衛星(えいせい)とは、惑星のまわりをまわっている天体のことをいいます。おもに木星型のガス惑星に多く、水星と金星以外の惑星には少なくても1つは衛星を持っています。惑星は、ガスやちりが集まって、くっついたりはなれたりします。
惑星になりきれなかった天体には衛星のほか、小惑星、彗星などがあります。さいきんでは衛星にも生命の可能性があるとして、調査がすすめられているんですよ。
火星の衛星、フォボスとダイモスは、でこぼこした変わった形をしています。小惑星は、火星と木星のあいだに集まっていて、ぶつかったりくっついたりして、岩石のままの形をしています。
フォボスとダイモスも、火星につかまった小惑星だったのではないかと考えられています。
ガリレオ・ガリレイが見つけた、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つの衛星は、「ガリレオ衛星」と呼ばれています。1610年にガリレオが自分でつくった天体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)で発見しました。
4つの衛星が、木星のまわりを動いていることがわかり、ガリレオは地動説を強く信じるようになりました。
これらの衛星は、すべて冥王星よりも大きく、とくにガニメデは太陽系で1番大きな衛星で、水星よりも大きな衛星です。イオでは火山活動が確認されています。エウロパ、ガニメデ、カリストには表面が厚い氷でおおわれています。エウロパには海があることがわかり、バクテリアなど小さな生物がいる可能性があります。
土星の衛星タイタンは、太陽系の衛星では2番目に大きく、大気は、窒素(ちっそ)65~98%くらい、アルゴン25%以下、メタン2~10%、水素約0.2%、そのほかで構成されています。
タイタンはオレンジ色のもやに包まれている衛星で、その大気は下のほうはメタンの雲で覆われています。タイタンには海があって雨が降っている可能性もあり、生物がいてもおかしくありません。
このすがたは、生まれたばかりの地球の姿によくにているのです。タイタンによって地球の生命がどのように誕生したのか、解明(かいめい)される日がくるかもしれませんね。土星の衛星にはこのほかにも、環にくっついてまわっている、羊飼い(ひつじかい)衛星や、アトラス、パンドラ、ミマスなどたくさんあります。
天王星にもたくさんの衛星があります。その中でもミランダは、でこぼこした衛星で、一度天体がしょうとつしてこわれたものが、もう一度合体してできたため、変わった形をしています。
直径470kmの大きな衛星です。
トリトンはメロンみたいな衛星です。火山のあともあります。
窒素(ちっそ)の氷がとけて流れ出したり、ガスになったり。メタンのガスも含まれ、分解されて黒いしみになったり。太陽系でもっとも温度が低く、窒素(ちっそ)が凍りついています。
自転の向きと逆周りをしていて、逆行衛星(ぎゃっこうえいせい)と呼ばれています。1億年もすれば、海王星にぶつかると考えられています。
冥王星の衛星カロンは、冥王星の半分以上の大きさがあります。冥王星との距離は2万kmしかはなれていません。
冥王星とカロンは、たがいのまわりをまわって同じ面だけを向けています。
人工衛星は、1957年にはじめてスプートニク1号が打ち上げられました。げんざいは数百個の人工衛星が地球をまわっています。
いちばん身近な人工衛星には、気象衛星というものがあります。気象衛星は、雲の流れや水蒸気(すいじょうき)の量を観測して、天気予報になるデータをあつめています。
ほかにも、遠くの場所と交信をするための通信衛星や、テレビ放送を伝える放送衛星、人や車の位置を教えてくれるGPS衛星などがあります。人工衛星は、いろんなことに役立っているんですね。