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乳牛の種類

牛ライン

私たちが牛乳を飲めるのは乳牛の存在があるからです。様々な料理やスイーツにも牛乳は使われていますね。乳牛がいなければ私たちの食卓も寂しいものになるでしょう。だからといって乳牛に感謝する人は皆無に等しいのが現実です。


乳牛とは

乳牛とは、牛乳を作るために使われる生乳(せいにゅう)を搾るための牛で食用ではありません。代表的な乳牛は白と黒の模様でお馴染みのホルスタインですが、もちろんその他にも数種類の乳牛がいます。
どんな動物でもそうですが、子供を産まなければお乳は出ません。
母牛になるのは2歳を過ぎてからで、人工授精によって受胎させます。出産後に出る初乳は色も濃くてタンパク質も多く、仔牛に免疫を与える特別なものですので私たち人間の引用には適していません。厚生労働省の『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』では、出産後5日以内の生乳は販売しないように定められています。
乳牛はこうして人工授精により毎年出産します。体重は600kgを余裕で超え、3~4回の出産で乳の量が最も多くなります。
それから徐々に乳量が減り始め、5回前後の出産で乳牛としての役割を終えます。1年で8000リットルが1頭あたりの平均乳量ですが、スーパーカウと呼ばれて20000リットルもの乳量を誇る乳牛も稀に存在します。

牛乳をもたらしてくれる乳牛

1万年前のエジプトのミイラの棺のフタ。石でできていますが、牛からお乳を搾る絵が描かれています。古代から現代まで、時間をかけてたくさんのお乳が出るように乳牛は改良されてきたのです。
それではどんな種類の乳牛がいるのでしょうか。

ホルスタイン種

全世界で広く乳用牛として飼われているのがホルスタインです。「乳用牛の女王」とも呼ばれ、乳牛のほとんどがこのホルスタインです。ホルスタイン種の乳量は非常に多く、性格もおとなしくて飼いやすい種類です。寒さに強い反面、暑さには弱いところもあります。生乳の特徴は、乳脂肪率が3~4%あり、乳の中にカロチンをビタミンAに変えて出しますので、生乳の色は白っぽく、黄色味が薄いのが特徴です。白と黒の模様のホルスタインは牛といえばこの模様というくらいお馴染みのものですね。

ジャージー種

体が小さめで骨も細く、ホルスタインと比べると華奢な印象をうける乳牛です。ホルスタインは寒さに強いのですが、ジャージー種は暑さに強いので、熱帯地方でよく飼育されている乳牛です。イギリス海峡ジャージー島原産で、体が小さい分乳量も少ないのですが、乳脂肪率が約5%と高く、脂肪球が大きいため分離しやすく、更にカロチンも多量に含んでいますのできれいな黄色を発色しています。バターの原料としてはもっとも合った生乳になります。性格は活発ですが少し神経質です。

ガンジー種

イギリス海峡ガンジー島原産の乳牛で、薄い黄褐色で白っぽいまだらも見られます。体型はジャージー種に似ていますが骨太でがっしりしています。南極探検隊の基地で牛乳を作るのに一役かったという逸話もあります。乳量と乳質はジャージーとほぼ同じでバターやチーズの原料に向いています。日本には明治後期に入ってきて、乳質の良さがうたわれていました。

ブラウン・スイス種

スイス原産の乳牛で、性格は温厚でシルバー気味のブラウンや黒褐色をしています。アメリカで乳牛に改良された品種ですが、日本では高度成長期に輸入されましたが、乳量が少ないということで普及はしませんでした。近年になって、そのまま牛乳として飲むよりも、加工してチーズなどにした方が向いていることから、徐々に飼育される数がふえてきています。

エアシャー種

スコットランド原産の乳牛です。白と茶色のまだら模様をしていて、乏しい草地と気候条件の厳しい原産地だったため、体質はとても強く健康体質です。乳脂肪率は平均的なのですがタンパク質の量がとても多いので、チーズの原料に向いています。寒さに強く、飼育管理が粗悪でもよく耐えますので、緯度の高い地方でも飼育が楽な乳牛です。

乳を出し続ける乳牛

私たち人間の飲む牛乳のために生乳を出し続ける乳牛。
出産から3~4ヶ月もするとすぐ次の人工授精が待っています。
間があいてしまうと乳が出なくなってしまうためです。乳も搾ってあげなければ止まってしまいますし、乳牛の健康上も好ましくありません。
近年牛乳の消費量が減り、牛乳の廃棄などの問題も起きていますが、だからといって搾乳する量を減らすわけにはいかないのです。