おならと病気
おならが出すぎる、おならがよく出るのは何か病気のせいでは
ないか。そう思う人が少なくありません。
異常なくらいおならが出て、臭いも強烈にくさく、お腹の中がどうにかなっているのではないかと心配される人もいます。おならと病気はどんな関係があるのでしょうか。
体の健康状態がおならで分かるのでしょうか。
おならが多くでる病気
ガスが多くたまる病気で考えられるのは、胃腸になにかしらの異常がある場合、腸炎や慢性胃炎、直腸に潰瘍がある場合です。
また、胆嚢や膵臓、肝臓の病気、尿路結石でも頻繁におならが出ます。
病気とはちょっと違いますが、牛乳不耐症の人が牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロしてガスが溜まりやすくなります。これらの病気が考えられない場合は、単に食べ物が原因であったり、ストレスが原因であったりします。その場合は食事を見直して、ストレスはなるべく早めに発散するようにしましょう。病気が原因と考えられる場合は、早急に病院に行った方が良いでしょう。
おならが出た方がいい病気
おならが出た方がいい病気は誰もが知っている盲腸(虫垂炎)です。
開腹するために、腸のぜんどう運動がストップされます。盲腸の手術を受けたことのある人ならお分かりでしょうが、おならが出たかどうか看護師や医師から聞かれます。
これは、ストップしていた腸のぜんどう運動が、再度うまく働くようになったかどうか判断するためです。おならが出るということは、腸も働きだしたということです。
盲腸ほどおならを待ちこがれられるものはないでしょう。
健康な証拠? 不調のサイン?
おならが出すぎて悩んでいる人もいますが、何か病気が隠れていなければ、消化器官が正常に働いているという証拠です。
それではおならが出るということは、健康な証拠なのでしょうか。それとも不調のサインなのでしょうか。おならは2つのタイプに分けることができ、良いおならとそうでないおならがあるようです。
おならは自分の体の健康を知るバロメーターでもあるのです。
発酵型のおなら
発酵型のおならというのは、大腸の入り口付近で善玉菌が炭水化物を分解し、二酸化炭素や水蒸気を出し、このタイプのおならは臭いもなく、くさくありません。
発酵型のおならは、腸管を刺激するために、腸の機能を高めてくれる役目までしてくれます。
臭くないうえに、体にもいい効果があるということです。難点は、この発酵型のおならの場合、「プ~」という大きな音が出てしまうということです。ですが、健康なおならですので、あまり気にしないようにしましょう。このおならの音の原因もせっかくですから触れておきましょう。
肛門は普段括約筋によって固く閉じられていて、たまったガスが簡単におならとして外に出ないようになっています。腸内のガスの量が増えてくると、括約筋が中からの圧力によって瞬間的に解放されます。そしてガスをおならとして勢いよく出すのです。これがおならの音がなる原因です。
腐敗型のおなら
発酵型のおならと違い、大腸の出口近辺で消化されなかったタンパク質を悪玉菌が腐敗させてできるガスのことを腐敗型のおならといいます。
肉類などを食べた翌日などのおならの臭いは強烈でしょう。発生する悪臭ガスは、インドール、スカトール、アミン、硫化水素などで、このことから分かるように、このガスはあまり良いものではなく、それを証拠に大腸の出口付近に大腸がんができやすいのはそのためです。
この腐敗型のおならの出方は、切れの良い「ブッ」という音か、もしくは無音のおならになります。いわゆる「すかしっ屁」です。すかしっ屁は臭い、臭うといわれるのはここからでしょう。硫酸か水素が卵を腐らせたような臭いをさせるのです。