ガラスには不思議なことがいっぱいあります。
液体になったり、固体になったり、いろんな表情を見せてくれます。ガラスの文化や生活にかかわる疑問などを集めてみました。
ガラスの知識を深めて、ガラスと仲良くなりましょう!
ガラスが何かと接触したときに、目には見えない傷ができます。この傷によって強度が落ちてしまいます。ガラスはちぢめようとする力には強く、引っ張られる力には弱いです。ボールがガラスにぶつかったとき、ぶつかった面では圧縮する力が働きます。しかし、反対側では引っ張る力が働き、傷ついたところに引っ張られる力が集中し、簡単に割れてしまいます。
この原理は、ガラス製品を作るときにも見られます。熱によってガラスが膨張し、引っ張る力が発生します。そして、膨張しない部分が引っ張られ、割れてしまいます。熱くなっているガラスを急に冷やすことでも現れます。
自動車のガラスなどには、強化ガラスという割れにくいガラスが使われています。
なぜ強化ガラスは割れにくいのでしょうか。
強化ガラスは、普通の板ガラスを約700℃に加熱したあと、急速に冷やして作ります。これを「焼き入れ」といいます。
普通のガラスの場合は、ボールがぶつかった反対側は、引っ張られる力によって割れやすくなります。
けれど、強化ガラスの場合はボールがぶつかった反対側にも圧縮する力が働いて、割れにくくなっているのです。急に冷やすとガラスは割れにくくなるんですね。
アロマセラピーのびんなど、直射日光が当たると質が落ちるものがあります。
こうしたものには、遮光びんといって、直射日光が入らないようなびんを使っています。
びんは黒・茶色・緑の順に紫外線を遮断する効果があるんですよ。
模様をつける方法の代表的なものに、サンドブラストという方法があります。
模様の部分がすりガラスのように仕上がります。
- 原稿を作り、マスキングフィルムを作ります。
- ガラスにフィルムでマスキングします。
- 圧力を変えながら研磨剤の砂をふきつけると、模様ができてできあがりです。
こまめにコップを洗っていても、ガラスのくもりが取れないことがあります。このくもりは何でしょうか。
この現象は、ガラスのコップを自然乾燥させたときによく見られます。
なぜかというと、洗剤には油脂が含まれます。ガラスのナトリウムと洗剤の油脂が結びつくと脂肪酸カルシウムになります。
これがくもりの原因です。ガラスのコップを拭くようにすると、くもり防止になります。コップはこまめに拭きましょう!
普通、ガラスを作るとき、原料を容器に入れて混ぜ合わせます。そして容器ごと加熱して冷やし固めます。
このとき、容器からわずかに不純物が混ざることがあります。もし宇宙でガラスを作ったらどうなるでしょう?
宇宙は無重力なので、空中で原料を混ぜることになります。空中で混ぜるので、不純物が混ざらない、というわけなんです。
1992年、宇宙飛行士の毛利衛さんによる「ふわっと’92」の実験では、ガラスを作ることに成功しました。