を修めていて、小さい子供の段位取得者も珍しくなくなっているのです。