身の回りにあるガラスは、どんな材料でどのように作られているのでしょうか。
また、材料が変わったとき、ガラスはどのように変化するのでしょうか。
ガラスは原料の持つ色や性質によって様々な表情を見せてくれます。ここでは、ガラスの原料の役割や性質についてお話ししましょう。
二酸化ケイ素が結晶になってできた鉱物に、石英という鉱物があります。多くの場合が六角柱のきれいな形をしています。
その鉱物が砂状になったのが珪砂です。石の状態なら珪石(けいせき)といいます。
古くは玻璃(はり)、クリスタルとか水晶などと呼ばれています。
紅石英(ローズ・クォーツ)とか紫水晶というのは、水晶に何か不純物が混じって、色がついた状態の水晶なんです。
水晶には冷静沈着とか神秘的という石言葉もあるくらいですから、ガラスがきれいな理由もうなずけます。
けれど、この石英は砂漠の砂の主成分でもあります。砂埃には石英が含まれているので、砂埃によって、車が傷つくこともあるんですね。そのため、宝石には傷つきにくい石が選ばれているんですよ。
【SiO2】
食塩から作った、炭酸ナトリウム無水物のことをいいます。お菓子作りに使われる、ベーキングパウダーの主成分でもあります。
ソーダ灰は洗剤や入浴剤にも含まれています。
酸化ナトリウムを加え、ソーダ灰を珪砂に加えることで、早く溶けるようにします。【Na2CO3】
石灰石は炭酸カルシウムともいいます。ガラスの耐久性を強くします。
石灰石はチョークの粉やベビーパウダーなどにいろいろなものに含まれています。貝がらやサンゴの主成分です。
水に溶けないガラスにするために加えられます。【CaCO3】
カレットとは、ガラスをこなごなに砕いたものです。現在はガラスびんの製造にカレットが90%使われています。
カレットを使うと、びんの原料の節約になるだけでなく、ほかの原料を溶けやすくする働きがあります。
原料を溶けやすくする分、燃料も少なくすみます。
ガラスのびんの色は、透明が45%、茶色が40%、青・緑・黒が残りの割合です。
一度色のついたガラスは、色を抜くことができないので、カレットを使うときは色別に分けて使います。
ガラスの色は、ガラスの原料に、金属酸化物を加えることで、色がつきます。
ガラスの成分や溶融のしかたが変わると、色合いも変わります。
色合いの違いにはには酸素が多い「酸化雰囲気」と酸素が少ない「還元雰囲気」という違いがあります。
酸化雰囲気は寒色系、還元雰囲気は暖色系を出すときに使われます。
- 紫…マンガン+銅、コバルト
- 青…コバルト、銅
- 緑…クロム、鉄、銅
- 緑(蛍光)…ウラニウム
- 黄…銀、ニッケル、クロム、カドミウム
- 茶…鉄+硫黄(+炭素) 黄赤…セレン+カドミウム
- 赤…金、銅、コバルト、セレン+カドミウム
- 赤紫…ネオジム、マンガン
- 黒…マンガン、クロム、ニッケル、コバルト、鉄、銅など
- 乳白…フッ化カルシウム、フッ化ソーダ、リン酸カルシウム