チーズの食べ方

世界中で愛されている様々な種類のナチュラルチーズが日本でもよく食べられるようになってきました。日本ではプロセスチーズのほうが古くから食べられてきました。スパゲッティやマカロニなどのパスタといった料理やお菓子などには、ナチュラルチーズがふんだんに使われていますし、チーズを使った料理は日本の中でも沢山あります。しかし、ナチュラルチーズの独特の香りや味を楽しんだり、栄養的な面を重視して使われることはまだまだ少ないのではないでしょうか。身近にある食材を組み合わせることでチーズに含まれる栄養を上手に生かしたり、チーズを簡単に美味しく食べられるようなポイントやコツを知るともっとチーズが好きになると思いますよ。


ナチュラルチーズとプロセスチーズ

チーズを見たことがないという人はあまりいないと思いますが、日本で昔から食べられている「6Pチーズ」などは「プロセスチーズ」というチーズの種類です。そのほかに、世界中に1000種類以上あると言われているモッツアレラチーズ・カマンベールチーズなど有名なチーズが色々ありますがそれらのほとんどは「ナチュラルチーズ」というチーズの種類になります。この二つのチーズの違いは簡単に言うと加工されたチーズか、生もののチーズかと言うことです。プロセスチーズはナチュラルチーズに一度熱を加えて発酵を止め、味を調えて固めなおした加工されたチーズなので賞味期限は大変長いものが多いのが特徴です。ナチュラルチーズは牛乳が酵素や乳酸菌を使って発酵・凝固・乾燥・熟成を経て出来上がる変化し続けるチーズなので生きているチーズです。そのため、ナチュラルチーズの賞味期間は発酵や熟成が止まることなく進んでいるため、保存方法もチーズによって異なります。

チーズの種類別美味しい食べ方

ナチュラルチーズには発酵・熟成・製造方法などの違いによって大きく7種類に分けることが出来ます。この7種類の中にさらに沢山の種類のチーズがあるのですが、特徴が似ている7種類のチーズ別に美味しく食べるためのポイントをご紹介します。

フレッシュチーズのおいしい食べ方

フレッシュチーズは水分を多く含み、熟成させないクリームチーズやカッテージチーズなどのチーズのことです。出来るだけ作りたてを食べたほうが美味しいので、フレッシュタイプのチーズは新鮮なうちに食べるようにしましょう。通常そのまま食べる場合は、冷蔵庫などで冷やして冷たいまま食べるのが美味しい食べ方です。また、保存したフレッシュチーズの酸味が強くなってきた場合は、加熱してクッキーやケーキなどのお菓子の材料として使えば美味しく食べることが出来ます。

チーズ選びのポイント

フレッシュチーズを購入するときは、綺麗で濁っていない白色をしているものを選びましょう。賞味期限や製造年月日が記載されていますので、水っぽくなっていない、出来るだけ新しいものを選ぶのが美味しいフレッシュチーズを見極めるコツです。

白カビチーズのおいしい食べ方

カマンールに代表される白カビのチーズは水分を多く含んでいる軟らかいチーズで、外側をふわふわの白カビが覆っているのが特徴です。とても短い期間のみ熟成させたものが多く、中の熟成が進んでいくにしたがって中身が軟らかくなります。表面の白カビに赤や黒のカビが混じっている場合やぶ厚くなっている場合には切り取ってから出来るだけ早いうちに食べてしまいましょう。アンモニア臭が気になる場合にも表皮を剥ぎ取ってしまうと、美味しく食べることが出来ます。酸味が強くなってきたらフレッシュチーズと同じく加熱してチーズケーキやクッキー、チーズ料理の材料として使ってしまえば美味しく食べることができます。

チーズ選びのポイント

カットされている状態の白カビタイプのチーズであれば、切り口部分に透明感とハリのあるつやつやしているものを選ぶようにしましょう。まだ熟成が若いものもありますが、チーズの切り口が乾燥しているものや、くすんだように変色しているものは熟成が進んでいるわけではなく、状態のあまり良くないチーズですので避けたほうが良いでしょう。

