普段、『甘いね~』『酸っぱいね~』なんて言いながら食べているいちご。でも、このサイトでも紹介してきたように、私たちが実だと思って食べていた部分、実は果実ではなく、種だと思っていたツブツブが果実だったなんて、知らないことがたくさんありますね。そんないちごに対する疑問をQ&Aで答えていきましょう。
いちごを半分に割ると、真ん中が空洞になっているものがあります。これは空洞果と言います。ずいの内側の芯の部分にできるものです。いちごが大きくなるときは、細胞分裂して細胞が大きくなっていきます。果実の内側、外側に成長して大きくなります。この時、外側の成長に内側の成長が追いつけないときに、中心部分が空洞になってしまいます。肥料が多すぎたりすると空洞になりやすくなりますし、品種でも出やすいものがあります。また、大きく実を結ぶと空洞になりやすくなります。
地面でいちごを栽培することです。いちご本来の収穫時期に出荷されるため、おいしいいちごができます。ハウス栽培と違い、設備が必要ありませんのでそれらの費用がかかりません。ただ、天候などに左右されやすく、収穫に差が出やすいのも事実です。長雨、日照不足、水不足など、環境に影響されやすい栽培方法です。
一方、ハウス栽培は、人工的に温度を管理して室内で栽培するので、天候に左右されることもなく、安定した収穫が期待できます。露地栽培と比べ、早い時期から栽培でき。長期に渡って収穫できます。
いちごの葉やヘタの先端が白くなっていることがあります。これを溢液現象と呼びます。一体これはどんな減少なのでしょうか。私たち素人が見ると農薬などの薬の散布された跡のように思えますが、実はコレ、いちごには当たり前に起こる現象です。農薬でもなんでもなく、いちご自身から出たものが乾いた跡です。
これはいちごが水分を吸い上げる時に肥料も一緒に吸い上げ、余分な水分が朝になると葉の先から出てきます。この水分が乾くと肥料が残って白く跡が残ります。根の成長が活発な証拠なのです。朝早起きしていちごの葉を見てみてください。葉の先に、小さな玉になった水滴がたくさんついているでしょう。
気温の低い春先に咲いた花は、受粉がうまくいかないことが多いので、果実になりづらいです。2~3月に咲いた花は摘み取りましょう。花を摘み取ることを摘花といいます。
よくいちごの品種を見ていると、一季成り、四季成りという言葉が使われています。冬から春にかけて実がつき、その後は実がつかないのを一季成り、夏や秋にも実をつけるのが四季成りと呼ばれています。
いちごの花は昆虫が媒介することで受粉が行われる、『虫媒花』と言います。ですから、いちご農家ではミツバチをビニールハウスに放し、受粉を手伝ってもらいます。ミツバチは花の上をクルクル回る習性があるので、雄しべ全体が受粉でき、形のいい実がなるのです。自宅で鉢植えやプランターなどで栽培し、花は咲くけどうまく実がつかないという場合、うまく受粉が行われていない可能性もありますので、やわらかい筆などを使って人工的に受粉させてあげるといいでしょう。
以前は人の手で、1つ1つ手作業で受粉をさせていましたが、最近ではミツバチを放す農園が増えてきています。いちごの花には蜜がないので、そのままでいるとミツバチが弱ってしまうので、餌となる砂糖水などを別に与えなければならず、手間もかかるのですが、ミツバチを放して受粉させているいちご農家は、農薬などの心配がないと言っていいでしょう。
なぜなら、ミツバチは農薬にとても弱く、仮に散布してしまうとミツバチがあっという間に弱ってしまいます。これでは受粉作業ができません。ミツバチを放している農家は、少なくとも花が咲いたあとは農薬を使っていないということになります。