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茶会が開かれるのは、茶室の他に、野点といって、野外で行う茶会もあります。野点はとても風情のあるもので、細かい作法にのっとって行われる茶道も、野点では簡略化される場合もあり、気負いしない茶会になります。茶室では、歩き方なども定められていて、表千家と武者小路千家の場合は畳1畳を6足で、裏千家は5足で進むなどの作法があります。
茶室で茶会が開かれる場合、お茶の頂き方はすでに作法~喫茶で紹介しましたが、茶室での作法も流派によって様々なものがあります。
襖を開けて入り、好きな場所にいきなり座れるものではありませんので、恥をかかないよう、しっかりと順を追って作法を覚えておきましょう。
茶道の作法だけではなく、和室で立ったまま襖を開けることはありません。襖の正面に座り、必ず座ったままあけます。
流派 |
襖の開け方・閉め方 |
表千家 |
襖の引き手に近い方の手を引き手にかけ、2/3程開け、反対の手で下から30cm程の場所に手をかけて全部開けます。 |
裏千家 |
襖の引き手に近い方の手を引き手にかけ、襖に手が入る程度開け、下から八寸(24cm)程の場所にその手をかけ、体半分くらいまで開けます。さらに反対の手で残りを開けますが、閉めるときのために、全部開けきらないでおきます。 |
武者小路千家 |
襖を引く方向の手を引き手にかけ、1/3程開けたら反対の手で襖の下の部分を押し、襖に対して3/4程を開けます。 |
いよいよ座敷に入ります。座敷への入り方も作法がありますので、最初からつまづかないようにしましょう。
流派 |
座敷の入り方 |
表千家 |
襖を開けて正座したら軽く一礼し、扇子を前に進めて畳に両手をつき、腰を浮かせるように、軽くにじって入ります。茶席に入ったら、右手に扇子を持って立ち上がります。座る位置は畳の縁から八寸の所に座ります。 |
裏千家 |
茶席の入り口に、扇子の要が右向きになるように膝の前に置いて座り、襖を開けます。茶室の中を確認し、扇子を前にしてにじりながら座ったまま入ります。先客がいる場合、先客の方向に扇子を向けてお辞儀します。扇子を手にして立ち上がり、畳の縁を踏まないように席につきます。座る位置は表千家と同様です。 |
武者小路千家 |
扇子を前において茶室の入り口に座り、襖を開けます。両手をついて一礼し、右手に扇子を持って席につきます。座る位置は、懐紙が畳と膝の間に余裕を持っておける程度開けて座ります。 |
席中に入ったら、床の間に進んで扇子を前に置き、一礼して畳に手をついたまま、掛け軸や生けられた花、花入れを拝見し、次に釜を拝見します。風炉や炉の前に扇子を前に置いて座り、両手をついて拝見します。棚がある場合、棚、水指、茶器などを拝見しましょう。
流派 |
拝見の仕方 |
表千家 |
掛け軸の前に花入れがある場合、そのままの姿勢で花と花入れを拝見します。床柱に花入れがある場合、花入れの方に向き直ってじゃ意見し、見終わったら掛け軸の方に向き直り、軽く一礼して立ち上がります。 |
裏千家 |
掛け軸を見終わったあと、花入れに向いなおして拝見します。拝見し終わったら正面を向きなおし、一礼して立ち上がります。 |
武者小路千家 |
床の間の拝見の仕方は表千家と同様です。 |
これらの他にも、茶器の拝見の仕方の作法もあります。一通りお茶を飲み終わり、亭主が水指の蓋を閉めるタイミングを見計らい、主客が茶器と茶杓の拝見を申し出ます。亭主は茶器と茶杓を差し出して退出したあと、正客から順に拝見することになります。
野点は屋外にフェルトのマットを敷いて、その上でお茶を楽しむものです。
野点は季節の移り変わりを楽しむために行われ、野点と共に俳句や和歌が詠まれたりもします。野点には細かい作法はなく、茶会には自由さがあります。