1781年に見つけられた比較的(ひかくてき)新しい惑星(わくせい)の天王星。これまでに天王星に行った宇宙船(うちゅうせん)は探査機ボイジャー2号だけとされています。また、天王星は横だおしになったまま自転(じてん)するという、おもしろいとくちょうを持っているんですよ。天王星には、まだ多くのナゾがかくされていそうですね。
天王星は、7番目に太陽(たいよう)から近い惑星です。はじめて望遠鏡(ぼうえんきょう)をつかって観測(かんそく)された惑星としても知られています。
天王星は、ほかの惑星のなかで3番目に大きく、木星や土星と同じガス惑星なんです。成分の多くは水素(すいそ)、のこりはヘリウムとメタンになっています。 それから内部には、水とメタン、アンモニアの氷があって、中心には岩石の核(かく)があると言われています。メタンの雲が赤い光を吸収(きゅうしゅう)してしまうので、天王星は青く見えるんだそうですよ。
また、一番ちゅうもくしたいのは、天王星は横だおしになったままで、自転するということ。おもしろいですね。でも、なぜこんなことになったのでしょう?
それは、天王星ができたての時に、ものすごく大きな天体(てんたい)とぶつかって、たおれたと 考えられています。
天王星は、むかしから何回も観測(かんそく)されてはいましたが、惑星(わくせい)だということは知られていませんでした。もっとも古い観測の記録(きろく)は1690年のイギリスの天文学者(てんもんがくしゃ)ジョン・フラムスティードによるものです。そのあと、1781年に、同じくイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが発見し、天王星が動く惑星であることを確認しました。
さいしょ、ハーシェルはいろいろ手助けしてくれたイギリス国王ジョージ3世にちなみ、この惑星をジョージの星と名づけました。名前にかんするさまざまなアイディアがでましたが、さいごにはドイツの天文学者ヨハン・ボーデが考えたウラヌス(天王星)に決まりました。
天王星は6等星(とうせい)の明るさで場所がわかっていれば、双眼鏡(そうがんきょう)をつかって簡単(かんたん)に見つけることができますよ。望遠鏡(ぼうえんきょう)から天王星をのぞくと、小さな円盤状(えんばんじょう)に見えます。
9月から10月にかけては天王星や海王星が見えやすい時期です。で きるだけ、よく晴れて、しかも月が出ていない夜を待ちましょう。
天王星だと確認(かくにん)するには何日かつづけて、ながめることをおすすめします。本当に天王星なら、太陽など自分からは、ほとんど動かない星の間をゆっくり移動(いどう)するはずですよ。
ギリシャ神話に出てくるウラヌスは天空の神で、さいしょの世界(せかい)の支配者(しはいしゃ)とされています。
大地の神ガイアの息子(むすこ)であり、夫(おっと) でもあります。ウラヌスはゼウスの父クロノスの、その父にあたります。また水がめ座の守護星(しゅごせい)とも言われます。
1986年に天王星探査機ボイジャー2号によって、はじめてくわしい観測(かんそく)がおこなわれました。1977年にうち上げられた探査機ボイジャー2 号は、1986年の1月に天王星の一番ちかくにたどり着きました。このとき、天王星に磁場(じば)があることが確認されて、天王星の磁場の中心は惑星の中心から大幅(おおはば)にズレていて、60度自転軸からかたむいていることがわかったのです。