目次
最近物忘れがひどい、人の名前が中々出てこない……年だから仕方がない……。
本当にそうでしょうか。
脳をしっかり働かせていれば記憶力もアップするのです。
どうせそんなことしても無駄無駄……なんて思わずに、脳と記憶力の関係を学習し、早速今日から記憶力アップに取り掛かりましょう。
記憶は全て海馬が関係している?
脳の器官、海馬が記憶をつかさどっているとこれまで何度か説明してきましたが、記憶の領域は海馬しかないのでしょうか。
その昔、てんかんの治療の一環で、海馬を取る手術を受けた患者がいました。
手術後、新しく物事を記憶することができなくなってしまい、人との会話、食事をしたかどうかが分からなくなってしまったのです。
ですが、手術で海馬を取る前の記憶はそのまま残っていたことから、海馬が記憶を作る、脳に覚えさせる場所と判明したのです。
海馬以外で覚える記憶
食事は何を食べたか、さっき話していた人の顔や会話の内容を覚えているのは海馬があるからです。
これを「陳述記憶」と言いますが、海馬ではなく、体で覚える「手続き記憶」というものがあります。
前述の海馬を取った患者は、新しいことを記憶することができなくなりましたが、それまで全く弾くことのできなかったピアノを弾けるようになりました。
ピアノを練習したという記憶はないのですが、指の動きは身についていて、ピアノが弾けるよいうになったと言われています。
幼い頃、はじめて自転車に乗れるようになった感覚と同じなのかもしれません。
自転車は、頭で考えて乗るわけではなく、体で覚えて乗れるようになりませんでしたか?
記憶力アップに大事な脳の器官
脳の記憶は時間の長さで分類することができます。
短期記憶は中期記憶に、中期記憶は長期記憶に変換しておくことで、長い間記憶としてとどめておくことができます。
この一連の流れがうまくいかなければ、例え長期記憶でも忘れてしまい、思い出せなくなってしまうのです。
新しい記憶は短期記憶として「前頭葉」から「海馬」へと送られ、中期記憶となります。
海馬で整理された記憶は側頭葉へと送られ、長期記憶になり、大脳皮質のあらゆる場所で記憶として保管されます。
こうした記憶のリレーがしっかりと行われなければ、情報を記憶として留めておくことができなかったり、大脳皮質に保管された記憶をうまく引き出すことができず、ど忘れや人の名前が思い出せないなどということが起こるのです。
Step1:脳を鍛える
年齢と共に脳の記憶力が衰えてくるのはしある程度は仕方のない部分もありますが、脳を鍛えることによって記憶力もアップし、同じ年齢の人と比べて若さに差が出てきます。
記憶力をアップするには、前頭葉、海馬で覚える「陳述記憶」だけではなく、「身体で覚える記憶」にかかわる小脳も鍛えていきましょう。
オススメのトレーニングはこちら。
https://seo-sem.co.jp/contents/brain-studymeeting/training/繰り返し、楽しく前頭葉、海馬、小脳を鍛えることができ、確実に記憶力アップへとつながります。
この脳トレテストは自分なりにアレンジして作りかえることもできますので、楽しみながら脳のトレーニングをしてみましょう。
このテスト以外にも、何かの資格にチャレンジしたり、字幕の入った洋画を見たり、自分なりに脳への刺激となることも、日常の中から見つけていきましょう。
Step2:記憶の方法を思い出せ!
若い頃は記憶力がよかったのに、徐々に物覚えが悪くなった……なんて人、脳の老化よりも、記憶を脳に留める方法を忘れてしまっているのです。
学生時代、試験勉強や資格を取得するために、必死に勉強した覚えはありませんか?
その時、どんな勉強方法をしていましたか?
電車の中、トイレの中、自室の机、ファミレス等、自分が学習したことを覚えたシーンってどんな感じでしたか?
そうした学習したシーンを再現するのも良しですが、今そのシーンを思い出していること自体も、記憶を呼び起こしていることになりますので、脳のトレーニングになっているのです。
ただ思い出しているだけではなく、映像として頭に浮かびませんでしたか?
