青虫の食べ物はキャベツなどです。キャベツ科のブロッコリーの葉を食べることもあります。ですから、無農薬のキャベツ畑のキャベツの葉の裏(うら)や、無農薬野菜を売っている八百屋さんから買ったキャベツやブロッコリーなどに青虫がついていることがあります。見つけたらつぶしてしまわないように、そっと飼育(しいく)ケースに入れましょう。飼育(しいく)ケースは100円ショップで売っていますが、使わない容器などでもかまいません。
青虫は葉っぱを食べます。スーパーで買ってきたのをそのままあたえるのはやめましょう。私たち人間が食べて平気でも、わずかな農薬でも青虫にとっては命取りなのです。自然食品を売っているお店などで、無農薬のキャベツなどをあたえましょう。食べる様子も観察しましょう。どれくらいの大きさのキャベツをどれくらいの時間で食べたのかを記録します。飼育(しいく)ケースの下に、キッチンペーパーなどをしいて、フンで汚れたらキッチンペーパーごと、残っているキャベツの葉も捨て、新しいのを入れてあげましょう。刺激(しげき)をあたえると、体にはえている毛の先がキラキラ光ります。これは、青虫がきけんを感じると出す分泌液(ぶんぴつえき)です。脱皮(だっぴ:かわをぬいで一回り大きくなること)もしますので、よく観察してみましょう。
毎日観察していると、青虫にちょっと変化がみられるでしょう。おしりと真ん中あたりから、白い糸を出して体を固定(こてい)しているときがあります。ここが第一の山場です。サナギになる準備かもしれません。多くは朝おきてみると、すでにサナギになっているかもしれません。できればどうやってサナギに変化するのか見たいですよね? 自分の観察できるところまででいいので、しっかりスケッチしたり写真にとったりしておきましょう。
サナギに変化したら、しばらくそのままの状態(じょうたい)で動きはありません。温かい時期だと1~2週間で蝶々(ちょうちょう)になります。寒い時期だとサナギのまま冬をこします。ですから、冬に青虫を見つけてサナギに変化し、温かい部屋にそのままおいておくとサナギがかえって蝶々(ちょうちょう)になってしまいます。寒いのに可愛そうですね。早くサナギがかえるのを見たい気持ちはあるでしょうが、寒い冬の時期は春までしばらく我慢(がまん)です。
1~2週間たつとサナギに変化がおとずれます。それまでは緑色だったサナギの色がちょっと変わってきます。黒い斑点(はんてん)のようなものも現れ(あらわれ)ます。蝶々(ちょうちょう)に変身するのはもうすぐです。サナギに変化がおとずれてから、いつ蝶々(ちょうちょう)になるかは分かりません。運がよければサナギから出てくるところを見られるでしょう。連続写真で出てくる様子を記録できるといいですね。
運悪く、蝶々(ちょうちょう)になれない青虫もいます。青虫に寄生(きせい:意味は下の※を見てね)する種類のハチがいるのです。寄生(きせい)ハチに卵(たまご)をうみつけられた青虫の体のなかで、そのハチの幼虫(ようちゅう)が育ちます。そして青虫の体の中を食べて、おなかをやぶって出てくるのです。見た目では寄生(きせい)されているかどうかが分かりません。
青虫からサナギになって、そろそろ蝶々(ちょうちょう)になってもいいころなのに、ぜんぜんサナギがかえらない場合があります。そんなときも寄生(きせい)ハチのしわざでしょう。蝶々(ちょうちょう)がうまれないで、そのサナギからは、青い目をした茶色いハチが出てくるかもしれません。これも観察の一つですから、しっかりと最後まで記録しておきましょう。
※寄生(きせい) :ある生き物が、ほかの生き物の体の表面や体の中に侵入(しんにゅう)して、その体からえいようをとって生きること。多くは卵(たまご)で侵入(しんにゅう)して卵(たまご)がかえり、その幼虫(ようちゅう)が体の中を食べてしまいます。
青虫が蝶々(ちょうちょう)になって観察が終わったら、緑の多い自然(しぜん)の中に蝶々(ちょうちょう)をはなしてあげましょう。天気が悪ければ、おうちでさとう水などをあたえ、晴れた日に自然に(しぜん)にかえしてあげましょう。