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茶道では、数多くの茶道具が使われます。お茶を点てるのに必要なものはもちろんのこと、作法として必要なものもありますので覚えておきましょう。
棗は最も一般的なもので、薄茶器の一種です。植物の棗の実に形が似ていることから、こう呼ばれるようになりました。茶器の形は棗のほかにも色々あり、それぞれに持ち方が決められています。最も多く使われているのが利休棗で、甲がやや盛り上がっていて、底にいくにしたがって緩やかにしぼった形をしています。この他にも、長棗、平棗、白粉解棗、尻張棗、鷲棗、胴張棗、丸棗、河太郎棗、碁笥棗、老松などがあります。
薄茶を入れる容器のことを薄茶器と呼びます。かつて薄茶は、濃茶を袋から茶壷に移すとき、周囲の隙間を埋めるために使われていた、品質の低い茶葉で、薄茶と呼ばれずに『詰め茶』と呼ばれるものでした。そのため、千利休の時代までは、お茶といえば濃茶のことをさしていました。元々は濃茶の入れ物の中に入れていた容器が薄茶器として独立したものなのです。
濃茶を入れるための陶製の容器です。本来、象牙製の蓋をし、仕覆をして使います。
元々は薬味や香料などを入れて使っていた容器でしたが、貴重品だったお茶を入れるのに転用したと考えられています。日本製のものよりも、唐物と言って、外国製の物の方が、格が上になります。茶道教室に通っていても、稽古が進んだ人でなければ唐物の茶入れは使用することができません。形も棗同様、様々なものがあります。
茶入れは大きく5つの種類に分けることができます。
唐物(からもの) |
宋・元時代の中国製の茶入れ |
島物(しまもの) |
中国の南部、南方諸島で作られたもの。 |
瀬戸(せと) |
尾張瀬戸地方で焼かれた、瀬戸釉がかかっている物。 |
後窯(のちがま) |
安土桃山~江戸時代初期に瀬戸で作られた物。 |
国焼(くにやき) |
瀬戸の物を本窯として、日本各地で作られた物の総称。 |
お茶を点てるのに使う道具です。抹茶にお湯を加え、茶碗の中でかき回して均一に分散させる茶道具です。
百本点や数穂などいくつか種類があり、百本点は穂先の数が多く、裏千家のように、よく泡立てる場合に向いていますが、決して泡立て器の役割をするものではありません。抹茶は他のお茶のように煎じていただくものではなく、茶葉を粉状にしているので、お湯を注いでも溶けるものではありません。
先にも述べましたが、茶碗の中に、抹茶が均一に分散させるためのものです。ほとんどが竹で作られています。
茶杓は茶器から抹茶をすくい、茶碗に入れるための茶匙です。一般的には竹の物が多く使われています。
木製の物や象牙、動物の角でできた物もあります。作り方もさほど難しいものではないため、昔から茶人自らが自作することも多かった茶道具です。櫂先の形や全体の長さ、重さなどがある程度決まっていますので、素人が作るべきものではありません。現在では、使用しないときは筒に収めておきますが、かつては茶事や茶会のたびに作られていて、使い捨てのようなものでした。ですから、他の茶道具と違い、古い時代の物はほとんど残されていません。
麻でできた布で、茶碗を拭くために使います。あらかじめ濡らしておきます。
水を汲む道具で、夏用の物は小さめ、冬用の物は大きめになります。
柄杓の素材には勤続やプラスチックなど、様々な物がありますが、茶道で使われる物は木製になります。柄杓は茶道だけではなく、様々な場所でも使われていますので、見たことのある人も多いでしょう。