過去の映像が頭に浮かぶということは、大脳皮質と前頭葉が働き、長期記憶を映像として頭にめぐらせてくれているということです。
Step3:視覚を利用する
例えば本を読んでいる場合、ただ読むだけよりも声に出して読んだ方が頭に入りませんか?
更には、「書いて覚える」ということ、しませんでしたか?
また、忘れないようにスケジュールをメモに書く。これも記憶することとしてはとても有効なのです。
ただ読むだけの視覚より、声に出して読むより、目で見て書き出す方が記憶に留まりやすいのです。
目で見る、さらには書き出したものを視覚で確認する。
視覚で情報を二重に脳に入れることで、データのバックアップが行われているのです。
Step4:記憶が消える前に先回りする
前述したとおり、短期記憶、中期記憶、長期記憶は何もしなければどんどん記憶が消去されていったり、脳を鍛えていなければ中々記憶を甦らせることが難しくなっていきます。
「あれ?昨夜何食べたっけ?」
なんてこと、ありますよね。
寝る前まで覚えていたのにその日の夕飯の献立を考える頃には忘れていた。なんてことも。
中期記憶は9時間経過すると失われてしまいます。
明日会社に行ったらこんな話題を振ってみよう!と思っても、まんまと忘れてしまうのです。
海馬で処理された情報は短期記憶となり、すでに持っている情報と紐付けられると中期記憶になります。
中期記憶は繰り返し思い出すことで長期記憶になります。
ですが、長期記憶も時間の経過と共に忘れてしまいますので、寝る前、ベッドの中で、その日あったことを繰り返し思い出しているだけで、覚えていなくても、必要なときに記憶として引っ張り出すことができるようになるのです。
Step5:好きなことは覚えやすい
好きなことはどんどん覚えるけれど、嫌いなもの、苦手なものは中々覚えられない……学生時代の勉強で覚えがありませんか?
「好き」と思ったものは海馬に入りやすいため、記憶として脳に定着しやすいのです。
なので、記憶力をアップさせるには、好きなことはもっと好き、嫌いなこと、苦手なことは「好きだ!」と自分に言い聞かせて、脳を錯覚させるのです。
やりたくない仕事や苦手な仕事は、苦手意識からミスをしやすくなります。
ですが、その仕事が楽しみだ。どんな結果になるんだろうと自分に言い聞かせて望むと、仕事の段取りなどもミスすることなく進めることができるでしょう。
自分で自分を騙すことで記憶力を上げる「裏技」です。
Step6:表現しよう
中期記憶や長期記憶の能力をアップするには、表現することが大切です。
よく見てよく聞いてよく表現する。
情報として得たものを言葉にして話すことで記憶力がアップするのです。
見る・聞く・表現する働きのある脳の部分はそれぞれ違った場所にあり、見たこと、聞いたこと、表現したことを海馬を通して前頭葉に情報が流れ、中期記憶となるのです。
そして言葉にして表現し続けることで、中期記憶と長期記憶の記憶力をアップさせることができるのです。
声に出すことで情報が繰り返し耳からも入ります。
この「出す」ことと「入る」ことを繰り返すことで、神経細胞間での情報伝達能力を高めてくれるということなのです。
投稿者プロフィール
- 脳を研究しつづけてきました。脳をきたえる為のトレーニング方法や病気と脳の関連性の記事を書いています。右脳と左脳の違いや動物の脳と人の脳の違いも研究しています。
最新の投稿
- 脳トレとは2017.06.28脳トレに効果的なスロトレやエクササイズ!
- 脳の雑学&豆知識2017.06.26脳の雑学&豆知識~謎多き脳の世界
- 脳と精神疾患の関係2017.06.19女性にも増えているアルコール依存症!はまると認知症のリスクも高まります!
- 脳トレとは2017.06.19共感能力テスト~脳を鍛えてコミュニケーション力アップ!