冬の雪原を、雪煙を上げながら疾走するスノーモービルは、子供のみならず大人も憧れる乗り物です。スノーモービルはネガティブなイメージがなく、スポーツとしての人気があり、冬の観光地ではスノーモービルのレンタルを行っているところも少なくありません。ここでは、憧れの的であるスノーモービルについて解説していきます!
スノーモービルは、寒冷な気候のカナダで開発されたエンジン付きの乗り物です。形状からオートバイの一種と考えられがちですが、実際のところはトライク(三輪車)に近い構造になっています。雪道を走ることを前提にしているため、前輪部分はスキーで、後輪部分はキャタピラ(トラックベルト)になっています。
スノーモービルは、1922年にカナダのケベック州で開発されました。スノーモービルの開発者であるジョセフ・ボンバルディア氏はスノーモービルの開発によって財を成し、カナダ有数の重工業メーカーであるボンバルディア社を設立するに至ったと言います。スノーモービルの原型となったのは、南極点到達競争に敗れたロバート・スコットも使っていた雪上車と言われています。スコットの敗因となった寒中におけるエンジンの故障を克服したのがスノーモービルなのです。
スノーモービル最大の特徴は、その推進機構です。前部のスキーと後部のキャタピラという組み合わせは世界でたった一つと言えます。キャタピラの走破性の高さは戦車やブルドーザーなどの重量のある車両で使われていることが証明しています。また、前部・後部にはサスペンションが備え付けられており、走破性を高めています。スノーモービルのエンジンはオイルとガソリンの混合燃料を使用する2ストロークのエンジンが主流となっていましたが、近年では4ストロークエンジンへの移行が進んでいます。2ストロークは2ストロークよりもパワーがあるものの燃費が良くないことや、排ガス規制の関係で敬遠されつつあるのです。
では、スノーモービルに乗るためにはどのような点に注意し、どのような方法で運転すればよいのでしょうか?
スノーモービルを運転するのに資格は必要ありません。そもそも、スノーモービルにはナンバープレートが交付されない(オートバイに似ていても自動二輪としての要件を満たしていない)ので、公道で走るための運転免許は必要ないのです。しかし、逆に言えば運転免許・ナンバープレートが無いのでスノーモービルでは公道を走れないのです。
「スノーモービルを体験してみたい!」と言う人はどうすればよいのでしょうか? スキー場に近い観光地などでは、冬の間スノーモービルの体験を行っている場所が幾つかあります。特に北海道では、スノーモービル専用のレジャースポットがあるほどです。スキー旅行のついでに、スノーモービルを体験してみるのも手かもしれませんね。
スノーモービルは、一部のバイクメーカーなどで生産されているので取扱店で注文すれば購入することが出来ます。しかし、スノーモービルはオートバイとほぼ同じか高いくらいの価格設定になっているため、個人で購入するとなると中古で探した方が無難かもしれません。
スノーモービルは、運転免許が必要ないとはいえエンジンの付いた乗り物です。立ち木などにクラッシュするなどのトラブルがあれば、大ケガをしてしまうことも充分にありうるのです。スノーモービルに乗る際は必ずヘルメットを着用しましょう。出来れば、バイクレース用のランディングギアなどの耐衝撃性の高いウェアなどを身に着けておきたいですね。
スノーモービルは「冬のバイク」とも言われるように、そのスピードや風景を楽しむものです。自転車やオートバイの経験があればすぐにでも乗りこなせるようになります。観光地では、案内人や指導者の指示の元で山林の中を駆け巡ったり、広めの雪原で競争したりして楽しみましょう!