昔、ケーキといえばバタークリームケーキで生クリームのものは食べたことがありませんでした。自分の口には合わず、それでも見た目の綺麗なケーキがテーブルにのっていると楽しかったものです。食べませんでしたけど…。
バターは乳製品の一つで脂肪分を凝固させて作ります。黄色味を帯びている固体で4.8リットルの牛乳からわずかに100gしか製造できません。
食塩を加えてあるものと無塩のものとがあり、お菓子作りなどでは無塩のものが使われます。
バターの歴史はチーズ同様、資料が残されていないため、ハッキリしたことはわかりません。バターもチーズも乳がかき混ぜられて偶然に出来ることから、大昔から利用されていたのではないかと言われています。紀元前15~20世紀のインドの経典にバターが初めて文献に登場します。
当初は食用ではなく、髪の毛や体に塗ったり、潤滑油の代わりに使われていたようです。
バターが食べられるようになるのは6世紀のフランス貴族からが始まりです。バターを食用とする習慣は少しずつではありますが、徐々に世の中に広まりはじめ、14世紀に入ると本格的にその広まりをみせます。17世紀の終わり頃には生産量もかなり増え、一般に広く使われるようになりました。
バターが一般に広まるのに時間がかかったのには、手に入りやすく保存もきくオリーブオイルやラードが広く普及していたからなのです。
4~6世紀頃、日本にも「酪」というバターのようなものが中国から入ってきていますが、ほとんど食べられることなく姿を消しています。その後、14~15世紀頃に再び日本にオランダ経由でバターが持ち込まれます。18世紀には日本でのバターの試作も始まりました。
バターにも種類がありますが、よく知られているのは有塩バターと食塩不使用のものではないでしょうか。この他にもまだ種類があり、4つに分類することができます。
発酵バターは生乳から分解されたクリームを、乳酸きんを使って発酵させた後に、連続バター製造器にかけて作ったもののことです。発酵のさせ方や乳酸きんの種類などでも風味が変わってきます。
発酵させていないクリームを使って作られるものです。保存もきき、風味も良いものになります。日本の家庭のほとんどが、この非発酵のものが使用されています。
長期間保存できるように食塩が入れられたものです。日本では非発酵有塩バターが主流となっています。
食塩の使われていないバターで、お菓子作りやパン作りに使われるものです。
バターは牛乳の成分の乳脂肪が凝縮して固まったものです。しぼったままの生乳(せいにゅう)を放置しておくと、クリーム状のものが上にできてきます。
これが乳脂肪の層でバターを作るときに使われる生クリームになります。このクリームを使ってバターを作ります。
自家製バターは市販の生クリームを使いますが、間違って植物性生クリームを使用しないようにしましょう。植物性のものからはバターを作ることは出来ません。
・生クリーム 200cc ・氷 適量 ・塩 少々
1.大きめのボールに氷水を作り、その上に一回り小さいボールで冷やしながら生クリームを泡立てます。
2.空気を入れるようにしてケーキの使うくらいに泡立っても更に泡立てます。
3.かき混ぜ続けると水分が出てきてモロモロになってきます。色も徐々に黄色っぽくなります。
4.水分が増えてかき混ぜることが出来なくなるまでかき混ぜます。最後には水分と脂肪分がハッキリと分かれます。黄色い固まりになったのがバターで、水分はバターミルクと言われる白っぽい水になります。
5.水分をきってバターケースなどの容器に入れ、食塩を混ぜます。きった水分は料理に使いましょう。
6.容器に入れたバターにラップをして冷蔵庫で保存します。