女性にも増えているアルコール依存症!はまると認知症のリスクも高まります!

真夏日も増え、ビールなどのアルコールのおいしい季節です。でも、最近女性にも増えているアルコール依存症には要注意です。少しだけとおもいつつも、習慣化していくうちに毎日飲まないとイライラなんてことにも!飲みすぎは脳への影響だけでなく認知症のリスクにもなります。

アルコール依存

アルコール依存症と脳への影響!

米国の大学の研究チームの発表によると、アルコールを摂取多く摂取する人ほど、脳の容積が小さいとされています。アルコールによって脳萎縮が顕著にみられるのは、大脳の前頭葉という部分です。“頭脳の司令塔”とも呼ばれている前頭葉は頭の前半分の脳を占め、物事の判断や意志を決定し、行動を促す精神の中枢のため、前頭葉の脳萎縮がおきると、正しい判断をすることが困難になってきます。

アルコールを多く摂取する人は脳が萎縮すると以前から言われていますが、脳への影響とはどのようなものなのでしょうか?

大量飲酒が原因で脳の前頭葉に影響がでることで、若い人にでも認知症が見られています。

アルコール摂取で起こる脳の病気に「アルコール性認知症」があります。

物質依存症

アルコール性認知症

アルコール性認知症とは、アルコールを多量に飲み続けた事により、脳梗塞などの脳血管障害や、ビタミンB1欠乏による栄養障害などを起こし、その結果起こるとされている認知症です。

また多量に飲み過ぎた事だけでも、脳は委縮するのではないかとも考えられています。

高齢者だけではなく、若い世代でも見られます。脳梗塞などは、アルコール依存症で入院し、脳のCTなどの検査を行って初めてわかる事もあります。

認知症は高齢者がなるイメージがありますが、アルコール性認知症は若い世代でも起きています。

物忘れなどの意識障害や周りの状況が理解できない見当識障害といった症状が現れます。

歩行が不安定になったり、幻視、幻聴といったアルコール依存症と同じ症状があります。

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依存症と脳の関係

ビールジョッキ

アルコール依存症、薬物依存症、タバコ(ニコチン)依存症のように、ある特定の物資を摂取し続けなければ気が済まない状態です。
物質依存の場合、大きな特徴として「耐性」と「離脱」という症状が現れます。耐性というのは、ある特定の物質をとり続けることにより、徐々にそれまでの摂取量では我慢できなくなっていって摂取量が増えてしまうことです。

アルコールに限らず、依存症には脳への影響があります。

依存症には、物質に対しての依存症、行動に対しての依存症、人間関係に関しての依存症があります。

物質に対しての依存症には、アルコールや薬物、タバコ(ニコチン)などがあります。

行動に対しての依存症には、ギャンブルやゲーム、買い物などがあります。

人間関係に対しての依存症は恋愛や親子関係などがあります。

物質依存では、対象の物質を摂取し続けることで、それがないと不安になったり、イライラしたりと無いといけない状況を脳が神経細胞に作用して、そのような状況を作り出してしまいます。

行動依存では、興奮などにより、脳内でドーパミンが過剰に分泌されてしまうことで、起こります。

多量飲酒とは?

ウイスキー

厚生労働省は「健康日本21」の中で、「節度ある適度な飲酒」と「多量飲酒」を明確に定義しています。前者は、「1日平均20g程度の飲酒」であり、後者は「1日平均60gを超える飲酒」です。ここでいう60gは、酒に含まれる純アルコール量で、だいたいビール中ビン3本、日本酒3合弱、25度焼酎300mlに相当します。

適量のお酒は身体には良いと言われますが、アルコールの多量飲酒とはどのくらいをいうのでしょうか?

多量飲酒だからといって必ずアルコール依存症とは限りません。

アルコール関連の問題は、多量飲酒の人でも起こしてしまいますが、アルコール依存症の場合はもっと重症で、家族や仕事を失うほどにもなります。

アルコール依存症の原因

この病気は大酒飲みの人やお酒が好きな人がかかりやすいというイメージを持っている方もいらっしゃいますが、一概にそうとは言えません。飲酒の機会は少なくとも、徐々に習慣化し、自身でコントロールが利かなくなり、アルコール依存症に陥るという方は少なくないのです。

アルコールのように依存性のあるものの摂取を繰り返すと脳内の摂取行動パターンが徐々に強化されてしまいGABA-A神経系を介して脳内報酬系というものに作用してしまうことが病態と考えられます。

依存症の怖いところは、自分自身が依存していることに気付かないところにあります。
脳の神経細胞がより、満足できるものを求めてしまい、依存対象から抜け出せなくなってしまいます。

小脳の位置は脳の後ろで重要な役割を担っている
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アルコール依存症の症状

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アルコールには脳の神経活動を抑える働き(抑制効果)があります。アルコール依存症になると、アルコールの影響下に置かれる時間が長くなり、それだけ脳の活動は長時間抑制されます。

このような状態の人が断酒すると、抑制効果に対抗していた神経の過剰活動(「退薬症状」)が現れ、不安感やいらつきが生じたり、吐き気や嘔吐、動悸や発汗、あるいは寝汗や不眠などといった症状が起こります。

アルコール依存症は、脳から発せられるアルコールに対しての欲求が、だんだん高まってきます。
初めは少量でもだんだん満足できず、それ以上のものを求めるようになってきます。

禁酒しなくてはといきなり断酒してしまうと、イライラや不安感が出てきます。
重度の症状になると手足や全身の震えやてんかん、幻視、幻聴といったものが現れてきます。

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アルコール依存症のまとめ

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お酒は好き!でも自分はアルコール依存症ではないと思っている人はたくさんいると思います。

適度な飲酒は健康には良いですが、知らず知らずのうちに飲酒の量や飲む回数が増えてはいませんか?
依存症になってしまうと、なかなか抜け出せません。

脳などの健康への影響もありますのでほどほどにしましょうね。

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投稿者プロフィール

脳科学吉宗
脳科学吉宗
脳を研究しつづけてきました。脳をきたえる為のトレーニング方法や病気と脳の関連性の記事を書いています。右脳と左脳の違いや動物の脳と人の脳の違いも研究しています。
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