マグロといえば寿司、寿司といえばマグロ。もはや説明要らずの寿司の王道、それがマグロの握りだと思います。また、マグロは3m近くまで成長する魚なのでその場所場所によって味わいが大きく変わる魚です。ぜひ隅々まで味わいつくしてください。
クロマグロ(本マグロ)
クロマグロというよりは本マグロといった方が通りがいいかもしれません。寿司ネタとして最高級品のマグロです。
ミナミマグロ(インドマグロ)
脂身、つまりトロの部分が濃厚なために寿司ネタとしてはこちらのほうが喜ばれる場合もあります。
キハダマグロ
こちらはインドマグロと反対にトロがありませんので寿司ネタとしては赤味部分だけということになります。味はよいのでスーパーなどの切り身によく使用されます。
ビンナガマグロ
味は悪くないのですが、色味が悪いので寿司ネタには不向きのはずでしたが、最近では寿司ネタや刺身に供される機会も増えてきたようです。
老化防止
マグロは大抵の魚同様ビタミンB群が豊富です。ビタミンB群は皮膚や粘膜の健康維持に効果的ですし、その他にもナイアシンと呼ばれる成分が含まれていてこちらも老化予防に役立ちます。
血液サラサラ効果
マグロにはDHA・EPA・鉄分・タウリンなど血液にいい成分が多いので、血液から健康になれます。特に“血合い”とも呼ばれるマグロのアラ部分には効果が高いです。
マグロの美味しい食べ方
マグロの部位に関して
そのまえに、マグロは大きな魚ですので、寿司ネタにする際には赤味・中トロ・大トロなどにわけられます。また、骨の間にのこった身の部分も中落ちと呼ばれて美味しく調理されます。さらに頭部も“かぶと”という名前で食べられます。
大トロの握りずし
口に運んだときとろりととろけるからトロ。特に大トロは濃厚な甘みと旨さで、まさに握り寿司の王者。昔は生で食べるには痛みが早かったのでなかなか生食の機会がなく、その旨さも新鮮なマグロがあがる一部地域のもので、しかも脂っこいと敬遠されていました。現代では考えられないことですね。
中トロの握りずし
大トロは油がきついのでこちらの方がいい、という人も多いようです。筋肉組織である赤身と脂であるトロ部分がベストマッチ。濃厚さでは大トロに譲りますが、マグロの脂と食感を楽しむのに最適な部分だと思います。
赤身の握りずし
トロの脂が嫌いという人は赤身をどうぞ。ここはマグロの筋肉組織です。そのため脂が少なく純粋なマグロの身の旨さが味わえる部分です。赤身は普通に握りずしで食べても旨いのですが後述するヅケや焼きなどもおいしくいただけます。
中落ちの軍艦巻き
中落ちはマグロの骨のそばの身をスプーンなどでかきだしたものです。そのためミンチ状になっているので軍艦巻きにして食べることが多い部分です。しかし骨のそばの身が旨いというのは魚でも肉でも同じことで、この中落ちには独特の旨みがあるので私を含めてこの部分のファンという人も多いようです。
マグロの炙り
マグロを炙って寿司ネタにする炙り寿司というのもあります。これは生のときとはまた違った味わいを楽しめるのではまる人も多いようです。炙り寿司にするマグロはやはり脂ののったトロのほうが脂のうまみが引き立っておいしくなります。さらに焼いてステーキにしてしまう料理法もあります。
ヅケマグロ
マグロはそのままでもおいしい魚ですが、漬け(ヅケ)にしてもおいしいもので、江戸前寿司ではマグロをヅケマグロにして食べることが多いです。この場合は脂の多いトロよりも赤身を使うことが多く、一味違った味を楽しめます。
鉄火巻き
マグロの切り身を海苔巻きにしたものです。江戸前寿司はもともと気軽にすばやく食べられることを目的に作り出された、今で言うファーストフードのようなものでしたが、この鉄火巻きは海苔で包んで手が汚れないようにさらに改良されたものです。そのため手が離せない鉄火場(ばくち場)で愛用されたため鉄火巻きと呼ばれます。
ネギトロ巻き
海苔巻きの中身にマグロの中落ちと刻んだネギを巻き込んだものです。場合によってはきゅうりの細切りを一緒に巻く場合もあります。中落ちは結構濃厚な味なのですが、ネギをあわせることによって食べやすく仕上がっています。店によってわさびを使うところと使わないところがあるようです。
鉄火丼
マグロの刺身をふんだんにどんぶり飯に乗せたもの。わさび、大葉などをのせてたれしょう油を振り掛けていただきます。上でも紹介したようにマグロの巻き寿司のことを鉄火巻きというところから鉄火丼になったとされています。こちらもおかずと主食がいっぺんに食べられる簡単さが鉄火場でもウケていました。
その他の丼
海鮮丼や中落ち丼、ヅケマグロ丼などマグロを使った丼物はその他にも多種にわたります。 マグロがごはんとの相性が良く、日本人に長く愛されてきた証拠ともいえると思います。また、マグロのトロは焼くと風味が増すのでそれを利用したレシピも多いようです。