タイ
タイは昔から「めでタイ」という語呂合わせで慶事の際の食卓に並べられる魚として珍重されてきました。寿司のネタとしても、タイは白身魚の王様と言うべき味わいを持っているのです。マダイ以外のタイ科に属するキダイやチダイ、クロダイなどがありますが、タイ科でもスズキ目でもない分類に属しているにも関わらず「~タイ」と呼ばれる魚は200種前後居るとされています。そういったタイにあやかった名前を持つ有名な魚に金目鯛があります。
タイの一般知識
日本名/英名
鯛(タイ)/Pagus major(マダイ)
タイの分類
硬骨魚網スズキ目スズキ亜目タイ科
タイの生態
タイは魚の中でもかなり長生きする部類に入ります。産卵後も生き続けるので、軽く20年は生きていきます。タイは成長も早く、孵化して一年で16cmほどに成長し、最大1mほどにまで成長を続けます。水深20mから最大で150mの深さに生息し、冬になると150m前後の深さまで潜って越冬する性質を持っています。産卵数も15万粒を越える多産な魚で、一度に全て産むのではなく数回に分けて産卵します。
タイの旬の時期
◎ タイのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★★ 5
★★★-- 3
★★★★★ 5
★★★★- 4
★★★-- 3
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タイの旬は産卵期の前になります。卵を産むために体力を付けて脂の乗ったタイはとても美味しいのですが、卵を産み終えると脂も落ちて身もやせ細ってしまいます。こうした産卵期を終えたタイを「麦わら鯛」と呼びます。「麦の収穫期のタイは不味い」という意味と「産卵し終えたタイは麦わらのようだ」という意味があるといわれています。タイの産卵期は3月から4月の春ごろ・または6月ごろなので、タイの旬は産卵期に備え脂が乗りはじめる冬がピークと言えます。この頃に取れるタイは、身が肥えていて赤身がかった色合いが強くなっているので「桜鯛」と言われています。
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タイの種類
マダイ
日本で最も愛されているタイです。七福神の恵比寿様と共に描かれることが多いことでも知られています。昆布やエビなどと共に縁起物として、おせち料理の定番となっています。
キダイ
マダイに比べて全身が黄色掛かっていることからこの名前が付けられました。マダイに比べて身が柔らかいので焼き物に最適なタイです。結婚式で饗されるタイの姿焼きに使われます。近年では資源の減少でなかなかお目にかかることはありません。
チダイ
体長はタイほど大きくなりませんが関西では「花鯛」と呼ばれて釣り人に親しまれています。また、旬の時期がマダイの逆にあたる夏なので、マダイのピンチヒッターとしても活躍できる魚です。
クロダイ
クロダイは釣り業界では「チヌ」と呼ばれ、「一度で良いから釣ってみたい魚」として一種のステイタスになっています。また、クロダイは生まれ数年はオスなのですが、一定の年齢に達するとメスに代わるという特徴を持っています。
アマダイ
アマダイは、グジともよばれ関西で人気の高い魚です。高級料亭の定番ともなっている高級食材として使われています。
タイで健康!ヘルシー!
タイに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。
老化防止
タイの皮には、ビタミンB2が多く含まれて居ます。ビタミンB2は不足すると口内炎や皮膚炎を発症させるので、タイは口内炎にお悩みの方にお勧めの食品と言えます。またビタミンB2には細胞を老化される過酸化脂質を抑制する働きを持っています。タイの目玉周りの肉にはコンドロイチンという髄液と同じ成分が含まれており、骨粗鬆症に効果があり、若々しい体を作るのに欠かせない栄養分を豊富に含んでいます。
美肌効果
眼球周りの肉や眼球に含まれているムコ多糖類やビタミンB1は肌の細胞を活性化し疲労感を無くし、神経を活発にする効果があります。美しい肌を作るのに欠かせない栄養素を含むタイは女性にとっての強い味方です。
血圧降下作用
タイの身にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは塩分であるナトリウムを体外に排出する効果と、体のイオンバランスを整える働きを持っています。血中のナトリウム濃度が高いと血圧が上昇するので、カリウムを摂取することで高血圧が抑えられるのです。
タイの美味しい食べ方
鯛の握り寿司
寿司においてのタイは、刺身と違って皮をつけたまま握るのが一般的とされています。皮をつけたままのタイの身にお湯をさっと掛けて、水で冷やして柔らかくする「湯引き」という技法で皮を食べやすくしてさっと握るのがタイの握り寿司です。皮と身の間にある皮ぎしと呼ばれる皮下脂肪がお湯で温められ口の中で溶けやすくなるのが最大の特徴です。
タイの昆布締め寿司
タイの切り身を昆布の上に乗せて塩を振り、しばらく置くことでタイの旨味を引き出すのがタイの昆布締めです。これを握り寿司に仕立てたのがタイの昆布締め寿司です。タイの水分が塩と昆布の作用で吸い取られ、タイには昆布のもつグルタミン酸が浸透して旨味が加わるのです。昆布締めすると、保存期間が延びるという利点もあります。
鯛寿司
関西地方で発展した押し寿司(バッテラ)のネタは多岐にわたり、タイも例外ではありません。鯛寿司は各地で作られている押し寿司の王様といってもいい押し寿司です。昆布で包むことで更に美味しさをアップさせた鯛寿司もあり、日本各地で愛好されています。
カスゴの握り
生後一年前後で成長しきっていないタイは、光り物として扱われます。それがカスゴです。産卵期を迎えていないカスゴは脂の乗りもよく、「カスゴを味わわなければタイを味わったことにならない」と言われています。
直感寿司占い・タイ編
一番始めにタイ(鯛)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「目立ちたがりタイプ」でしょう! タイは身が赤と白で構成されているため、おめでたい席で利用される魚です。なにかと話題になりやすい魚でもあるため、どうしても目立ってしまいます。そんなアナタはグループの中心となり、盛り上げ役となる人物と言えるでしょう。明るく元気なアナタに周囲の方は好感を抱いていることと思います。ただ、調子が良すぎて空気が読めない場合は多々ありますので、そこは注意が必要です。元気がないと心配されることも多いので、よいポジションにいるといえますね。
タイのお話
40年ほど前に鯛の養殖技術が確立され、スーパーや魚屋さんに手ごろな値段でタイのお刺身が並んでいることは珍しいことではなくなっています。しかし、養殖タイは安価にもかかわらず天然タイといえば、いくらか値は下がったものの未だに高級魚としての風格を残したままです。では、なぜこれほどに養殖物と天然物の差が付くのでしょうか? タイの養殖は、網で作られた円筒状の仕切りの中で行われます。孵化させたタイの稚魚を他の魚に襲われないよう、仕切りの中で育成させます。
養殖タイの問題点とは
ここまではまだいいのですが、タイをはじめとする養殖魚は餌としてイワシのすり身が使われます。イワシは脂が多い魚の代表格で、イワシを餌にして育った養殖魚は育つのが早くなるのですが運動不足と脂肪分の過剰摂取で一種の肥満状態になってしまいます。そのため、養殖物のタイは脂が乗りすぎていると言われています。また、仕切りの深さは本来のタイの生息環境とはかけ離れたものなので、日焼けしてしまい全体的に黒っぽい色合いになってしまいます。また、食べ残したエサが腐敗してヘドロになりその臭いが染み付いてしまうとい問題などがあります。
養殖は天然を駆逐するのか
しかし、味覚の嗜好が脂っこいものを好む傾向にあることから養殖タイは若年層に受け入れられています。本当のタイの味がわからない、天然物が必要ない時代が来てしまうのも時間の問題かもしれません。
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