トムヤムクンは、世界三大スープの中でも最も辛いスープです。最近では映画のタイトルに使われるほど、タイの看板として扱われています。
トムヤムクンは辛味だけでなく酸味があり、スープ自体の旨味が複雑に絡み合い一度飲んだらやみつきになるほどの後引く美味しさを秘めています。
そんなトムヤムクンの美味しさに迫っていきます!
トムヤムクンは、タイ料理を代表するスープ料理です。
タイ料理の特徴は、プリッキーという辛味の強い唐辛子とハーブを使って、辛味と風味を作り出すことです。
トムヤムクンも例外ではなく、辛味だけでなく具材の旨味やハーブの風味を味わえる奥の深い料理となっているのです。
トムヤムクンを食べると
トムヤムクンは、寒暖の差がはっきりしたタイの気候風土にあったスープ料理です。
夏にはスコールでずぶ濡れになってもすぐ乾くような暑さを、冬には吐く息まで凍りつくほどの寒さをもたらす気候に振り回される人々にとって、トムヤムクンは最適のスープです。
夏バテで食欲が落ちた時は酸味で食欲を増進させ辛味で汗が吹き出て暑気払いを、冬の凍える寒さは唐辛子が身体を温め快適に過ごすことが出来るという素晴らしいスープなのです。
「トムヤムクン」の名前の由来は
トムヤムクンはタイ語で「煮込んだ(トム・ヤム)海老(クン)のスープ」という意味があります。つまり、メインの具材が海老のものだけを「トムヤムクン」と言うのです。
海老を鶏肉に変えると「トムヤムガイ」、イカに変えると「トムヤムプラームック」になります。
つまり、トムヤムクンの基礎を覚えていれば幾らでも応用が利くのです。
トムヤムクンの持つ健康増進効果とは
トムヤムクンの特徴といえる辛さはプリッキーと呼ばれるタイの唐辛子によって付けられたものです。
唐辛子の種子に含まれるカプサイシンは発汗作用を示し、血流を強くする働きを持っています。また、内臓脂肪の燃焼にも効果を発揮するためトムヤムクンはダイエットにも最適のスープであると言えます。
トムヤムクンは、唐辛子以外にもレモングラスやカー(タイショウガ)、バイマクルー(こぶみかんの葉)などのハーブを使って独特の風味を生み出しています。これらのハーブには香りや風味を付けるだけでなく、強い抗がん作用があることが最近の研究で明らかになっています。
これらの効果だけでなく、トムヤムクンは栄養バランスもよく、ビタミンを効果的に摂取できる優れた料理でもあるのです。
最近ではレトルト食品やフリーズドライ食品などでも出回っているトムヤムクンですが、一から手作りするためのレシピをここでご紹介します。
用意する材料(4人分)
鶏がらスープ…800cc、海老…6尾、ふくろたけ…8個、チリ・イン・オイル…大さじ2、ココナッツミルク…大さじ2、カー…半個、レモングラス…1本、バイマクルー…4枚、プリッキー・ヌー…4本、ライムの絞り汁…カップ半分、ナンプラー…大さじ2、コリアンダー…1本、塩…少々
大型スーパーや業務用食材を扱っているような店でないと手に入らない材料も幾つかあります。
プリッキー・ヌーは実のままの青唐辛子で、ナンプラーはしょっつるなどの魚醤、カーはショウガ、ライムの絞り汁はレモン汁で代用できます。
トムヤムクンの作り方
- まず、レモングラスは斜め切りに、海老は背腸を取り除き頭と剥き身に分け、バイマクルーは葉脈を取ってから細かく千切り、カーはスライスしふくろたけは半分に切り分けておきます。
- 鍋にバターを溶かしてにんにくを炒めて香りをだし、肉を炒めていきます。
- 鍋に鶏がらスープを入れて火に掛け、海老の頭やレモングラス、バイマクルーやカーにココナッツミルクを入れて沸騰させます。
- 沸騰したらふくろたけと海老の剥き身とプリッキー・ヌーを入れて煮立て、ナンプラーと塩とライムの絞り汁で味を調えます。
トムヤムクンのワンポイント
プリッキー・ヌーなどの唐辛子を入れるタイミングを変えるとスープ全体の辛味も変わります。
器に盛りつけるタイミングで入れると辛さはかなり抑えられます。