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「宝石」か、「くず」か?

例えば、同じカラットのダイヤモンドであってもそのクォリティによって数十、数百倍といった価格差が生じることがあります。それだけ、ダイヤモンドを宝石とするには高い品質を要求するわけですが、それではその要求する品質に満たないダイヤモンドはどうなるのでしょうか。ここでは宝石として使われないダイヤモンドについてお話してみましょう。

ダイヤモンドの行き着く先

ダイヤモンドは、最初の選別である程度の大きさ分けがなされます。いかに透明度が高く、品質が良くても、カットや研磨をほどこせるだけの大きさが無ければ、ダイヤモンドは光り輝く事はないのですから当然ですね。

続いて、大雑把な品質分けがなされます。この結果、小さすぎるもの、黄色過ぎるものなど品質が悪いものは宝石としての用途には使えません。そういったものは通常工業用品にまわされていきます。

メレーダイヤ

0.25ct以下のダイヤモンドはまとめてメレーダイヤと呼ばれます。このうち比較的大きく、品質のいいものは装飾品や、主石の脇に飾られることも多いです。

また、テンバーダイヤモンド(10個で1ct)などと呼ばれ、複数個で装飾品に使用されることも多いようです。

準宝石について

ダイヤの品質はやや劣るものの、工業用にまわすには惜しい大きさのものなどは、準宝石として市場に出回ることがあります。

品質的には宝石にかなわないものの、安価で求めやすいのが特徴です。本人が了解の上買うのなら問題は無いのですが、そうでない場合は注意が必要です。

工業用ダイヤについて

ダイヤモンドは宝石としての価値がないとみなされるや、極端に価値が落ちます。しかしダイヤモンドはその硬さなど優れた特性が多く、宝石でなければ価格も安いので、工業用として利用されます。

主な用途は切断・研磨・掘削など、ダイヤの硬さを生かしたものが多いようです。いくつか例をあげてみましょう。

ダイヤモンドカッター

これは回転工具の刃先にダイヤモンドが混ぜられたものです。このダイヤモンドの粒が、切断対象を切ると言うより削り取っていきます。

石材・コンクリート・金属など、さまざまなものを切断することが出来ます。道路工事でアスファルトを切っている機械を見たことがありますか? あれなどが代表格です。

研磨機

ダイヤモンドカッターもそうなのですが、結局ダイヤモンドが引っかきに強いということを利用して、研削・研磨材として使われるのです。色々な素材の研磨材が実用化されていますが、最高級の研磨性と耐久度を誇ります。

研磨機とは違いますが、ドリルの先につけて穴を開けるのも、高速で対象を削り取っている意味では同じものです。

ガラス切り・レコード針

両者に共通する事は極細の先端に取り付けられながらも、高い耐磨耗性を要求されることです。

最高の高度を誇るダイヤモンドでさえ、プラスチックの溝をなぞり続けるうちに磨耗するのですから、その他の素材ではどれほどひんぱんに針を取り替える羽目になるかわかりませんね。

なお、サファイアなど、ダイヤモンドに次ぐ硬さの宝石も使われることがあります。

その他

家電製品を始め、あらゆるところにダイヤモンドは使用されています。宝石としてダイヤモンドを持っている人は少なくても、家庭にダイヤモンド(を使った製品)の無い人はまずいないのではないか、というほど身近なものにまで使われています。

クズダイヤモンド?

ダイヤのイラスト工業用にまわされるのがクズといった書き方をしましたが、あくまでも「宝石としては」くずと言うだけです。実際は工業用にまわされるダイヤモンドの数が圧倒的であり、人類の生活の役に立つという意味では、かえって宝石用ダイヤモンドの方がくずなのかもしれませんね。

それは言い過ぎにせよ、ダイヤモンドの価値というのは宝石だけではなく、こうした身近な世界でも充分にあるのだ、と知ってもらえれば嬉しいです。

ちなみに、人造ダイヤ(合成ダイヤ)は100%工業用にまわされます。これも含めて、宝石としてのダイヤの流通と、工業用ダイヤの流通はまったく別であることも覚えて置いてください。

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