ゴーダチーズ

ゴーダとはどんなチーズなのでしょうか。あまり知られていないけれど、ゴーダチーズは身近にあるチーズです。大きな丸いチーズは、これぞチーズ! といった見た目ですがそのまま食べたことのある人は少ないのではないでしょうか。ナゼ身近なチーズなのかと言うと、このゴーダチーズを初めとする硬質のチーズを使って作られているのが私たちにも馴染みのある「プロセスチーズ」なのです。長い時間かけてしっかり熟成されたチーズで、クセが少なくまろやかな口当たりのため料理やケーキなどにも使われることが多く、世界中にはゴーダチーズの魅力に取り付かれた人たちが沢山います。


ゴーダチーズってこんなチーズ!

熟成されてつやつやと黄色く輝く大きなゴーダチーズは、まさに物語に出てくるチーズそのものです。あまりクセのないゴーダチーズは日本人にも大変馴染みやすいチーズとして色々な食材とあわせてよく使われています。オランダからも通販などで取寄せられ手いるゴーダチーズも沢山あります。

ゴーダ・チーズの歴史

ゴーダチーズはオランダのチーズとして代表的なものの一つで、オランダ南部ロッテルダム周辺にあるゴーダ村で作られていたチーズだったため「ゴーダチーズ」という名前が付きました。1200年頃から作られている「山のチーズ」で、ゴーダチーズが売られる木曜日の市場には、このゴーダチーズを求めてくる人が大勢いたそうです。現在オランダで作られているチーズのうちの約60%程度がこのゴーダチーズで占められており、もともととても大きかったゴーダチーズを手軽に食べられるように最近では小さいサイズの「ベビーゴーダ」も作られています。もともと自然に発酵・熟成していく中で艶のある外皮になるのですが、そこに黄色のワックスをつけて仕上げるため「黄玉チーズ」と呼ばれることもあります。

ゴーダチーズの特徴

ゴーダチーズの中を切ってみると、目の細かい濃密なチーズの断面が現れます。熟成が進めば進むほど硬く締まってきます。この熟成する段階で、発酵して出たガスによる小さな穴が全体に開いています。チーズの熟成を見分ける職人は、ゴーダを外側から関節を曲げて叩き、その音で中の空洞の大きさを判断します。空洞が大きくないほど中にガスが溜まっていないという証で、より良い熟成をしたゴーダを見分ける手段として使っています。牛の乳を使って作られますが、大変まろやかでバターのような口当たりになっているものもありどんな素材とも良く合うことから食事用のチーズとしても調理用のチーズとしても使われることが多い万能なチーズです。日本では、プロセスチーズの原料として使われています。ゴーダチーズに含まれる乳脂肪は30~40%で、熟成期間は短いもので2ヶ月~4ヶ月、長いものになると1年以上熟成されます。ゴーダは熟成の進み具合によって味がかなりまろやかに成熟してくるため、熟成期間の長さによって3種類に分けて扱われています。

手作りゴーダチーズの作り方

ハードチーズもしくはセミハードチーズに分類されるゴーダチーズは、自分で作るチーズとしては決して簡単とはいえません。手作りチーズとしては、レベルの高いちょっと難しいチーズです。特に熟成させるタイプのチーズですから、使用する器具や環境は清潔に消毒してから作り始めることが大切です。上手くいけば毎日反転させるたび少しずつ熟成していくゴーダチーズを見ることが出来る、という手作りゴーダチーズならではの楽しみが味わえます。この、手作りゴーダチーズからゴーダチーズのファンになる人も多いようです。

材料

低温殺菌牛乳 5L

バルクスターター 45cc

レンネット 0.5g

塩 15g

道具

重石になるもの(1.5kg程度のもの2個・2.5kg程度のもの1個)・鍋・ザル・チーズ型(モールド)・温度計・加圧するための容器(モールドと重なるような大きさのもの)・バット・ヘラ・さらし布3枚程度・軽量カップ・真空パックできるもの・使い捨て手袋・カードカッター(もしくは金串2~3本)

