チーズに使われる原料は牛の乳(牛乳)だけではなく、羊や山羊などの乳も使われます。チーズがいつどこで最初に作られたのかという資料は残っていないためハッキリとはわかりませんが、モンゴルが発祥の地ではないかと言われています。
チーズの起源はハッキリしていませんが、現在私たちが食べているチーズのルーツとなったものはヨーロッパから渡ってきました。日本におけるチーズの歴史は、明治の頃に日本国民に牛乳や乳製品が広まったことから始まります。
日本に牛乳が入ってきたのは6世紀の頃だと「牛乳」の項でも述べましたが、そこからチーズが生まれるまでは長い年月がかかりました。日本で初めてチーズが作られたのは明治8年のことでしたが、一般に普及することはなく試作の段階で終わりました。
チーズの製造が開始されたのは明治33年の函館にあるトラピスト修道院でのことです。(トラピストクッキーやバター飴が有名です)本格的に量産し始めたのは昭和7年になってからのことです。
北海道に拠点を置く乳製品会社がプロセスチーズを作ったのが始まりです。
ナチュラルチーズの種類を紹介しましょう。大きく7つのグループに分けることが出来、ここから更に細かく分類されていきます。
非熟成のチーズでできたてホヤホヤのチーズです。牛乳からできるヨーグルト、そこから更に水分を除去したものがフレッシュチーズになります。とても滑らかな口当たりで見た目もヨーグルトに似ています。このフレッシュチーズと牛乳を合わせて作られるのがチーズケーキの材料にもなるクリームチーズです。モッツァレラやマスカルポーネなどもこのタイプになります。できたてがおいしく日持ちはしません。
カマンベールに代表されるように、表面が白いカビで覆われたチーズです。白カビによる熟成で、味も食べるタイミングで変わってきます。脂肪分が60%以上あるものはコクがあり、バターのように濃厚な味がします。熟成が進むと外側から徐々に中の柔らかい部分が減ってきます。作られてから6~7週もたつと芯もなくなり風味がかなり強くなります。赤身が出てきてアンモニア臭がある場合は熟成の進みすぎです。
熟成の過程で、その地方の塩水などで何度も表面を洗うので「ウォッシュ」の呼び名がついています。個性的で産地独特の風味のあるチーズになります。匂いは強烈な匂いを放っていますが、中はそれほど強いクセもなく、味わいもしっとりとしていて深いものになります。更に熟成すると風味も益々強くなります。乾燥しやすくひび割れてしまいますので早めに食べきるようにしましょう。
シェーブルとは山羊の乳から作られるチーズです。乳牛と違い、山羊は人工授精が難しいために常に採れる乳ではありません。木炭の粉を使って外気から守って形を整えるために見た目が黒くなっています。クセのある味がしますが、新しい頃は酸味があるのですが、熟成が進むとコク深いものとなります。食感は少しパサついているので好みの分かれるチーズです。このチーズの旬は春から夏です。
ブルーチーズとも呼ばれるタイプがこれです。塩分が他のチーズに比べると少し多めで味も独特な強い味がします。柔らかな味から刺激的な味まで様々なものがあります。初心者にはゴルゴンゾーラなどがお勧めです。
プロセスチーズの原料ともなるチーズです。製造時にソフトのものより強く圧縮するので固形のガッチリとした組織になり、熟成も徐々に進みます。扱いやすく日持ちのするチーズです。管理不足だと青カビが生えてしまいますので注意しましょう。室温にもどしてから食べるようにします。
チーズの中で一番の硬さを誇るのがこのタイプになります。長期間保存が可能で、チーズフォンデュに使われるチーズです。乳酸きんを壊さないように加熱しながら強く圧縮され、硬い組織が作られます。タンパク質がアミノ酸に分解されてかなりコクのあるチーズになります。
手作りチーズのレシピを紹介したいところですが、チーズを作る工程で使う酵素が日本では販売されていません。工場などでは輸入しているので分けてもらうのもいいかもしれません。
ここでは工場でチーズが作られるまでを紹介します。
1.牛乳を温めて乳酸きんやレンネットという酵素で固めてヨーグルト状にします。
2.水分(ホエー)を出すためにカットします。水分が出ると白い固まりになります。
3.更に圧搾してホエーを出し、チーズの原型となります。
4.風味をよくするために塩水に浸したり表面に塩をすり込みます。
5.成熟段階に入ります。タンパク質が分解してアミノ酸に変化し香りと旨みが生まれます。
1.ナチュラルチーズを細かく砕きます。
2.乳化剤を加えて攪拌します。
3.型に流し入れて隙間ができないように充填します。
4.冷却してできあがりです。