牛の飼育 |
牛って、どんな所でどうやって飼われているんでしょうね?牛は大型動物なので一般家庭で飼育されることは、まずないでしょう。牛というと牧場というイメージがありますが、実際はどうなのか牛の飼育方法を紹介しましょう。 |
肉用牛の飼育方法
牛の基本的な飼育方法を紹介しましょう。エサやりは朝と夕方の2回です。昼間は牛舎や水槽の掃除、敷料の交換などの作業をしながらエサをどれくらい食べているのかを見て、食欲や健康状態を観察し、病気などにならないように注意しましょう。「うし」は赤ちゃんにミルクを与えていない時期、妊娠(にんしん)前期・後期、授乳期などでそれぞれ必要な栄養量が違います。ミルクを与えていない時期や妊娠前期には牧草サイレージや乾草、稲ワラなど、妊娠後期には濃厚飼料を1日約2kg前後、授乳期には3~3.5kg与えます。分娩(ぶんべん)後2~3週間はタンパク質が不足しないように気をつけて下さい。ビタミンやミネラルは牧草サイレージや乾草をあげていれば、きちんと補給できています。ボディーコンディションと呼ばれる体の脂肪のつき具合を見て、痩せすぎたり太りすぎたりしていないかもチェックします。天気が良い日には一日5時間くらい運動場で日光浴させることをおすすめします。夏は木陰を作ってあげることも忘れずに。とにかくウシの様子を細かくチェックすることが大事ですね。
牛が病気になったら?
牛も人間と同じように病気になることもあります。体調が悪いかな?と思ったら、特別な薬などは使わずにビタミンなどの栄養剤を用います。畜産農家では薬を使うと肉質が落ちることから、そういったものは極力使われていません。細菌性とかウイルス性の病気になると、どうしても肉の中にウイルスが残るし、抗生物質の使用回数や量が制限されているので必要以上には使いません。また、抗生物質は出荷する何週間か前に使うと出荷できなくなってしまいます。ですが、それ以前に抗生物質を使って記録しなくても大丈夫とされています。薬を使った回数は記録されますが、一般には公開されません。病気の牛は早めに見つけて完治するまで別室に移して治療に専念してください。
肉用牛の管理
「うし」の管理は繁殖管理と肥育管理に分けられます。牛舎の衛生状態なども含めて、それぞれの方法を見ていきましょう。
繁殖管理の仕方
繁殖牛は年に1回の出産で毎年子供を産ませることが必要になってきます。1年365日から妊娠期間の285日を引くと80日間が残ります。この期間に次の種付けを終えなければなりません。分娩後は20日で妊娠する可能性があるので、よく観察して見逃さないようにしましょう。さらに空胎期、妊娠期、分娩期、哺(ほ)乳期別に適した飼料を与えなければなりません。繁殖牛の状態はそれぞれの時期に合ったボディーコンディションがあります。それを踏まえた上で、いつも食欲旺盛で、良い毛ヅヤを保つように管理します。
肥育管理の仕方
ウシの習性や飼育環境を考えると、追い込み式で群飼育をする管理方法が適切ではないでしょうか。この方法だと管理する側もそんなに大変ではなく、しかも牛舎を有効利用できることから広く使われています。飼いやすくて、太りやすい牛を選びましょう。ただ、雌牛に関しては群飼育をすると、群全体の落ち着きが失われてしまいます。なので、単房式または、けい留式での飼育が望ましいでしょう。群の編成は月齢と体重が同じくらいのウシ15頭以内を目安に群にしてくださいね。あまり大きな群にしてしまうと、体調の悪い「うし」の発見が遅れてしまう場合があります。また、舎飼の追い込み方式の場合は乾燥ワラなどを敷いて、すべてのウシが快適に過ごせるような環境作りが大切です。飼育面積が広すぎたり、急斜面があったりすると飼育の効率低下につながります。
肉用牛の飼育上の注意点
「うし」を飼育する際は当然のことながら、「うし」の性格をよく知っておく必要があります。牛はリーダーを中心に群れを作って行動します。人間が近づくと最初に寄ってくるのはリーダーですね。群れに新しいウシが入ると優先順位を決めるために角の突き合わせをしますが、決まってしまえば群れは落ち着きを取り戻します。エサもこの順位に従って食べるので、牛を管理するときは、このような習性があることをよく理解しておかなければなりません。そのほか、やむなく狭い場所で群飼育したり、エサを制限して与えるときなどは事故防止のために角を切っておくといいですよ。また、シッポを引っ張ることで牛を進ませたい方向に操れます。たとえば、右に行かせたいときは、尻尾を強めに左のほうに引っ張ると、右に行くんですって。それから牛は目線より上にあるものは、自分より大きいと思うらしいので、私たち人間は牛にしてみれば巨大な生物ということになるんです!面白いですね!最後に飼育上、一番気をつけなければいけないことは、牛に蹴られないようにすることです。牛はまわし蹴りするので、後ろから近づいたり、横にいると蹴られる場合があります。特に後ろにしゃがみ込むのは、とても危険なので止めましょう。
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