赤い手ぬぐいや赤い闘魂タオルをマフラー代わりにする風習は日本独自のものといえます。春夏秋冬の境目がはっきりした日本では、マフラーは平均的な防寒具として各地で活躍しています。首元を守るマフラーは時としてヒーローのトレードマークであったり、奥様方のアイドルのトレードマークであったりもしますが、その機能は見栄えだけではないのです。ここではマフラーの機能性にスポットを当てて紹介していきます!
マフラー(muffler)は、英語で「包む」「覆う」という意味を持つ「muffle」から転じて出来た言葉です。車やバイクなどの消音器としてのマフラーも「音の出る排気管を包み、排気音を減ずる」所から名付けられています。つまり、防寒具としてのマフラーは「首元を覆い包むことで寒さを抑える」ものなのです。
市販されているマフラーの中で人気が高いのは「バーバリー」製のマフラーです。独特の肌触りと汚れに強いバーバリーの製品は人気が高く、バッグなども高い評価を受けています。バーバリー製品の人気を支えているのは「ギャバジン」と呼ばれる防水加工を施した独自の生地です。このギャバジンの開発こそがバーバリーを人気ブランドに押し上げた原動力なのです。
マフラーは、様々な形で創作や文化に取り入れられてきました。たとえば、有名なフォークソング「神田川」では、質素な生活をする若いカップルが赤い手ぬぐいをマフラー代わりにして銭湯から帰宅する下りがあります。特撮ヒーローの仮面ライダーは赤いマフラーがトレードマークになっていて、偽者のショッカーライダーは黄色いマフラーをしているなどの明確な区別がつけられているほどの存在感を発揮しました。マフラーは、「人の心の豊かさ・温かさ」を象徴するものとして、様々な文化の中に取り入れられその存在感を高めていったのです。
現代において、マフラーはファッションの一部として認知されるようになりました。90年代中盤のコギャルブームでは、バーバリーのマフラーとベストの組み合わせが定番として流行し、「冬のソナタ」に始まる韓流ブームでは人気俳優の衣装を真似してマフラーを結ぶ奥様たちが見受けられました。マフラーの結び方の多様性が認識され始めたのは、90年代中盤からのことで、日本における文化の熟成がブームに連動していることの証左であるともいえます。現代におけるマフラーは、文化の影響を受けながらも変わる事のないファッションの定番であるのです。
マフラーは、巻き方の違いで様々なニュアンスが表現できるというファッションの一要素として優れた特性を持っています。しかし、マフラーの巻き方自体を全て知っていると言う人の方が少なく、「2つ3つの巻き方を知っていれば問題ない」と考えられているのが実情です。では、なぜマフラーには多種多様な巻き方があるのでしょうか?
マフラーの巻き方が複数ある理由は「ファッション性の変化を付ける」為だけでなく、「保温性を高めるため」でもあるのです。例えば、マフラーを巻いて歩いているうちにマフラーがずれて肩から落ちたことがある人は大勢いるのではないでしょうか。このように、マフラーの巻き方によっては首元を暖める効果が弱くなっていくことがあるのです。マフラーをしている間暖かく過ごす為に、ずれにくい巻き方が考え出されていったのです。
前述の「冬のソナタ」では、韓流スターのペ・ヨンジュンが劇中でマフラーを「ハイラップ」と呼ばれる巻き方で巻いていて、「ヨン様巻き」と呼ばれるようになったのは記憶に新しいところです。その為、「ハイラップ=ヨン様」というイメージを焼き付けた人は多いのではないでしょうか。こういった特徴のあるマフラーの巻き方は、ファッション性を強く引き出す効果を持っているのです。
では、人気の高い「ヨン様巻き」ハイラップと、汎用性の高い「ワンループ」の二つを紹介していきます。
では、ハイラップの巻き方を紹介していきます。まず、首にかけたマフラーを右は短く、左は長くなるように調整します。これは逆になっても構いません。そして、長い方を一回分だけ首に巻きつけます。胸の前に長い方の裾が来たら短い方の下になるように交差させて結びます。結び目が出来たら左右の裾の長さを調節して出来上がりです。
ワンループは、いわゆる「学生巻き」の一つで緩めに巻いたものが女子高生の間で人気を博しています。しかし、本来のワンループはもっと汎用性の高い巻き方でフォーマルにもカジュアルにも対応した巻き方なのです。巻き方は、マフラーを二つ折りにするところから始まります。二つ折りにしたマフラーを首に巻き、輪になった部分に揃えた両裾を通します。輪に裾を通しただけの状態でもワンループとして通用しますが、裾を引き絞ってネクタイのようにするのが本式のやり方なのです。