質の良いガラスとは、どのようなものを呼ぶのでしょうか。
ステンドグラスやクリスタルガラスなど、美しいガラスをじっと見ていると、心がとぎ澄まされるような気がします。
そんな人の心に呼びかける、芸術的なガラスたちを見てみましょう。
ガラスには実用性と芸術性の両方があります。今ではガラス窓のように実用的な使われ方と器のコレクションのような芸術的な楽しみ方が分かれています。その中でも実用性と技術性の両方を兼ね備えているのが、ステンドグラスではないでしょうか。
ステンドグラスとは、色のついたガラスを組み合わせて絵やもようを作ることをいいます。窓の装飾やランプにも使われています。
ステンドグラスは、古代ローマ時代から使われてきました。ステンドグラスは、字が読めない人にも神の教えを伝えるために作られました。ステンドグラスには精神的な意味合いが強くこめられていたんですね。今でも修道院や教会堂の多くに見ることができます。
日本にステンドグラスが伝わってきたのは、明治時代のことでした。文明開化によって、西洋文化が伝わってきた時代です。長崎の大浦天主堂や慶応義塾大学の図書館、国会議事堂、名古屋市市政資料館などのステンドグラスは有名です。大正時代以降は、一般の家庭にも用いられるようになりました。富士山や家紋など、日本でしか見られないステンドグラスが、そこに存在するのです。
最近では個人でも趣味として、気軽にステンドグラスを作ることができるようになりました。
ここでは大まかなステンドグラスの作り方を紹介しましょう。
- 作る場所のサイズをはかります。
- デザインをして型紙を作ります。
- ガラスを選んで型紙をのせ、カットします。
- バランスを見て配置し、調整します。
- 鉛桟を使って組み立てをします。
- ジョイント部分に半田つけをします。
- 仕上げにパテで固定したり、掃除・洗浄をしてできあがりです。
一般的に、透明なガラスはクリスタルガラスと呼びます。実際には少し青みを持っているほうが美しく見えるため、調節をして作られます。主に食器・工業用・手芸用ビーズ・宝石類として使われます。クリスタルガラスは強化ガラスとちがって繊細なので、ていねいに扱ってくださいね!
質の良いクリスタルガラスは、酸化鉛を加えることで透明度が高く、きらきらと輝きます。一般的に酸化鉛は24%以上とされ、その量によって価値が決まってきます。クリスタルガラスは、型を使わずに宙吹き製法という方法で作られます。吹き竿に息を吹き込んで作るので、いろいろなデザインのガラス製品を作ることができるんですよ。大切な日の贈り物にもぴったりですね。
ヴェネチアン・ガラスは13世紀にヴェネチア共和国で始まりました。鉛を使わず、ソーダ石灰を使っているのが特ちょうです。
花や鳥などの複雑なデザインでとても高度な技術を必要とします。
そのようなすばらしい作品を作るヴェネチア共和国では、ほかの国に頼らないと材料が手に入らないため、ほかの国に作品がもれるのを恐れました。そしてグラス職人を島に移住させ、逃げるものには罰を、良い作品を作ったらほうびを与えようとしました。
しかし、中には逃げ出すものもいて、ガラスの技術はほかの国にも広まることになります。
しかしこのおかげで、現在のヨーロッパにはガラスの技術が広まり、人々に愛されるようになったのです。