目次
脳の若返りとコミュニケーション、どう関係があるの?
そう思っていませんか?
友人がたくさんいる高齢者はイキイキしていると思いませんか?
人とコミュニケーションをとるということは、脳機能を衰えさせないようにできているのです。
人との関わりを避けている高齢者が『ボケやすい』のはそのためだったのです。
脳機能とコミュニケーション不足
昔と違い、インターネットが普及した今、人とコミュニケーションをとるのが苦手だという若い人が増えてきています。
インターネットのチャットや掲示板でのやり取りのコミュニケーションは問題ないのに、いざ対面してコミュニケーションとなると、できないのです。
また、定年で仕事をリタイヤした中高年の場合、新しく始めた趣味やアルバイト先での人間関係の構築がうまくいかなかったり、再就職がままならず、家庭に居場所がない中高年など……。
気持ちがナーバスにもなりますし、何よりも人とコミュニケーションをとらない・とれないということは、脳機能が徐々に衰えていってしまうのです。
コミュニケーションに必要な機能を持つ脳
人とコミュニケーションをとるためには、その人と「共感」できることが大切です。
脳にある前頭前野の働きにより、人の気持ちを察知したり、知ることができ、更にはその人と共感できるのです。
脳は人の気持ちを察知する、知ろうとする時、同時に自分の感情として、共感しようとしているとき、フル回転で情報を処理して働いています。
今起こっている問題を理解する、目の前の人の気持ちを感じ取る、自分の感情を整理する。
こうした様々な情報を同時に脳の前頭前野で処理できることが、脳機能の高さをも表しています。
コミュニケーションをとって共感する能力を使用すればするほど、脳の機能はアップします。
脳機能が高くなり、情報を処理する能力がアップすればするほど、コミュニケーション力もアップします。
こうした相乗効果で、人の心を理解し、問題が起これば助け合うことができるようになります。
男性と女性の脳の違い
共感することに優れている脳は、男性よりも女性型の脳に多く見られ、相手に対して共感する能力に優れていると言われています。
一方、男性型の脳は、対象の人や物事を分析し、それらを変化させるとどんなこと起きるのか、予測することに優れています。
女性の脳を「共感能力」とするのであれば、男性の脳は「システム化能力」といっていいでしょう。
男性は前頭前野は発達しているのですが、眼窩皮質が女性の脳ほど発達しておらず、女性の方がコミュニケーションをとるための言語能力に長けていると言えます。
女性の脳は、右脳も左脳も働かせて言語に関わる脳の機能を働かせますが、男性の脳は言語に関わる左脳の部分だけを働かせます。
口喧嘩では男性は女性に負けてしまうというのも一理あるでしょう。
それだけ、男性よりも女性の方が、脳機能で見るとコミュニケーション力が高いのです。
仕事人間でバリバリやっていた男性が定年後、一気に老け込んで物忘れが激しくなる。なんてことのないよう、共感能力を磨いてコミュニケーション力を上げていきましょう。
コミュニケーションをとるコツ
コミュニケーションをとるのが苦手な人でも、脳の働き方を知れば、自然と上手に人とコミュニケーションをとることができるようになります。
特別な訓練は何ひとつ必要ありません。
脳を笑顔にする
心に響くものに触れると脳は感動し、嬉しいことがあると脳は喜び、笑顔に触れると脳も笑顔になります。
コロコロとよく笑う人と一緒にいると、自分まで気持ちが明るくなりませんか?
これが「共感」です。
共感能力が刺激されているということですね。
逆に、悲しい場面に直面すると、自分も悲しい気持ちに共感してしまいます。
人とうまくコミュニケーションをとるためには、話すとき、笑顔を絶やさないようにすると、相手も笑顔になって共感します。
相手の笑顔に自分も共感することで、自然にコミュニケーションがとれるようになります。
しかめっ面ばかりしている人とはコミュニケーションがとりにくいのはそのためです。
苦手な人とコミュニケーションをとる
誰にでも苦手なタイプという人はいるでしょう。
自慢話ばかりする人、壁を作って中々打ち解けてくれない人など、普段はちょっと距離を置いて付き合いたい人って必ず何人かいることでしょう。
こうした人ともお互いに共感能力をあげ、コミュニケーションを上手にとるコツがあります。
自慢話ばかりする人には笑顔でうなずいて話を聞き、相手より下手に出ることで、相手はとても満足し、あなたに対して共感能力が働きます。
壁を作る人には、必要以上に立ち入らず、ほどよい距離で接することで、あなたは危険人物ではないと認定してくれ、共感能力が働きます。
相手に共感能力が働くことで、自分の共感能力も発揮され、自然にコミュニケーションがとれるようになっていきます。
苦手な相手を自分から遠ざけず、歩み寄ることで上手にコミュニケーションがとれるのです。
コミュニケーションが脳を守る
人がはじめてコミュニケーションをとるのは母子間でのこと。
お母さんは母乳を与え、幸福感に包まれます。
赤ちゃんはお母さんの匂いを嗅ぎながら母乳を飲んで満足し、幸福感を味わいます。
肌と肌が触れ合って体温や呼吸を感じることで赤ちゃんの脳に、これらの幸福感が記憶されます。
生まれてはじめてのコミュニケーションが脳に刷り込まれているために、私たちは触れ合ったり、目が合うことで安心したり、呼吸が合うことで幸せになったり、信頼感を得られます。
人と触れ合うことやコミュニケーションは、心に信頼関係を構築できるホルモン・オキシトシンや、ストレスの元となるコルチゾルが分泌される量を減らしてくれます。
オキシトシンは脳を保護してくれる働きもあり、神経細胞が死滅する数を少なくしてくれ、結果的に脳を保護してくれるのです。
コミュニケーションは相互作用
共感能力が発揮されると、上手なコミュニケーションがとれるということが分かってきたでしょう。
コミュニケーションをとることでお互いの共感能力により、脳が働き、更には脳を保護する効果も得られるということです。
いつも誰かの相談役になっている人っていませんか?
きっとその人は、相談者に対して共感し、良いコミュニケーションがとれる人なのです。
相談者に共感してコミュニケーションをとることで、相手の脳を癒し、また、自分の脳も活性化することで、お互いの脳の保護を無意識にできる人なのです。
ですから、誰もが悩みや困りごとの相談を持ちかけるのでしょう。
こうして脳を働かせることで、脳もどんどん若返って行くのです。
脳を運動に例えると、普段運動をしない人は筋肉が衰え、たまに動くと筋肉痛になってしまいます。
ですが、日ごろから運動している人は筋肉を日常的に使っていますので、筋肉痛になることもありません。
脳も使わないと筋肉と同じで衰えていきますし、どんどん脳を使っていると、筋肉同様、衰えることはないのです。
特別なトレーニングしなくても、人とコミュニケーションをとるだけで脳の活性化・若返りが図れるのです。
いつも笑顔を絶やさずにいると、自分だけではなく、相手の脳の若返りにもなるのです。
ちょっと気分が落ち込んだとき、いつも笑顔で明るい人といると元気になりませんか?
それは相手に影響されて脳が元気になった証拠です。
投稿者プロフィール
- 脳を研究しつづけてきました。脳をきたえる為のトレーニング方法や病気と脳の関連性の記事を書いています。右脳と左脳の違いや動物の脳と人の脳の違いも研究しています。
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