青かびチーズのおいしい食べ方

世界三大ブルーチーズといわれているゴルゴンゾーラ・スティルトン・ロックフォールなどが代表的な青かびのチーズは大変クセのあるチーズとしても有名ですが、美味しく食べるには野菜や果物、さらにハチミツと一緒に食べると大変美味しく食べることができます。塩分が多くクセがありますので、ケーキや料理に使う場合は量を調節し、クリームチーズや硬質のチーズを組み合わせると食べやすくなります。また、塩分とクセを生かしたブルーチーズのディップソースにしても上手く食べることが出来ます。青かびは内側の隙間に生えているので内側から外に向かって熟成が進みます。外側が茶色くなるのは熟成が進んでいる証ですので、チーズの外側を洗うかふき取ってしまえば問題ありません。臭いや硬くなってしまった表皮を取り除くと食べやすくなります。保存中に硬くなってしまった場合は、すりおろしてカレー・グラタン・パスタソースとして調理用に使うと硬くなってしまったチーズも上手に使うことが出来ます。

チーズ選びのポイント

青かびのチーズはカットされているものから、丸ごと市販されているものまでありますが、チーズの内側にカビの生えていない空洞が多いものやカビ以外の部分が変色しているものは避けましょう。青かびチーズは滑らかなコクがあるものが多いので、カットされた切り口に艶があり、カビのところ以外が象牙のような色のものが良い状態のチーズです。

ウォッシュチーズのおいしい食べ方

リヴァロやタレッジオといったウォッシュタイプのチーズは、表面を塩水などでふき取りながら熟成させているチーズなので、ほとんどのウォッシュタイプでは表面がしっとりとしているものを選ぶと良いでしょう。ただ、このウォッシュタイプのポンレベックなど、チーズは種類によっては粉が吹いた状態のものや乾燥気味のものが良いとされているものもあり選ぶのがちょっと難しいタイプのチーズです。ウォッシュタイプのチーズは表面からアンモニアのような臭いが強くなったり、食べたときに苦味を感じた場合は、表面の皮を取り除いて、チーズクリームの材料にしたりディップソースとしてレモンや柑橘系のフルーツなどと混ぜて使うと最後まで美味しく食べることが出来ます。苦味が現れていない場合でも、表皮を取り除いて食べるのがウォッシュタイプチーズの美味しい食べ方です。

チーズ選びのポイント

ウォッシュタイプのチーズはカットされた状態で販売されていることが多いと思いますが、切り口が茶色がかったレンガのような色味になっているものは良くない状態ですので避けましょう。また、熟成が進んで中身が溶け出してきているものは短期間で食べきる用として購入し、保存用には熟成が進んでいないものを選びましょう。

半硬質チーズの美味しい食べ方

ゴーダチーズやブリックチーズなどの半硬質チーズは、水分が少なく熟成されているのでそのままでも保存がしやすいチーズが多くあります。半硬質のチーズの多くは熟成期間によって味が変わってきますので、通常市販されているものはカットしたものが真空パックに入っていると思います。購入してパックの臭いがする場合もありますので、チーズの周りを包丁などで薄く削り取ると美味しく食べることが出来ます。保存中に乾燥してきた場合は、チーズの乾燥した部分だけを削り、細かく砕いてケーキや料理に使うといいでしょう。

チーズ選びのポイント

真空パックにされたカットチーズは、切り口に艶のあるものを選びましょう。穴が開いているタイプのチーズの場合は穴の大きさが均等な円になっているものが良い状態で熟成されたものです。チーズが入ったパックの中で汗をかいていたり、膨らんでいるようなものは避けましょう。

硬質・超硬質チーズの美味しい食べ方

硬質・超硬質タイプのチーズは重量やサイズの大きなチーズが多く通常はカットされた状態で販売されているものが多いチーズです。硬質・超硬質タイプのチーズは硬いのでそのまま食べる場合もスライスしたり食べやすいようにカットしてパンやサラダに乗せたりして食べると美味しく食べられます。また、乾燥してしまったり硬くなってしまったものでも細かく刻んでチーズケーキやクッキーの生地に混ぜたり、グラタンやリゾットなど煮込んで使うのもお勧めです。フレッシュチーズなどと練り合わせてディップソースにしてもクセがなくコクがでるので美味しく食べることが出来ます。

チーズ選びのポイント

硬質タイプのチェダーチーズやエレメンタールチーズは穴が開いているタイプも多く、穴が綺麗な円形で中がしっとりとしているのもが新鮮なチーズです。硬質のものや硬質に近いような熟成度の超硬質チーズで市販のものを選ぶときには、切り口の色がくすんでいたり灰色っぽくなっているものは避けたほうが良いでしょう。また、超硬質チーズの場合は、チーズがきめ細かく詰まっているのがよりよいチーズなので、カットされたものに穴が開いていたり、乾燥してしまって亀裂が入っているものは避けましょう。


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