コノシロ
魚には「出世魚」というものがあります。例えばハマチはブリの若いころの名前で、光り物として食べられるカスゴはタイの幼魚のことです。コノシロも、寿司の世界ではシンコ・コハダと成長して食べ味の変化する魚であるコノシロは、大変に人気のある魚の一つです。
コノシロの一般知識
日本名/英名
鮗(コノシロ)/gizzard shad
コノシロの分類
ニシン目ニシン化ドロクイ亜科コノシロ属
コノシロの生態
コノシロは、海水と真水が入り混じった汽水域から海水域に掛けて広く生息する魚です。その為、漁獲量も多く「ご飯(コ)の代わり(シロ)になる魚」という意味で「コノシロ」と名付けられました。孵化して一年ほどで10cm、2年目で15cmほどにまで成長します。また、コノシロは通常の出世魚とは逆で、シンコはキロ20000円台を越えるという価格設定で市場に出回っています。コノシロまで成長するとキロ1000円台まで下落するという性質を持っています。
コノシロの旬の時期
◎ コノシロのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★- 4
★★★-- 3
★★★★- 4
★★★-- 3
★★★★- 4
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コノシロの旬は秋から冬に掛けてです。夏ごろに産卵期を迎え、シンコやコハダの旬の時期も同じく秋から冬に掛けてということになります。
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出世魚コノシロの種類
コノシロは出世魚です。その為か、様々な名前を持っています。
シンコ
孵化後5cm程度まで成長したコノシロの幼魚です。味自体は幼魚独特のさっぱりしたもので、好きなお客さんは10匹20匹をあっという間に平らげてしまうほどです。
コハダ
光り物として好まれているコハダは、シンコが7cmから10cmまで成長した若魚です。脂の乗りがよく、まさに食べごろといえます。
ナカズミ
コハダが12cm以上に成長したものです。孵化後二年目に突入した頃で、大きめのコハダという感覚でいただけます。
コノシロ
15cm以上のナカズミからコノシロと呼ばれるようになります。コノシロまで成長すると人気が薄くなります。
コノシロで健康!ヘルシー!
コノシロに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。
生活習慣病予防
コノシロは小骨の多い魚で、カルシウムを沢山摂取するのには向いているといえます。また、生活習慣病の改善に効果のあるビタミンB2を多く含み、悪玉コレステロールを減少させる不飽和脂肪酸も含んでいるので、食生活が不安定な方におススメの魚です。
コノシロの美味しい食べ方
酢締め
コノシロはシンコ・コハダ・ナカズミを通して小骨が多く食べにくい魚です。シンコやコハダはサイズが小さく三枚下ろしにしても小骨が取りきれないほどです。その為、酢で締めて骨の主成分のカルシウムを変質させ柔らかくして丸ごと食べます。シンコのさっぱりした味わい、コハダの濃厚な味わいを引き立てます。
コノシロの味噌焼き
香川県の引田地方では、はらわたを取ったコノシロを開いて骨切りし、味噌を挟んで焼くコノシロの味噌焼きが伝わっています。ハモなどの小骨の多い魚を食べやすくする骨切りを用いて食べやすくしたコノシロの身と味噌の香りが絶妙にマッチした逸品です。
コノシロの酢の物
コノシロは酢との相性が良く、酢締めにして寿司に仕立てるだけでなく酢味噌で和えた酢の物も抜群に美味しいものです。適当な大きさに切り分けたコノシロの身を塩に漬け酢に浸し、臭みと固さを取っていきます。酢味噌と下準備を終えたコノシロを和えれば出来上がりです。
コノシロは、酢を使ったり骨切りしたりすることで美味しく食べることが出来る魚なのです。
直感寿司占い・コノシロ編
一番始めにコノシロ(鮗)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「こつこつタイプ」でしょう! コノシロは年数をかけてゆっくりと大きなサイズに成長していきます。そして成長したコノシロはキロ数万円で売られます。そんなアナタは目標に向かってゆっくり確実に努力し、成果を上げるタイプと言えます。基礎作りの大切さを心得ているため、身に付けた知識や技術は将来大きく役立つことでしょう。ただ、大器晩成型ですのでなかなか周囲の評価を得られないことがあります。自分を信じて頑張ってくださいね。
コラム
コノシロと武士
コノシロは古来、武士階級は食べることを禁じられていました。「この城を食べる」事に通ずるとして、下克上すなわち謀反の思惑を抱いていると考えられたからです。しかし、このコノシロに自分の転機を見て取った武士が居ました。それが江戸城を最初に開いた大田道灌です。道灌は、江ノ島の弁財天さまに御参りに行った帰り道で乗っていた船にコノシロが飛び込んでくるのを見ました。これを道灌は「この城が手に入るという吉兆である」と捉え、江戸城を開いたのです。つまり、コノシロが無ければ徳川幕府も無かったのです。
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