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アメリカ産の牛

アメリカ産の牛

BSE問題などでアメリカ産の牛肉が一時期、輸入禁止になりました。現在は少しずつ輸入再開されているようですね。色々問題も多いアメリカ産の牛は、日本の牛とどのような違いがあるのでしょう?さっそく、紹介していきたいと思います。

アメリカ産の牛(牛肉)とは?

アメリカ合衆国が原産国となっているウシ、またアメリカで加工された牛肉のことを言います。アメリカ産の牛肉は日本産に比べて比較的値段も安いので牛丼店や焼肉店でも頻繁に使われています。スーパーなどで特売されることもよくあります。食べ盛りの子供がいる家庭などでは助かりますよね。アメリカ全体で約1億頭もの牛が飼育されて、年間で4000万頭近くが牛肉に加工されています。アメリカ産の牛の多くは穀物飼育(グレインフェッド)されているのが特徴と言えるでしょう。アメリカでは霜降り肉を嫌う人も増えてきたため、穀物飼育をして上質の赤身を作る研究が重ねられています。

アメリカ産の牛の種類

日本にもアメリカ産の牛肉が輸入されているのにもかかわらず、何という「うし」の肉なのか知らないまま食べていることも多いと思いませんか?アンガス種やヘレフォード種などがアメリカの牛の代表格でしょう。ですか、それらのウシをもとにして品質向上を目指して品種改良が進められ、約300以上の交雑種が存在するんですよ。それでは、おもな種類を紹介しましょう。

アンガス種

アンガス種は、イギリスのスコットランドのアンガス州で誕生しました。全身が黒い毛で覆われているのが特徴的です。成長が速いのも飼いやすさの秘密かもれませんね。柔らかい肉質とそのジューシーさが魅力的です♪霜降りの部分と赤身の部分がちょうどいい割合でバランスの良い牛肉として有名なんですよ。牛肉の世界三大品種の一つです。

ヘレフォード種

ヘレフォード種は、イギリスイングランド西南部ヘレフォード州で誕生しました。頭、頸(くび)、肩の上部、胸、体下線、下足、尾の部分は白く、ほかの部分は濃赤褐色をしています。
パッと見は顔が白いので不思議な感じがしますね。牛肉の世界三大品種の一つで、アメリカでは本当にたくさん飼育されています。

ショートホーン種

ショートホーン種は上質の肉牛として高く評価されています。また、乳牛としても使われる便利性の高い品種と言えます。アンガス種と同じく、イギリスのスコットランドが原産です。この品種は明治時代に日本に輸入されて和牛の祖先になったと言われています。こちらも牛肉の世界三大品種の一つとして知られています。

シャロレー種

シャロレー種はフランス原産で、体全体が白っぽい色をしています。筋肉質なことから脂肪分が少ないという特徴があります。また、この品種は高い肉質と高割合の筋肉を混ぜ合わせた交配種を生産するときにも使われています。日本では霜降り肉を好んで食べる人が多いので、残念ながらあまり人気はないようですね。

リムジン種

フランス原産のリムジン種は他の品種よりも、さらに脂肪分が少ないことが特徴と言えるでしょう。脂肪分が少ないと肉が硬くてパサパサしていると思うかもしれませんが、想像以上に柔らかい肉質なんですよ。きっと食べた人はその柔らかさに驚くことでしょう!この品種からとれた肉は最初から脂肪の少ないものとして店頭に並べられます。

アメリカ産と日本産の牛肉の違い

アメリカ産と日本産の牛肉、品種はもちろんですが他にはどのような違いがあるのでしょう?ここでは、栄養面から見ていきましょう。アメリカ産の牛肉は良質のタンパク質や鉄分、亜鉛、ビタミンB群などを豊富に含んでいます。特に、私たちの体に必要なロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フエニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類の必須アミノ酸がバランスよく入っていることも特長です。アメリカ産と日本産の牛肉を比較してみると、カロリーはサーロイン100g中アメリカ産が185kcal、日本産が317 kcalとなります。一方、脂肪はというとアメリカ産8.3g、日本産25.8gとなります。このことからも、アメリカ産の牛肉がとてもヘルシーなことが分かりますね。

アメリカ産牛肉の問題点

アメリカ産牛肉の問題点はBSEにつきるのではないでしょうか?2003年にアメリカでBSE(牛海綿状脳症)の発生が確認されました。このため、日本をはじめ、韓国や台湾などでもアメリカ産牛肉の輸入が禁止されました。これによって困ったのが焼肉店や牛丼店です。日本では全国的に有名な某大手牛丼チェーンが特盛りの牛丼を販売中止にし、やがて、お店からはアメリカ産の牛肉を使ったメニューが消えてしまったのです…。それから2年後の2005年、生後20ヶ月以下の牛に限り、危険部位を除去することを条件に、輸入が限定的に再開されました。その後また禁止されたりもしましたが、2006年7月に日本の政府がアメリカの加工施設を視察して、安全性が確認されたことから輸入再開が正式に決まりました。とはいえ、安全性についてはまだ懸念する声が多く、飲食産業すべてのお店で大歓迎とはいかないようですね。食べ物の安全性は人の命にもかかわることなので、私たち消費者も品質の良いものを慎重に選んでいきましょう。

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