キングを狙え!
チェスの目的は、相手のキングを取ることにあります。キングが身動き取れなくなったらおしまいです。これをチェックメイトといいます。
キングを次の1手で狙うことをチェックといいます。将棋の王手のようなものですね。
チェスにおけるチェックとは!
チェックとは、「次の1手でキングを取るぞ!」と宣言することをいいます。
チェックされたら、キングは必ず逃げなければなりませんし、キングが逃げる手しか打てなくなります。
チェックされたら逃げろ!
まずはキングの逃げ方を説明しましょう。キングが逃げる方法には3通りあります。
【例1】攻め込んできた相手の駒の手が届かないところへ逃げる方法
1. 白:Kg1、黒:f2
2. 白:Kh1、黒:g1
【例2】チェックをかけた駒を取る方法
1. 白:Kg1、黒:f2
2. 白:Kxf2
【例3】キングと相手の駒の間に味方の駒 を呼んで助けてもらう方法があります。
1. 白:Kg1、Rf2、黒:Be3
そしてチェックメイト
「逃げることができない」「相手の駒を取ることもできない」「間に味方に入ってもらうこともできない」と、どの方法でも逃げられないことをチェックメイトといいます。
【例】
1. 白:g4 Rg1 Ke1、黒:Rf5 Kg8に配置しているとします。
2. ポーンがルークを取ります。gxf5
3. 縦のラインがあいたので、ルークがチェックメイトできます。
キングとクイーンでチェックメイト
【例】
1. 白:K(キング)e1、Q(クイーン)d1、黒:K(キング)f6に配置しているとします。
2. 白のクイーンを、黒のキングの側まで進めます。Qd5
3. 黒のキングの行動範囲が狭くなりました。黒のキングがうろうろする間に白のキングが近づきます。Ke4
4. キングとクイーンでチェックに持ち込みます。Qe5
5. あとはいくら黒キングが逃げても、キングとクイーンが追いつめるので、逃げ場がなくなったところでチェックメイト!
ルークとキングでチェックメイト
【例】
1. 白:K(キング)e1、R(ルーク)h1、黒:K(キング)f6に配置しているとします。
2. 白のルークを黒のキングの側まで進めます。Rh5
3. 黒のキングの行動範囲は狭くなったのですが、今度はルークが狙われるので、1度逃げます。Ra5
4. 黒のキングがルークを追いかけたところで、白キングがかけつけます。黒:Kd6、白:Kc4
5. 黒キングがルークに近づくと、白キングがいつのまにか近づいている形になります。黒:Kc6、白:Kc4
6. もしかすると、黒キングが気づいて逃げることもあります。しかし、白のルークもキングも追いかけることになり、やがて追いつめられます。黒:Kg6、白:Kg4
7. 黒キングが追い立てられ、キング同士が向かい合ったところをルークでチェックメイト!黒:Kg8、白:Kg6、Ra8
チェックメイトに必要な駒
お互いにキングだけが残ってしまっては、収拾がつかなくなってしまいます。チェックメイトに必要な駒はそろえておきましょう。
キング+クイーン
キング+ルーク
キング+ビショップ+ビショップ
キング+ビショップ+ナイト
キング+昇格できるポーン
引き分けについて
キング同士になった場合、キングはお互いにいろいろな方向へ進むことができるため、なかなか踏み込むことができません。
こういった場合は、引き分けにします。引き分けにするのは、
1. 残りの駒がほとんどなくなって、チェックメイトできない場合
【例】
白:Kg3、Nb3、黒:Kc6
2. お互いに同じ場所を行ったりきたりして逃げては追って逃げては追ってを繰り返している場合
【例】
白:Kg1、黒:Rg4
3. 勝負がなかなかつきそうにないといった場合があります。
ステルメイトによる引き分け
現在チェックされていなくても、キングが動く場所は全てチェックされるような場所だった場合、キングは動くことができません。
そうなると当然相手側にも順番が回ってきません。こういう場合も引き分けになります。これをステルメイトといいます。
【例】
1. 白:Kh1、黒:h2、Rf2、Kg4に配置しているとします。
2. 白のキングを横に動かすと、ポーンにつかまります。
白:Kg1黒:hxg1
3. 斜め前に動かすと黒のルークにつかまります。
白:Kg2、黒:Rf2
4. ポーンを取っても、ルークにつかまります。
白:Kxh2、黒:Rf2
5. 白のキングが動けないということは黒も動けないので、引き分けになります。