冬の風物詩の一つに上げられるのが、街角で笑顔を絶やさない雪だるまです。大きな雪玉で作られた体を持つ雪だるまは、子供たちの憧れの雪遊びであるといえます。そんな雪だるまについて解説していきます!
雪だるまは、大きさの違う雪玉二つを重ねて作る雪像の一種です。その名の通り、手足に当たるパーツを付けることはほとんどありません。雪だるまは別名「冬法師」、アメリカでは「スノーマン」と呼ばれています。雪だるまは、炭団(たどん)で目・眉・鼻・口を作ります。
では、日本の雪だるまと外国のスノーマンには何か違いがあるのでしょうか。雪だるまは体と頭を二個の重ねた雪玉で表現していますが、スノーマンは三個の雪玉を使って頭・体・足を表現しています。雪だるまは炭団を使って顔を表現するのに対して、スノーマンは石で目を、人参を指して鼻を、枝で口を表現しています。また、雪だるまは手も足もつけないことが多いのに対して、スノーマンは枝やホウキを差して手を表現します。しかしこういった雪だるまとスノーマンの違いは、段々と境目が薄くなってきているのが現状です。その為、バケツを帽子代わりに被りマフラーを巻いた雪だるまも多くなってきています。
また、雪だるまは子供でも作れる雪像として捉え雪まつりに活用するケースも多々見られます。雪の少ない地方から来た観光客向けに雪だるま製作体験を進める観光地も多く、雪だるまは降雪地域をアピールするための有効な手段としても活用されています。
しかし、雪の少ない地域に住んでいる人たちにとっては雪だるまを作れるだけの量の雪を確保するのはとても難しいことです。所によっては、ドロ交じりの雪で作った雪だるまを見かけることがあるほどです。それほどまでに、雪だるまは冬を象徴するものになっているのです。しかし雪だるまを作るためとはいえ、そうそう簡単に豪雪地帯に旅行に行けるわけでもありません。そこで登場したのが雪だるま宅配なのです。
1986年に、北海道の勇払郡早来町の郵便局が始めたのがふるさと小包「雪だるま小包」です。雪だるま型の発泡スチロール製容器に雪を詰めて全国に発送するこの小包は瞬く間に人気を呼び、競走馬の牧場だけが有名だった早来町に新しい名物を生み出したのでした。現在、このような雪だるま型の容器に雪を詰めて全国発送するという形態は郵便局以外でも行われており、主に北海道の雪が全国に送られています。
それでは、雪が積もったときのための雪だるまの作り方を紹介していきます。
ここでは、出来るだけきれいに雪だるまを作る方法を紹介します。まず、雪合戦で使うよりも大きめの雪玉を握ります。この時、満遍なく全体に力が掛かるようにして握り、球状にします。雪玉がある程度の固さになったら、雪玉を雪が積もっている場所に静かにおいて転がしていきます。雪玉を転がす時は、右方向・左方向・真っ直ぐと回転させる方向に変化を付けて全体に雪が付着するように転がします。転がす時は、雪玉に手を添えて常に地面に接地するように力を入れます。転がしているうちに、雪玉に付着した雪がしっかりと締まって適度な大きさと固さになってきたところで邪魔にならない場所に移動させます。もう一個雪玉を握り、最初の雪玉よりも小さくなるように大きさに注意しながら雪なる場所を転がしていきます。雪玉の大きさが整ったら、大きな雪玉に小さい方の雪玉を静かに乗せて炭団や小石、枝を使って表情をつけて出来上がりです。
前述のように、北海道や東北をはじめとする豪雪地域以外で雪だるまを作ると泥混じりの黒っぽい雪だるまになってしまうことがしばしばです。出来るなら、雪だるまを作るときは雪の量が多いときに行いましょう。
作った後の雪だるまは大人でも持ち上げるのが大変なくらいに重くなります。道路の真ん中や駐車場などに置いておくようなことをすれば大変迷惑になります。ですので、雪だるまを作るときは置く場所を考え、邪魔にならないように設置することを心がけましょう。
スノーマンのような飾りつけをした雪だるまも近年増えていますが、スノーマンの飾り付けに使われる人参やホウキ、バケツなどは雪が溶けた後も残るものばかりです。なので、雪だるまの飾りつけは出来るだけシンプルなものを使うか、溶け掛けてきた時の片付けが簡単に出来るものを選んで使いましょう。