作り方

  1. 熟成チーズを作り始める前に、使う器具を煮沸消毒し清潔なキッチンペーパーなどで吹いた後、手指消毒用のアルこールを拭きかけてふき取り消毒します。調理台の上などもあルコールで拭いておくと良いでしょう。レンネットを溶かす用にお湯50ccを一度沸騰させて覚ましておきましょう。
  2. 鍋にお湯をかわし、別の鍋に牛乳を入れて重ねて湯煎します。ゆっくりかき混ぜながら、ゆっくり32度まで上がるように温めてください。急激に温度を上げると失敗しやすくなります。
  3. 32度になったらバルクスターターを入れます。ヨーグルトで作ったヨーグルトきんをスタータとして使ってもかまいません。少しずつかき混ぜながら加え、32度を保ったまま1時間寝かせます。
  4. 冷ましておいたレンネット用のお湯に塩を1g加えかき混ぜたところにレンネットを加えて溶かします。レンネットが溶け切ったら1時間寝かせておいた牛乳に少しずつ加え混ぜていきます。
  5. レンネットを溶かしたら、鍋にラップをして1時間ほど静かに様子を見ます。このあいだも32度を保ってください。牛乳が豆腐くらいの硬さに固まってきたら、ゴーダチーズのカードが完成です。
  6. カードカッターか金串でカードに切れ込みを入れます。少し細かい切れ込みを入れるようにしましょう。切ったら、そのまま4~5分おいて水分(ホエー)が上がってくるのを待ちます。すこしホエーが出てきたら、木へらなどでカード全体をかき混ぜます。
  7. 溜まったホエーの1/3程度の量を軽量カップですくい出します。
  8. 別の鍋にお湯を沸かし70度になったものを、カードの入った鍋に入れていきます。5~6回に分けて入れ20~30分かけてかき混ぜながら注ぎ込みます。カードの入った鍋の温度が38度になるように温度が低い場合は湯煎のお湯の温度を上げてください。
  9. チーズ型(モールド)にザルをセットしてそこにさらし布を敷いておきましょう。カードが硬く閉まってホエーがさらに分離してきたら、チーズ型に鍋の中身を移します。チーズ型ごと用意した加圧容器に重ねチーズ型から出てきたホエーにモールドが半分くらいまで漬かるようにします。
  10. さらし布を上でまとめ、その上にもう一つの容器に水を入れた重石を乗せ30分おきます。
  11. 一度取り出し、さらし布ごとゴーダチーズのカードを反転させて同じようにホエーに漬けたまま重石をのせて、さらにその上から1.5kgの重石をのせて1時間おきます。
  12. 1時間おいたら、また反転させて同じように1.5kgの重石追加して乗せた状態で2時間おきます。
  13. 2時間後もう一度反転させ、重石の上に2.5kgの重石を追加して合計6.5kgにして2時間おきます。
  14. チーズ型からゴーダチーズを取り出し、表面が平らになるように出ている部分をそぎ落とします。さらし布に丁寧に包みバットに入れて冷蔵庫で1昼夜寝かせておきます。
  15. 寝かせたゴーダチーズの重さを計り、その重さに対して2%の塩を塗りこみます。すべての塩をまぶすようになんかいかに分けて均等に塗りこみます。塩ごとさらし布でくるみ常温で半日寝かせて塩を馴染ませます。
  16. 布からゴーダチーズをだして、真空パックします。これがワックスの代わりになりますので、空気が入らないようにチーズを密着させて密封します。
  17. 培養箱を15度に保ち毎日1回反転させて熟成させます。

注意点

熟成期間中、チーズが膨張してきたら発酵が上手く出来ていない状態ですので捨てて作り直しましょう。カビが生えてきた場合は切り取って拭いて食べることができますが、カビが生えた場合は長い期間熟成させずに早めに食べてしまいましょう。上手く熟成できた場合は保存期間も長めにしても大丈夫です。


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